I wish...
ヒロイン
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電話を切ると、作りかけの夕食やツリー、プレゼントがやたら滑稽に見えた。
一人で盛り上がって、ホント…バカみたい。
不思議と涙は出なくて、自嘲気味な笑いだけがただ込み上げてきた。
自分に嫌気がさして、私は家を飛び出した。
レノのためにと買ったプレゼントを、ごみ箱に捨てて。
どこをどう歩いてここまで来たのか分からない。
気が付けば、私は8番街公園の大きなツリーの前にいた。
既に点灯されたツリーは、自分の存在を主張してまばゆく輝いていた。
幸せそうな人々の中、ひどく自分が浮いているような気がして。
ツリーを照らすライトは、決して私の心を照らしてくれなかった。
「レノと、一緒に見たかったな…」
押し殺した願いを口に出すと、堰を切ったように涙が溢れてきた。
私は、両手で顔を覆って泣いた。
止まらない――
苦しい。
苦しいよ…
プレゼントも甘い言葉もいらない。
ただ、二人で過ごしたかった――
私のたった一つの願いは、もう叶わない。
私は静かにその場を離れた。
公園の喧騒が、やたら他人事のように聞こえた。
.
一人で盛り上がって、ホント…バカみたい。
不思議と涙は出なくて、自嘲気味な笑いだけがただ込み上げてきた。
自分に嫌気がさして、私は家を飛び出した。
レノのためにと買ったプレゼントを、ごみ箱に捨てて。
どこをどう歩いてここまで来たのか分からない。
気が付けば、私は8番街公園の大きなツリーの前にいた。
既に点灯されたツリーは、自分の存在を主張してまばゆく輝いていた。
幸せそうな人々の中、ひどく自分が浮いているような気がして。
ツリーを照らすライトは、決して私の心を照らしてくれなかった。
「レノと、一緒に見たかったな…」
押し殺した願いを口に出すと、堰を切ったように涙が溢れてきた。
私は、両手で顔を覆って泣いた。
止まらない――
苦しい。
苦しいよ…
プレゼントも甘い言葉もいらない。
ただ、二人で過ごしたかった――
私のたった一つの願いは、もう叶わない。
私は静かにその場を離れた。
公園の喧騒が、やたら他人事のように聞こえた。
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