夢小説 狗巻棘
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工房を空けていたら狗巻が客からちょっかいをかけられていた。待合の椅子に腰掛け、蠱惑的に笑う女性は2個上の先輩だ。昼職とフリーの術師を兼業している彼女は時々こうして工房を訪れ、手持ちのメンテをしていく。以前預かっていた呪具を私が裏で探している際、ちょうど遊びに来た狗巻と居合わせてしまったらしい。好き嫌いのはっきりした人なので狗巻の語彙を思うと一瞬ひやりとしたが、見る限りでは狗巻は彼女のお気に召したようだ。先輩は狗巻の難解な言葉尻をつかみ、意味を尋ね、赤い唇を弓なりにしてくすくすと笑った。私が持ち込みの呪物を鑑定している間に、カウンターを挟んで向かい合う2人はそれなりに盛り上がる。最終的に今度一緒にご飯に行こうね、という約束を取り付けて先輩は出て行った。連絡先を書いた付箋を指先でもてあそぶ狗巻に、やめとけよ、と声をかけるとキョトンとした顔がこちらを振り向く。そして紫色の瞳がすうっと細まる。勘定席に座る私に距離をつめ、私の耳に息を吹きかけながら、どうして、と狗巻は言った。俺が誰と仲良くしてもいいじゃん、何でダメなの。なんか理由があるの?そうして常よりも饒舌におにぎり語を操る。俺が今の人と会っちゃいけない理由があるなら教えてほしいよ、と。腰に回される腕と、やけに嬉しそうな声色に困惑しながら「あの人ヤバい薬使うんだよ。だから行くな」と白状すると狗巻はすぐに離れた。しらけたように頭をかき、私に向き直る。「舌を出せ」と呪言を一発。「私に呪力向けても意味なくね?」「しゃけぇツナツナ高菜高菜高菜ァ」さっさとしろ早くしろオラオラオラ、とせかされ意味が分からないまま舌を出す。瞬時に絡まる狗巻のもの。思う存分吸ったり擦ったり、おしまいには犬歯で私の舌をガムリと噛んだ。あまりの痛みに震える。いきなり何だよ、と口を押さえて非難するが、対する狗巻は何故か不服そうにしている。そのままカウンターに押し倒されそうになったのでアホかと一蹴したら扉を乱暴に閉めて出て行った。訳が分からない。