夢小説 狗巻棘
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
直前になって、狗巻が、こんぶだか、めんたいこだかを言い出した。やつは、せっかくの春休みだし、と前置きして、膨れたリュックを控えめに指差す。中身はある種のプレイの小道具だった。どんなプレイをしたかったのか一応聞いて、その上でやんわりと狗巻の申し出を断る。狗巻は、しゃけ、しゃけ、と眉を下げて笑った。結局その日はいつも通りの体位で、いつもよりも少しだけ硬度の下がったソレを相手に励んだ。数日後、狗巻との争いが勃発した。連休の終盤において、ケンカはままあることだ。休み中は自然と泊まりになるし、泊まりだとお互い関わる機会が増えて、その分衝突が多くなる。そのたびにどちらかが折れて修復に努めるのだが、しかし今回の争いは尾を引きそうだった。ソファでスマホ片手にイヤホンをする狗巻に、私はため息をついて廊下に出る。しばらく1人で過ごしたあと、物置から件の小道具を取ってきた。リビングに戻った私を、狗巻は横目に見て、すぐにスマホに視線を移し、そして今度はこちらをまっすぐに凝視した。ムカついたから警察呼んだぜ。手錠をひらひらさせて私は言う。そして固まってる狗巻を立たせた後、やつの前に仁王立ちして、やつを見下ろしながら、やつの体のラインを撫で回した。とりあえず身体検査な、と私は続ける。それで逮捕するか決めるからさあ、脱げよ、服。自分より一回り低い位置にいる狗巻を見据えて、高圧的に言い放つ。狗巻は棒立ちののちに、私の頭のてっぺんの警察帽からピンクストッキングのつま先まで、ゆっくりと視線を動かし、そして猛烈な勢いでシャツとスヌードを脱ぎ捨てると私の口に噛みついてきた。噛みつかれた衝撃で、ペラい帽子が落ちたが些事だ。股ぐらギリギリのタイトスカートをまさぐられながら、回復した場の空気にほっと息をつく。お互い術師で、いつ終わりがくるか分からない身である。私が特殊なプレイを安易にしないのは考えあってのことなのだ。