夢小説 狗巻棘
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狗巻は細かい気配りのできる男だ。この前なんてポケットティッシュを持ち歩いていて笑った。ハンカチはまだしも、ポケットティッシュを持ち歩く男子高校生なんてそういないと思う。母親に持たされている訳でもなし。教室の机には落書きしまくる癖に、午後練終わりで汗臭くもない。ところどころで出てくるその細やかさは何だろう。若干女々しくすらある。「たらこ」なに考えてんの、と聞いてくる狗巻を見上げながら「お前のこと」と答えると、狗巻は口元の襟を引き上げて表情を隠した。私の頭に置かれていた手が、ぎこちなく私の頭を何度か撫で、ポケットティッシュを差し出してくる。「つーかこれ何。犬?」立ち上がり、机の落書きについて尋ねる。「スパ◯ファミリー」狗巻はズボンのチャックを上げて答えた。夕暮れに差し掛かる教室で、流行りのアニメについて聞きながらティッシュで口内のものを拭う。そしてやっと気づく。あーーそういうことね。