夢小説 狗巻棘
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抱き合った後に、リップクリーム変えたの、と狗巻に聞かれた。誤って香料付きのやつを買ったのを思い出す。呪霊が寄ってくるので基本的に術師は匂いを消している。「間違えたから捨てようか迷ってる」と話すと、狗巻はじゃあ俺にちょうだいと言い、くちおいしいねとささやきながら舌の呪印で私の唇をなぞった。匂いに敏感なのか、狗巻は日用品の変化に目ざとい。リップクリームはその筆頭だろう。指摘されるのは決まって別れ際で、そういう時の狗巻の舌はとても静かで感情が読めない。今日もこの後任務が入っているのだが、いってらっしゃいという言葉をあてはめるには重く、儀式めいたそれはまだ終わりそうにない。