最上と茂夫

いとけない陰茎がとくとくと涙を流している。胸をひねっても泣き、あばらをたたいても泣く。腰を揺するとさらに泣いた。力なくこうべを垂れ、下で寝転ぶ最上の腹を汚すそれ。まるで馬鹿になった蛇口のようだ、と最上は評する。本来なら別の用途があるものだが。女性を相手にするときはどうするつもりだ。瞬間、やわらかく痙攣していた内壁が静止し、最上をきつく圧迫する。長らく息の整わなかった少年は顔を上げる。最低だな、アンタ。苛立ちにゆがんだ瞳が最上を捉えて離さない。そのあいだにも慈悲深い穴はぎりぎりと絞まってゆく。このまんま引きちぎってやろうか、なあ。凍りつくような台詞にも悪霊はうっとりだ。少年の体はもちろん、このような声も顔も与えられる痛みも最上しか知らない 。
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