I wish...
ヒロイン
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赤に白、緑、金、銀――
次々と視界に飛び込んでくるクリスマスカラー。
レノのせいで、ちょっと欝気味だった私の心もちょっとは軽くなる。
今年はレノに何をプレゼントしよう?
ケーキも買って、ごちそうも作ろう。
せっかくだから、小さいツリーも飾ろう。
レノは呆れるかもしれないけど、クリスマスだしね。
街の繁華街は親子連れやカップルばかりで私みたいな独り身はほとんどいなかったけど、それでも独特の空気が幸せを分けてくれたような気がした。
ウィンドウショッピングをしているうちに楽しくなって、あれもこれもと買い物をしていたら、いつのまにか日が傾きかけていた。
レノへのプレゼントと二つのショートケーキ、クリスマスの小物が入った紙袋を提げ、私は帰路についた。
「レノ、喜んでくれるかな」
腕によりを掛けて夕食の準備をする。
部屋には買ってきた8番街のものには到底及ばない小さなツリーも飾った。
レノが帰ってきたときを考えてうきうきしていると、テーブルに置いた携帯が鳴った。
背面ディスプレイにはレノと書かれていた。
「もしもし?」
『ヒロイン、今日は遅くな『レノぉ、こっち~』
電話越しに聞こえた甘えた女の声。
「はぁ!?」
我が耳を疑って、私は素っ頓狂な声を上げた。
よーく耳を澄ませると、騒ぐ女の声とそれを宥めるレノの声が聞こえる。
ブチッと、堪忍袋の尾が切れた。
『あの…ヒロイン、さん?』
その音が聞こえでもしたのか、少し間を空けてレノが遠慮がちに話してきた。
恋人たちの聖なる夜、ねぇ。
余所にもう一人の「恋人」がいたってわけか。
いろいろと言い訳をするレノの言葉を冷静に聞き流して、私は目を伏せた。
「さよなら」
.
次々と視界に飛び込んでくるクリスマスカラー。
レノのせいで、ちょっと欝気味だった私の心もちょっとは軽くなる。
今年はレノに何をプレゼントしよう?
ケーキも買って、ごちそうも作ろう。
せっかくだから、小さいツリーも飾ろう。
レノは呆れるかもしれないけど、クリスマスだしね。
街の繁華街は親子連れやカップルばかりで私みたいな独り身はほとんどいなかったけど、それでも独特の空気が幸せを分けてくれたような気がした。
ウィンドウショッピングをしているうちに楽しくなって、あれもこれもと買い物をしていたら、いつのまにか日が傾きかけていた。
レノへのプレゼントと二つのショートケーキ、クリスマスの小物が入った紙袋を提げ、私は帰路についた。
「レノ、喜んでくれるかな」
腕によりを掛けて夕食の準備をする。
部屋には買ってきた8番街のものには到底及ばない小さなツリーも飾った。
レノが帰ってきたときを考えてうきうきしていると、テーブルに置いた携帯が鳴った。
背面ディスプレイにはレノと書かれていた。
「もしもし?」
『ヒロイン、今日は遅くな『レノぉ、こっち~』
電話越しに聞こえた甘えた女の声。
「はぁ!?」
我が耳を疑って、私は素っ頓狂な声を上げた。
よーく耳を澄ませると、騒ぐ女の声とそれを宥めるレノの声が聞こえる。
ブチッと、堪忍袋の尾が切れた。
『あの…ヒロイン、さん?』
その音が聞こえでもしたのか、少し間を空けてレノが遠慮がちに話してきた。
恋人たちの聖なる夜、ねぇ。
余所にもう一人の「恋人」がいたってわけか。
いろいろと言い訳をするレノの言葉を冷静に聞き流して、私は目を伏せた。
「さよなら」
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