「あー…俺のこと、愛してる？」




　突然何を言い出すのかと、ヒロインは怪訝そうに眉をひそめ、後ろを振り返った。


　そして、盛大な溜息をつく。




「先輩、時と場合を考えてください」



　呆れ顔でヒロインはレノに忠言したが、レノは満面の笑みでそれに答えた。


「もう、せんぱ――」





　ッキューーン！




　いい加減にしてください！



　そう続けるつもりだったが、サイレンサー付きの銃から放たれた銃弾が、二人が身を潜めている柱に当たったため口をつぐむ。




　はっとして振り返り、ヒロインは銃を構えて引き金を引く。




　銃弾は見事敵の眉間に命中した。




「ほら先輩！見つかっちゃったじゃないですか！」




　ヒロインは後方のレノをキッと睨む。



「俺のせいじゃないぞ、と」



　レノは涼しい顔をして肩を竦めた。




　全く反省の色を見せないレノに、ヒロインは怒りを通り越して呆れる。




「もういいです。――さっさと片付けましょう」



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