オナホを買った。口型のやつ。こんな怖いデザインあっていいのかと思ったけど、レビューの評判も良かったし、どうせなら面白いやつにしようと思ったのだ。Amaz◯nからやってきたそいつは荒いサムネで見るより、色味も感触も生々しかった。シリコンの口を開けると歯と喉ちんこまで作り込まれていて、俺はおののく。感情を共有したくて、男子ラインで画像をのっけた。パンダは草を生やし、憂太は呪物みたい、とすこし引いていた。
　使い方は普通のやつと同じで（普通のオナホ買ったことないけど）ローションを口から流し込んで使うのだという。あっためたローションと一緒に自分のものを入れてみると、レビューであった通り、喉の構造の再現にも気合いを入れいてるのが分かった。喉の奥が少し開けていて、もっと進むと下っ側に突起があるのだ。動かすと先っぽに擦れて気持ちがいい。構造だけなら本物と同じだなと思う。構造だけなら一緒なのだ。一緒なのにな。
　物足りなさを補いたくて、あの人がそうしてくれるように、オナホを動かさずに上からぎゅっと握って喉奥の部分を刺激してみる。同時進行で玉を揉むとすこしだけ昇る感覚があった。目を瞑って、出張前のあの人の舌の動きを思い返しながら、自分を追い詰めていった。いく頃にはローションは冷たく乾いていた。
　だるい後片付けを終えて部屋の電気を消す。スマホが明るくなったので飛びつくけど公式ラインからだった。1時間前に送ったメッセージにはまだ既読がつかない。