Smile again.
ヒロイン
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白で統一された神羅ビル内の医務室。
レノはベッドに横たわるヒロインの顔をそっと撫でた。
「マジで死んだかと思ったぞ、と」
安堵の笑みを浮かべ、レノはまだ薬が効いて眠っているヒロインに語り掛けた。
大量に血を流して倒れたヒロインは、とても助からないと思われた。
しかし、ヒロインが抱えていたレノのコートが盾になり、致命傷は避けられ一命を取り留めた。
輸血をし、顔にも赤みが戻ったヒロインはすやすやと穏やかな寝息を立てている。
「俺があんなこと頼まなければ、ヒロインに痛い思いさせなくて済んだのにな…」
自責の念に駆られ、レノは自分の唇をきつく噛んだ。
「…レノ?」
いつのまに目を覚ましたのか、ヒロインがレノを見つめていた。
「ヒロイン…」
その顔はとても優しく、それが余計にレノの心を締め付ける。
「そんな顔しないで…ね?」
ヒロインが哀しげに顔を曇らせた。
自分に向けて伸ばされたヒロインの手を取り、レノは自分の頬に当てた。
ヒロインの細い手から確かに伝わる体温に、レノはほっと胸を撫で下ろす。
「生きてるんだな」
「うん…まだ一緒にいられるよ」
儚くも微笑んだヒロインの顔はとても穏やかで。
レノも笑った。
願わくは、ずっと一緒にいられますように。
そう祈りながら。
END
2006/01/02
.
レノはベッドに横たわるヒロインの顔をそっと撫でた。
「マジで死んだかと思ったぞ、と」
安堵の笑みを浮かべ、レノはまだ薬が効いて眠っているヒロインに語り掛けた。
大量に血を流して倒れたヒロインは、とても助からないと思われた。
しかし、ヒロインが抱えていたレノのコートが盾になり、致命傷は避けられ一命を取り留めた。
輸血をし、顔にも赤みが戻ったヒロインはすやすやと穏やかな寝息を立てている。
「俺があんなこと頼まなければ、ヒロインに痛い思いさせなくて済んだのにな…」
自責の念に駆られ、レノは自分の唇をきつく噛んだ。
「…レノ?」
いつのまに目を覚ましたのか、ヒロインがレノを見つめていた。
「ヒロイン…」
その顔はとても優しく、それが余計にレノの心を締め付ける。
「そんな顔しないで…ね?」
ヒロインが哀しげに顔を曇らせた。
自分に向けて伸ばされたヒロインの手を取り、レノは自分の頬に当てた。
ヒロインの細い手から確かに伝わる体温に、レノはほっと胸を撫で下ろす。
「生きてるんだな」
「うん…まだ一緒にいられるよ」
儚くも微笑んだヒロインの顔はとても穏やかで。
レノも笑った。
願わくは、ずっと一緒にいられますように。
そう祈りながら。
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