夢小説 狗巻棘
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帰ったら狗巻が寝てた。私のベッドで。とりあえずシャワーを浴びて戻ると、仰向け大の字で寝ていた狗巻は横向きになっており、私は空いたスペースに滑り込んだ。マットレスの軋みに奴はんーと反応し、またもやごろんと寝返りをうつ。へろんと伸びた手が私の腹や胸をぺたぺたとまさぐった。寝たまんまで器用なやつだ。
夢の中の狗巻とは反対に、出張明けの私は身体の疲労に反して頭がいやに冴えている。寝ようにも寝られず、まぶたを下げて睡魔を待っていると、横の狗巻はだんだんハアハアし始めた。えっこいつ無呼吸とかあったっけ、と考えるが、下方の衣ずれと湿った音で察する。シュッシュッ、くちくち、キュッキュッ。音はようようとスピードを増し、私は居心地の悪い汗をかいた。
意識して体動を減らし、寝たふりを決め込む。シュッシュ、しこしこ、キュッキュッ、くちくち、はあはあ。息が顎に当たって生暖かい。キュッキュッてどこ磨いてんだろ、あのあたりかな、とか考えているうちに狗巻の吐息は最高潮に達した。ハア、は、んっ、んっ、……ん……。心底気持ちよさそうに、まぶたの外で熱い息が吐かれた。酩酊したような声とともにシーツが引きつれ、ベッドのスプリングが控えめに軋んだ。キシキシとした木造りの音はしばらく続いた。いくばくかの時が過ぎて、静かになった。
ちらりと目を開けると、眼前の狗巻と目が合った。うわっと思うが、もう手遅れだ。暗闇のなかで、惚けていた瞳が大きく見開かれる。
流れる沈黙を先に破ったのは向こうだった。ごもく、とつぶやいた狗巻はそっと顔を伏せ、シャツの下を伸ばして露出した陰茎を隠した。
きまり悪そうに顔を下に向ける狗巻に、た、ただいま、とどもりながら返す。
とりあえずティッシュを手渡すと、狗巻はシャツで性器を隠したまま、濡れているであろうそこをのろのろと拭った。
長びいたね、と目を伏せたまま狗巻は言った。一瞬何のことだか分からなかったが、たぶん任務のことだろう。
呪霊自体はすぐだったけど、後処理がな。予定は1週間だったっけ。初日以外はずっと復旧と残穢掃除。おかか案件じゃん。永遠に終わんねーかと思ったよ。
ろくに電話もできなくてごめんな、と背中を撫でると、狗巻はふるふるとかぶりを振った。大変だったんだから、いいよ。
狗巻はそう呟くと、シーツの上で横たわったまま、背伸びをするようにして私の頬に口付けた。やわらかな唇が頬を食むようにすぼんだあと、ちゅ、と音を立てて耳元へ移動する。
「いたわ、ろう、か?」
掠れ声が言った。
しっとりと汗ばんだ体が私の上に重なった。下腹をゆるゆると撫でられる。
明日頼むわ、としぼり出すように言うと、狗巻はさして気にする様子もなく、しゃけ、と言った。そして動物のように私の鼻の根元に自分の鼻をこすりつけると、いそいそと私の体の凹凸に自分の身を寝かせて沿わせる。最終的に奴は私の胸元に頭を落ち着けると、寝息を立て始めた。
体の上の熱の塊が落っこちないよう、小さな頭を支えながら、自分の体を横向きに倒す。すうすう眠る頭を枕に預けて、そーっと離れるが、狗巻が眉根を寄せてすり寄ってくるので私は色々なものを諦めることにした。
時折絡んでくる足や手から必死に気を逸らしながら、私は遠い睡魔を手繰り寄せる。下腹が熱いのは狗巻がくっついてるからだ。それ以外の理由はない。心臓が変にうるさいのはただの不整脈。出張明けだし。そういうことにさせてくれ。
夢の中の狗巻とは反対に、出張明けの私は身体の疲労に反して頭がいやに冴えている。寝ようにも寝られず、まぶたを下げて睡魔を待っていると、横の狗巻はだんだんハアハアし始めた。えっこいつ無呼吸とかあったっけ、と考えるが、下方の衣ずれと湿った音で察する。シュッシュッ、くちくち、キュッキュッ。音はようようとスピードを増し、私は居心地の悪い汗をかいた。
意識して体動を減らし、寝たふりを決め込む。シュッシュ、しこしこ、キュッキュッ、くちくち、はあはあ。息が顎に当たって生暖かい。キュッキュッてどこ磨いてんだろ、あのあたりかな、とか考えているうちに狗巻の吐息は最高潮に達した。ハア、は、んっ、んっ、……ん……。心底気持ちよさそうに、まぶたの外で熱い息が吐かれた。酩酊したような声とともにシーツが引きつれ、ベッドのスプリングが控えめに軋んだ。キシキシとした木造りの音はしばらく続いた。いくばくかの時が過ぎて、静かになった。
ちらりと目を開けると、眼前の狗巻と目が合った。うわっと思うが、もう手遅れだ。暗闇のなかで、惚けていた瞳が大きく見開かれる。
流れる沈黙を先に破ったのは向こうだった。ごもく、とつぶやいた狗巻はそっと顔を伏せ、シャツの下を伸ばして露出した陰茎を隠した。
きまり悪そうに顔を下に向ける狗巻に、た、ただいま、とどもりながら返す。
とりあえずティッシュを手渡すと、狗巻はシャツで性器を隠したまま、濡れているであろうそこをのろのろと拭った。
長びいたね、と目を伏せたまま狗巻は言った。一瞬何のことだか分からなかったが、たぶん任務のことだろう。
呪霊自体はすぐだったけど、後処理がな。予定は1週間だったっけ。初日以外はずっと復旧と残穢掃除。おかか案件じゃん。永遠に終わんねーかと思ったよ。
ろくに電話もできなくてごめんな、と背中を撫でると、狗巻はふるふるとかぶりを振った。大変だったんだから、いいよ。
狗巻はそう呟くと、シーツの上で横たわったまま、背伸びをするようにして私の頬に口付けた。やわらかな唇が頬を食むようにすぼんだあと、ちゅ、と音を立てて耳元へ移動する。
「いたわ、ろう、か?」
掠れ声が言った。
しっとりと汗ばんだ体が私の上に重なった。下腹をゆるゆると撫でられる。
明日頼むわ、としぼり出すように言うと、狗巻はさして気にする様子もなく、しゃけ、と言った。そして動物のように私の鼻の根元に自分の鼻をこすりつけると、いそいそと私の体の凹凸に自分の身を寝かせて沿わせる。最終的に奴は私の胸元に頭を落ち着けると、寝息を立て始めた。
体の上の熱の塊が落っこちないよう、小さな頭を支えながら、自分の体を横向きに倒す。すうすう眠る頭を枕に預けて、そーっと離れるが、狗巻が眉根を寄せてすり寄ってくるので私は色々なものを諦めることにした。
時折絡んでくる足や手から必死に気を逸らしながら、私は遠い睡魔を手繰り寄せる。下腹が熱いのは狗巻がくっついてるからだ。それ以外の理由はない。心臓が変にうるさいのはただの不整脈。出張明けだし。そういうことにさせてくれ。