夢小説 狗巻棘
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報告書に追われてあの人が構ってくれない。せっかくの2連休、いちゃこらしたくてお泊まりバッグ片手に「来ちゃった♡」したのにガッカリだ。俺と仕事とどっちが大事なの? と聞いたけど急ぎの案件らしい。仕方ないので俺は一人で風呂に入り、あの人のベッドでごろごろして暇を潰した。大食いにゲーム実況、漫画のネタバレ速報。お気にいりをチェックし尽くす頃にはだんだんまぶたが重くなってきた。うとうとしていると不意に名前を呼ばれたので飛び起きる。やっとか! と期待に胸を膨らます俺に、あの人はiPadを貸してくれと言った。あとちょっとで完成ってとこでpcが固まったらしい。バックアップは取ってたから、俺のiPadで仕上げをさせてくれないか、とのことだった。つまりあとちょっとでいちゃこらできるんじゃん! と俺は喜び勇む。しゃけしゃけ、と上機嫌で答えながら、開きっぱだった無数のタブを消そうとiPadを操作した。しかし誤って画面上部のアダルト広告を開いてしまう。「巨乳JKがビーチで出会ったのは……触手!?」とかピカピカ文字が光るのと一緒に、水着の女の子がうねうねしてる動画が展開された。秒で戻るボタンを押すが、電波が悪いのか一向にページが更新されない。待ってる間に女の子はどんどん触手に負けていく。アホな広告だが気まずい。無言で戻るボタンを連打していると、あーこういう呪霊っているよなあ、とその人は心底嫌そうに言った。4年の時によー、入り江にエイリアンみたいなのが住み着いてて困ってる、どうにかしてくれーって依頼があったんだよ、そいつがまじでこんな見た目しててさ、ぶよぶよしてて殴っても全然効かねーの。呪霊のくせに貝とでも混じってんのか、足から針も生えててさあ。刺されたら体動かんくなるし、最悪だったぜ。その人は顔を歪めながら話した。最終的にどうしたのかを尋ねると、どうしようもねえから応援来るまでやられっ放し、と、うえーと舌を出して言う。そして、似たようなの見かけても絶対近づくなよ、と俺に念を押した。しゃけーと平静を装う俺をよそに、その人はおっ直った直った、とか言いながらさっさと作業を進めていった。完成した書類をその人が事務に持っていく間、俺はひとり、戻るボタンを押しまくってさっきのアホな広告を見つめた。ズボンの中に手が伸びるのは不可抗力ってやつだと思う。好きな人の触手モノとか、いたいけな男子高校生にはちょっと刺激が強すぎる……。