夢小説 狗巻棘
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
事故って呪言が効いてしまったことがある。いつもはしない正常位でしてた時だった。あの人の足を大きく開かせて肩にのっけて、ほとんどプレスするように腰を叩きつけていた。無計画な俺の動きに合わせてあの人の右の義足がガチャガチャ言ってた。ガチャガチャはすごくうるさかった。不快だった。どれだけ乱暴にしても抵抗をされないのがまた不快だった。上も下も、自分の手が届くところは全部めちゃくちゃにしたくて、腰を動かしながら舌をすする。息継ぎも待たないそれに俺ばかりが呼吸を乱していた。だからつい罵ったのだ。あの人の術式への甘えもあったと思う。口汚い嘲りのなかで、任務外では決して使わない命令形を俺は使った。瞬間、抱えてた腿がこわばる。俺を包むそこがぎゅうっとしまり、奥へ奥へと誘うように蠢いた。強く頭を抱きしめられる。首筋に張り付いた髪と、汗の匂い。重なった腹がお互いにびくびくと震えていた。
どくどくと走る心臓がしずまる頃には自分がしでかしたことが理解できていた。まともにいかせたことのない自分でも、直前に使った言葉とその後のことを考えれば、それがそうだったんだろうと分かる。この人に呪言が何で効いたんだっていう疑問。恐怖心に罪悪感。波のように押し寄せる感情に、燃えるような背骨がゆっくりと冷えていく。首筋からそっと顔を上げると、ぼーっとした目とかち合った。「やるじゃねえか」このやろう。俺の前髪をかき上げてあの人は微笑んだ。そのまま横にごろりと倒されて額にキスされた。体勢がキツすぎる。そう言って笑った。
風呂に入ったあと、その人は俺の術式が舌由来なのでキスする時は無効化を抑えていること、というかやってる時は粘膜の接触が多い分、普段から術式を抑えていることを話した。今回はキスハメだったので呪力防御のみに切り替えていたのだという。びっくりさせてごめん、でも気持ちよかったからまたしようぜ。喉を撫でながら言われた。咽頭に痛みはなかった。俺に跳ね返す前に呪言の術式をほどいたのだろう。
ベッドに腰掛けて水を飲むその人の腿に頭をのっけて、右の膝頭をタップする。カチャンと音を立てるそこはプラスチックでできている。任務用の黒いやつでもなく、プライベート用のものでもなかった。メンテナンス中の代替品として義肢作成所の男が取り付けたものだ。アポなしで工房を訪問すると、日に焼けた腕がこの人の腿の傷に触り、慣れた手つきで足を取り付けていた。今後ともご贔屓に、と朴訥とした声で男は言い、入り口に突っ立っている俺の横を、俺よりも20センチばかり高い位置にある頭をぺこりと下げて通り過ぎていった。いつものお爺さんが腰を痛めたので孫がきたのだと説明されても、だから何と思った。
「おかか高菜こんぶ」あの人今度いつ来るの。
「メンテしだいじゃね。また連絡するって」
「しゃけ、ツナツナ」連絡きたら教えて。
「いいけど何すんの」
「高菜」監視。
「仕事しずらいだろうな」
「いくら、めんたいこ」絶対教えて。
「あの人子持ちだぜ」
「おかか、ツナ、しゃけ」それでも教えて。
「てかお見舞い品何がいいと思う?センスを貸してくれ」
それからお爺さんへのお見舞い品を和菓子にするか洋菓子にするかですこし揉めた。帰る前にもう1度、今度はいつも通りバックからして寮に戻った。眠りぎわ、孫野郎の手が俺も触ったことのない場所に触っていた光景が頭をよぎったけど、あの人のいった直後の顔と、このやろうと言われた時のことを思い出して自分を慰めた。今でも会えない時はそれで抜いてる。一歩間違えたら大変なことになってたかもしれないのに、俺はひどい人間なのだろう。結局またしようぜっていうのはあの人なりの気遣いで、以来同じようなことはしてない。
どくどくと走る心臓がしずまる頃には自分がしでかしたことが理解できていた。まともにいかせたことのない自分でも、直前に使った言葉とその後のことを考えれば、それがそうだったんだろうと分かる。この人に呪言が何で効いたんだっていう疑問。恐怖心に罪悪感。波のように押し寄せる感情に、燃えるような背骨がゆっくりと冷えていく。首筋からそっと顔を上げると、ぼーっとした目とかち合った。「やるじゃねえか」このやろう。俺の前髪をかき上げてあの人は微笑んだ。そのまま横にごろりと倒されて額にキスされた。体勢がキツすぎる。そう言って笑った。
風呂に入ったあと、その人は俺の術式が舌由来なのでキスする時は無効化を抑えていること、というかやってる時は粘膜の接触が多い分、普段から術式を抑えていることを話した。今回はキスハメだったので呪力防御のみに切り替えていたのだという。びっくりさせてごめん、でも気持ちよかったからまたしようぜ。喉を撫でながら言われた。咽頭に痛みはなかった。俺に跳ね返す前に呪言の術式をほどいたのだろう。
ベッドに腰掛けて水を飲むその人の腿に頭をのっけて、右の膝頭をタップする。カチャンと音を立てるそこはプラスチックでできている。任務用の黒いやつでもなく、プライベート用のものでもなかった。メンテナンス中の代替品として義肢作成所の男が取り付けたものだ。アポなしで工房を訪問すると、日に焼けた腕がこの人の腿の傷に触り、慣れた手つきで足を取り付けていた。今後ともご贔屓に、と朴訥とした声で男は言い、入り口に突っ立っている俺の横を、俺よりも20センチばかり高い位置にある頭をぺこりと下げて通り過ぎていった。いつものお爺さんが腰を痛めたので孫がきたのだと説明されても、だから何と思った。
「おかか高菜こんぶ」あの人今度いつ来るの。
「メンテしだいじゃね。また連絡するって」
「しゃけ、ツナツナ」連絡きたら教えて。
「いいけど何すんの」
「高菜」監視。
「仕事しずらいだろうな」
「いくら、めんたいこ」絶対教えて。
「あの人子持ちだぜ」
「おかか、ツナ、しゃけ」それでも教えて。
「てかお見舞い品何がいいと思う?センスを貸してくれ」
それからお爺さんへのお見舞い品を和菓子にするか洋菓子にするかですこし揉めた。帰る前にもう1度、今度はいつも通りバックからして寮に戻った。眠りぎわ、孫野郎の手が俺も触ったことのない場所に触っていた光景が頭をよぎったけど、あの人のいった直後の顔と、このやろうと言われた時のことを思い出して自分を慰めた。今でも会えない時はそれで抜いてる。一歩間違えたら大変なことになってたかもしれないのに、俺はひどい人間なのだろう。結局またしようぜっていうのはあの人なりの気遣いで、以来同じようなことはしてない。