暗闇の街にて
ヒロイン
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「っくしゅっ!」
ビルの外に出た途端、レノは盛大にくしゃみをした。
ミッドガルの季節は冬。
あっという間に太陽は身を隠し、急に冷え込んだ空気にレノはぶるっと身体を震わせた。
「さぶ…」
首を竦めて鼻を啜ると、冷たい空気も吸い込んでしまい、自然にうっすら目に涙が浮かぶ。
震える手でスーツの胸ポケットからタバコを取り出し、何度目かでやっと火を点けた。
「ごめんね、待った?」
ちょうど吸い終わるかというところで、やっと待ちわびた人が来た。
「ヒロイン、遅いぞ、と」
ちらりと視線を向け、レノはタバコを消した。
よほど急いできたのか、ヒロインの口から忙しなく白い呼気が現れては消える。
暖かいビルから出てきたばかりのヒロインの頬が若干赤いのに対し、身体の芯まで冷えきったレノの顔は白かった。
「ごめん、寒かったよね」
申し訳なさそうな表情でヒロインがレノの顔に手を伸ばし、両手でレノの頬を挟んだ。
ヒロインの手から温もりが伝わる。
「帰ったらヒロインの身体で温めてくれよ、と」
ヒロインの手を掴んで、レノはその白い指先に軽くキスをした。
「もう!ほら、行こ!」
照れているのか、ヒロインは頬を赤らめて少し唇を尖らせた。
意地悪が過ぎたかとレノは苦笑した。
「はいはい、と」
レノはヒロインの手を取ると、ネオンが眩しい街へと繰り出した。
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ビルの外に出た途端、レノは盛大にくしゃみをした。
ミッドガルの季節は冬。
あっという間に太陽は身を隠し、急に冷え込んだ空気にレノはぶるっと身体を震わせた。
「さぶ…」
首を竦めて鼻を啜ると、冷たい空気も吸い込んでしまい、自然にうっすら目に涙が浮かぶ。
震える手でスーツの胸ポケットからタバコを取り出し、何度目かでやっと火を点けた。
「ごめんね、待った?」
ちょうど吸い終わるかというところで、やっと待ちわびた人が来た。
「ヒロイン、遅いぞ、と」
ちらりと視線を向け、レノはタバコを消した。
よほど急いできたのか、ヒロインの口から忙しなく白い呼気が現れては消える。
暖かいビルから出てきたばかりのヒロインの頬が若干赤いのに対し、身体の芯まで冷えきったレノの顔は白かった。
「ごめん、寒かったよね」
申し訳なさそうな表情でヒロインがレノの顔に手を伸ばし、両手でレノの頬を挟んだ。
ヒロインの手から温もりが伝わる。
「帰ったらヒロインの身体で温めてくれよ、と」
ヒロインの手を掴んで、レノはその白い指先に軽くキスをした。
「もう!ほら、行こ!」
照れているのか、ヒロインは頬を赤らめて少し唇を尖らせた。
意地悪が過ぎたかとレノは苦笑した。
「はいはい、と」
レノはヒロインの手を取ると、ネオンが眩しい街へと繰り出した。
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