最上と茂夫
花金に映画を見た。あらすじは不死身の男が長い時間をかけて発狂するというものだ。最後は無差別犯罪を起こして罪のない人々が犠牲になった。途中で切ってもよかったものの、「不死身」という点に興味があった最上は最後まで映画を追ってしまう。酒も少し入っていたので、面白くなかったのかと聞いた茂夫に、簡単なあらすじと自分の第二の人生の展望にからめた感想(端的にいうと弱音)を話す。エンドロールで目を覚ました茂夫だけれど、正気を失った場合の惨事を危惧する気持ちは痛いほど分かるため、あんたがいきすぎた時はぼくがこらしめに行きますよ、と寝起きにしてはしっかりした口調で宣言するのだが、それはそれで困る、と悪霊が頭を抱えるので訳がわからない。