最上と茂夫

正常位で致していると肩に軽い痛みが走った。影山くんに噛まれたらしい。珍しいことなので、噛んだ本人と噛み跡とをまじまじと見つめた。見つめられて恥ずかしかったのか、最上さんが百人いてもこれで見分けられるから、などと意味不明のことを少年は口走る。変な設定の漫画でも読んだのだろうか?困ったようにはにかむさまが愛らしかったので、適当に流してしまったが。こちらもなにかしら跡をつければよかったかもしれない。あのとき折った人差し指の、ふたつとなりの指にでも。
26/60ページ