夢小説 狗巻棘
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目が覚めたら夜中だった。寒かった。汗をかいたまま眠ったせいだろう。喉も渇いていた。軽くシャワーを浴びて、冷蔵庫の烏龍茶を飲む。ベッドに戻ると、狗巻が起きた時の状態のまま、女が寝ていた。数時間前に狗巻を散々にした女だ。狗巻を散々にしておいて、いつの間にか寝ていた女。吐精のさなか、へとへとで快楽を追う狗巻が顔を上げれば、女は軽く頭を横に傾け、眠りについていたのである。思い出し、喉の奥で唸り声を上げた狗巻は、寝てる女にちょっかいを出すことに決める。そうして無防備に晒された乳房を掴む。できる限りのいやらしさでもって揉みしだくが、しかし反応はなく、いつものようにたしなめられることもない。乳首をつまんでも同様である。職業武人の多くがそうであるように、女の眠りは常より、周囲の状況に合わせてすばやく浮上するものだが、これほど触っても起きないとはなんということだろう。うっすらとできた隈を眺めて狗巻はいじらしくなる。もはや静物と化した女に、小さな復讐心はなりをひそめていた。むしろ月光に照らされた裸体は、まるで儚いものであるかのように見えて、表現しがたい不安に駆られる。不埒な指は迷うように女の乳房から首筋の傷へ伸び、傷跡をなぞってそのまま下へ、女の体を2つに裂く、大きなしるべを追いかける。しるべは他の縫い跡や銃創と交わりながら、下へ下へと下っている。他より薄くなった皮膚をたどると、首筋から始まった傷跡は、果ては薄い茂みにまで伸びていることが分かった。茂みをよくよく観察すれば、毛が生えていない道筋があったのだ。それを更に下れば、淡く色づいた、貝殻に似た部位に辿り着く。そこでふと狗巻は思いつき、貝殻を開いて内側を月に晒す。狗巻の予想通り、腹側の一部は白く、色を失っており、それはすなわち傷を負った形跡だった。こんなに深くまで、と息を呑むのと同時に、いつ誰が、と狗巻は思い至る。突如として湧き出した刺すような感情を、どこにぶつけることもできず、かといって目の前の女の、損傷を隠さずに寝こけている様子が、ひどく淫らで憎たらしいものだとも感じて、狗巻は潤したばかりの喉に強い渇きを覚える。そうして自然な動作で貝殻をふたたび開いた狗巻は、舌に唾液をたっぷりと含ませて、丹念に貝殻の内をなぶっていく。色を失った腹側を特に念入りに。いやにゆっくりとした仕草で。透明な青い空気に満たされた室内で、ぴくり、ぴくり、とわずかに動くばかりの女と、手前勝手に傷ついた男、ふたり。