任務が終わって本社に戻っても、相変わらずヒロインにべったりの短銃♂に睨みを利かせ、俺はわざとらしく二人の間に身体を割り込ませた。



　そしてヒロインの肩を抱くと、そのままオフィスに入った。


　ヒロインは顔を真っ赤にして俺から離れようとしたが、敢えて気付かない振りをする。



　案の定、男連中は俺をうらやましそうに、しかし殺気の籠もった目で俺を見てきた。




　どうだ。


　うらやましいだろ。



「なぁヒロイン。今日飲「歓迎会でもするか」



　は？



　ヒロインの耳元で囁いた俺の言葉は、ツォンさんの声によって遮られた。



　茫然とする俺を置いて皆は口々に賛成を叫ぶと、ヒロインを連れてオフィスを出ていった。



　ヒロインは困った顔をして俺に助けを求めていたが、ロッドに腕を引かれていたため立ち止まることもできず、ヒロインの姿はあっという間にドアの向こうに消えた。





　どうしてこうなるんだ！




　あからさまにヒロインを構うのを見せ付けられ邪魔されて、俺のイラつきは頂点に達しようとしていた。




　そこにトドメの一撃が。




「レノ、お前は報告書を書いてから来い」




　思い出したように戻ってきたツォンさんが、意地の悪い顔をした。



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