「さ、私も寝よう」




　番組もレノに邪魔されることなく無事最後までゆっくり見ることができて、私は大満足。




　それにしても、あの程度でレノが拗ねると思わなかったな。




　仕方ないから構ってやるか。













「レノー」



　私に背を向けるレノに呼び掛ける。



　反応がない。




「もう寝た？」



　やはり返事はない。




　本当に寝ているか確かめるため、私はレノの正面に回り込んで顔を覗き込む。



　可愛い寝顔だこと。





　規則正しい呼吸を繰り返すレノを見てると、意地悪したくなった。




　いいこと思いついた！





　私はにやにや笑いながらそーっと右手を伸ばして、レノのすっと通った鼻を摘む。




「うﾞぁ」


「ぷっ！」




　いつもすました顔をしているレノが変な声を上げた。


　それだけで可笑しくて、私は吹き出した。





「あははは！やだ、レノ…間抜け～！」




　ひいひい言って笑う私の右手を何かが掴んだ。





「だぁれが間抜けだって…！？」



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