今日午後からは、ヒロインと短銃♂、俺とルードの２チームに分かれてのスラムの調査。



　張り合いのない退屈な仕事だ。




　これでヒロインと組むなら多少の楽しみがあるっていうのに。


　いや、長年組んでる相棒に不満があるってわけじゃないぞ、と。





「ヒロイン、今日はよろしく頼む」



「えぇ、こちらこそ。よろしく、短銃♂」



　あのいつもはクールで無口な短銃♂が、ヒロインと一緒だと表情豊かで冗舌になる。




　苛々して二人のやりとりを見ていると、ルードが呆れたように溜息をついた。



「大人気ないぞ、レノ」


「あぁ、悪かったな」



　苦笑いをした俺の目に、ヒロインの背後から腕を回し、銃の構え方を教える短銃♂の姿が映った。



　あの野郎…今日はいつにも増して口元緩いじゃないか。



　しかも、あんなに密着しやがって…！



　一気に俺の眉が吊り上がった。



　ヒロイン、見た目に騙されてるぞ、と。




　今日帰ったら注意しておかないとな。



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