「はい、わかりました、と」



　レノは携帯を閉じた。






　停電が起きてすぐ、タークス本部からレノの携帯に連絡が入った。



　どうやら、電力の過剰供給で魔ｺｳ炉がダウンしてしまったらしい。



　今のところ、今回は事故で事件の可能性が極めて低いことから、タークスの出番はない、と言うことだった。




　最後ツォンに「お前が珍しく仕事を定時に終わらせたせいだ」と冗談混じりで言われ、レノは肩を竦めた。





「ただの事故だから大丈夫だぞ、と。完全復旧は明日らしいけどな」



　ヒロインを安心させようと、レノはヒロインの髪を撫でる。




「さ、帰るぞ」



「え？」



　不思議そうに目を瞬かせるヒロインに、レノは悪戯っぽく笑った。






「こんな日は星見酒だろ？」



　こんな日に、いつものバーで酒を飲むのはもったいない。




「そうだね」




　レノの意図することを読取り、ヒロインがふわりと微笑んだ。







　こんな星が綺麗な日は、空を見上げながら過ごすのも悪くないだろ、と。



END


2005/11/30


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