最上と茂夫
影山くんにキスされた。携帯ゲーム機に勤しんでいたかと思えば、いきなりされた。昨日からずっとキスしたいなと思ってたので、今しました。影山くんは真顔でそう言い放つと、何食わぬ顔で携帯ゲームに向き直る。予想外の言動に言葉が出ない。動けない私をよそに、影山くんはゲームをしたまま、最上さんは◯◯ドナルド行ったことありますか? と、謎の質問を投げてきた。平静を装いながら、ないと答える。すると、今度一緒に食べに行きましょう、と彼は言った。美味しいのたくさんあるんです、シェイクとか……。そこまで言って言葉を区切ると、彼はちらと私を見て頬を染める。理解不能だ。身のうちに潜む無数の怨霊たちもざわついているのが分かった。黙っている私に、行きませんか? と影山くんは心配そうに尋ねてくる。いや行くけども。シェイクって何。
最上さんの唇はやわらかい。ずっと触ってたいと思うくらいだ。こんな感じの人なのに唇がやわらかいってずるいと思う。今日帰りに食べたシェイクよりやわらかかった気がする。けっこう溶けてたのに……。そこでふと思い立った茂夫は脈絡のない誘いを最上に申し出る。最上から某チェーン店を連想するなど茂夫くらいのものである。
最上さんの唇はやわらかい。ずっと触ってたいと思うくらいだ。こんな感じの人なのに唇がやわらかいってずるいと思う。今日帰りに食べたシェイクよりやわらかかった気がする。けっこう溶けてたのに……。そこでふと思い立った茂夫は脈絡のない誘いを最上に申し出る。最上から某チェーン店を連想するなど茂夫くらいのものである。
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