男の指先がヒロインの胸の飾りに触れた。



「ぁんっ…」



　ヒロインの上ずった声が男に火を点けたのか、今度は乳房を手で包み込むと円を描くように揉みだした。



　男はヒロインの身体の下に腕を通し、両方の膨らみを弄び始めた。




　気紛れで先端にも刺激が与えられる。



　指の腹で転がされたり、摘まれたりしているうち、それが次第につんと立ち上がり始める。




「あっ、ゃん…っはぁ、んっ、いゃあっ」



　高ぶる身体に反して、ヒロインの気持ちは沈んでいく。



　昨日一度関係を持ったなら二度目も一緒と思ったが、そう簡単に割り切れるものではなかった。




「悪ぃ…嫌、だったか？」




　ヒロインは嫌だと口にはしなかったが、その心を感じ取ったのか、男の手がヒロインの身体から離れた。



　ヒロインの震える肩にそっと男の手が乗せられる。




「泣くな」




　男はしゃくりあげるヒロインと無理矢理行為に及ぶこともなく、ヒロインが落ち着くまでずっと背中を撫でていた。



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