Never forget you.
ヒロイン
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霊安室。
独特のひんやりとした空気が、妙に私の心を落ち着かせる。
レノの身体はとても綺麗だった。
傷も、血の跡もない。
今にも目を覚まして、いつもみたいに笑って軽口を叩きそうなのに。
レノの顔をゆっくり指でなぞる。
「冷たい」
変えようのない現実が、指先から伝わってくる。
「いっそ、死んじゃおうかな」
自嘲気味に私は笑った。
レノいない世界で、生きてても仕方ない。
――ヒロイン、必ず俺が守ってやるぞ、と。
「レノ…」
突然頭の中に響いたレノの声。
「バカ、泣くな。約束しただろ?」
そう言って、にっと笑ったレノ。
「ヒロイン、必ず俺が守ってやるぞ、と。これからもな」
レノは片目を瞑って、最後に笑った。
「これからも…か」
ぽろぽろ。
大きな粒の涙が、レノの顔に落ちる。
「約束…ちゃんと守ってよ」
私は笑った。
レノが最後に笑ったように。
あなたが確かに存在し、私を守ってくれたこと。
私を愛してくれたこと。
二人で過ごした時間。
絶対に忘れない。
「ありがとう、レノ」
END
2005/07/19
.
独特のひんやりとした空気が、妙に私の心を落ち着かせる。
レノの身体はとても綺麗だった。
傷も、血の跡もない。
今にも目を覚まして、いつもみたいに笑って軽口を叩きそうなのに。
レノの顔をゆっくり指でなぞる。
「冷たい」
変えようのない現実が、指先から伝わってくる。
「いっそ、死んじゃおうかな」
自嘲気味に私は笑った。
レノいない世界で、生きてても仕方ない。
――ヒロイン、必ず俺が守ってやるぞ、と。
「レノ…」
突然頭の中に響いたレノの声。
「バカ、泣くな。約束しただろ?」
そう言って、にっと笑ったレノ。
「ヒロイン、必ず俺が守ってやるぞ、と。これからもな」
レノは片目を瞑って、最後に笑った。
「これからも…か」
ぽろぽろ。
大きな粒の涙が、レノの顔に落ちる。
「約束…ちゃんと守ってよ」
私は笑った。
レノが最後に笑ったように。
あなたが確かに存在し、私を守ってくれたこと。
私を愛してくれたこと。
二人で過ごした時間。
絶対に忘れない。
「ありがとう、レノ」
END
2005/07/19
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