もし、ヒロインが俺の彼女だったら。



　俺は女遊びを止める…だろう。





　もし、ヒロインが同僚ではなかったら。



　それでも、ヒロインを好きになっていた自信がある。





　もし、ヒロインも俺のことが好きだったら。



　俺は喜んでヒロインを抱き締める。





　もし、俺が――




















「だから？」



　ヒロインはこちらに顔を向けもせず、冷たく言い放つ。



「あのなぁ、このレノ様が熱心に口説いてるんだぞ？少しぐらいときめいたら――」


「あー、はいはい。さっさと仕事してくれたら考えるわ」



　あっちへ行けと手を振られ、俺はしぶしぶヒロインから離れた。





　俺が片思いをしている相手は同僚のヒロイン。



　毎日のように熱いラブコールを送っているのに、ヒロインは全く振り向いてくれない。




　最近では冗談と取られているようで、ますますつれない。





　どうしたら本気だって思ってくれるんだろうな。



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