最上と茂夫
正月番組が面白い。目隠しをした業界人が高級品がAかBかを当てる企画だ。番組が用意した品目には食品もあり、眺めていると食欲が刺激された。雑煮で腹具合は7分目といったところか。いかんせん御節料理にはデザートが足りない。けれど悪霊とて正月はゆっくりしたい。なので近場にあったもので間に合わせることにした。まずは白玉だんごを用意する。次に白玉をもみつぶして汗をかかせる。塩気が効いている方が何でも美味いものだ。こたつの熱気も手伝い、数分と経たずに団子はほかほかと出来上がってくる。小ぶりにまとまったそれは私のような弱った老人にも優しい。舌で包むように転がすと白玉の主が背をそらして餡餡とうなった。お次の品は高級ぜんざい、とナレーターが楽しげに言った。