私の彼氏は、お金にルーズな人。



　でも、ときたま『まとまった金が入った』と言っては気前よくお金を使う人だった。




　職業は知らない。



　あの人のどこか謎めいたところにひかれてた。







　今思えば、あんなダメ男とよく一緒にいられたものだ。



　でも、恋は盲目。



　大切な人のためなら、と私は献身的に尽くしていた。







　そして、今日。




　私は何の疑いもせず、あの人についていった。








　そしたらこの有様だ。





　いかにも真っ当に生きていませんと言わんばかりの男たちが近づいてくる。




　あいつ、絶対殺してやる！



　なんて強気でいられたのもここまで。




　じわじわ壁際まで追い詰められて逃げ場はなし。





　…私、絶体絶命のピンチってやつ？





　強ばった顔で男たちに視線を送ると、その中のリーダー格と思われる男が一歩前へ進み出た。




「お姉ちゃん、もうわかってると思うけど、あんた、あの男に売られたんだぜ」



　にやにやといやらしい笑みを浮かべ、男は舌なめずりをした。









　ここまで来れば、いくらバカな私だってこのあとどうなるかわかる。






「たった10万ギルぽっちで男に売られるとは、お姉ちゃんも可哀想になぁ」




　男たちがどっと笑った。





　10万で私売られたの！？



　さあーっと血が引いていくのがわかった。




　悔しいやら情けないやらで、流したくもない涙が零れた。




「おいおい、泣くなよお姉ちゃん。ま、泣いてる女を犯すのもまた乙だけどな」




　ギャハハハ！と下品な笑い声を上げて、男は笑う。



「楽しませてくれよ！このぐらい美人だと、後々高く売れるから傷は少なめにな！」


　リーダー格の男が、くいっと顎で周りの男たちに合図を送った。



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