最上と茂夫
帰りの時間について連絡がなかったことを最上は強く非難した。最上個人としては怒りは感じていなかったけれど、来年から社会に出る茂夫に、ほうれんそうの重要性をいち早く理解してほしかった。厳しい口調をつくる最上を、茂夫は狭い玄関に寝転びながらぼーっと見つめているが、ふいに立ち上がり、仁王立ちする最上の顎を掴む。そして何事かと硬直する最上の、口端をぺろりと舐めた。朝ごはんの時にここにお米ついてて、帰った時にまだついてたら食べてあげようと思ってたけど、さすがにもうないですね、へへ。酒臭い息を吐きながら、茂夫はにへらと頬をゆるませた。ちゅ、ちゅ、と場違いな音を立て続ける彼に、最上は呆然としたのちに深く口付け、尻をもみながらベッドへと移動し、全身を、特に乳を入念にしゃぶりつつゆっくりと腰を使った。翌日最上はほうれんそうと酒量のコントロールについて再度茂夫にこんこんと説教をするが、布団にくるまる元少年は二日酔いやら身体の痛みやらでそれどころではない。