烏野高校
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夢主設定
※氏名→佐久間○○
※付き合ってる
※烏野高校1年
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部活が終わった帰り道
いつもの様にみんなで坂ノ下商店へ向かう
その最後尾を東峰と○○は歩いていた
「あっ、あのさぁ……」
歯切れの悪い感じで東峰は話を切り出した
「佐久間……なんか怒ってる?」
彼は頬を人差し指で掻きながら、
隣を歩く彼女の様子を伺う
「いや、もしかしたら俺の勘違いかもしんないし、
怒ってないならそれはそれで良いんだけど……」
"怒ってないなら"と言ったものの
彼には彼女が"怒っている"と感じる瞬間が多々あった
夕方の部活
何をするにも避けられている感じ
自主練の時
いつもなら手伝ってくれるのに他の人のボール出しをしていた
帰り道
いつもならニコニコしてる表情が俯きっぱなしで見えない
(怒ってるのは分かるけど理由がなぁ……)
全く分からなかった
「あのさ、何かあるなら言ってくれないと分からないよ」
俺はエスパーじゃないんだし
そんな冗談を付け加えようとしてやめた
今の彼女がそんな冗談で笑ってくれる気がしなかったからだ
「あのさぁ……俺、こんなんだけど、ちゃんと佐久間の事知りたいし……
怒ってる理由教えてよ」
彼がそう言うと彼女は歩く足を止めた
「部活前に話してた女の子……」
ポツリ、ポツリと彼女は話し出す
「体育館前の廊下で話してたの誰なんですか?」
「部活前……?」
今日の事を思い出してみる
部活前……
体育館前の廊下……
女の子……
「あぁ、カナエかなぁ。
あの茶髪でポニーテールだよね」
コクンっと彼女は頷く
「カナエがどうかした?」
彼女は肩にかかるリュックの紐をキュッと握る
そして静かに言う
「名前で呼んでるんだなぁ……って……」
「えっ……?」
「仲良しだなぁ……って」
「カナエは小学校から一緒で、俺の事ビビらないっていうか、俺に対して誤解がないか……」
「私は……まだ旭先輩に名前を呼んでもらった事ないです」
全てを吐き出して力が抜けたのか、リュックの紐を掴む彼女の手からは力が抜けていた
(それが原因だったんだ)
今の彼女の姿から、彼女が言えずに溜め込んでいた物が分かった
確かに付き合い初めてからも彼女を呼ぶ時は名字だ
彼自身そんなに気にはしていなかったが、
他の女子を名前で呼んでいる姿を見て、
それが気持の靄になったのだろう
(あぁー、何か不安にさせちゃった)
彼は隣の彼女を見る
身長も体も小さくて
でも人一倍明るく頑張り屋さんで
笑った顔は可愛くて
誰よりも君は特別だ
そんな気持ちが溢れてくる
でも、もし自分が逆の立場なら……
吐くくらい、悲しいかも
やっと彼女の気持ちが分かった気がした
「あのさっ」
安心させたくて、特別って伝えたくて
彼女の名前を呼ぼうとする
でも、すぐに言葉には出来なかった
何だか試合とは違う緊張がこみ上げる
喉のすぐまで来ているのに、
言葉として発することに照れや恥ずかしさが入り交じる
「えっと……あの……」
しどろもどろになる彼を彼女が見上げる
への字に歪めた口元
いつもより細められる目
ただ、頬は少し赤く染まっている
「名前を呼んでくれよ、エース」
彼女はそう言うと直ぐに目をそらした
その姿に彼はときめく
「ごめん、ちょっと待って、今の反則」
彼は手のひらで額を抑えて俯く
(名前呼んで欲しいって照れながら言ってるとか、本当に可愛いんだけど……)
「旭先輩?」
「うん、ごめん。
ちょっとでいいから……
本当に、ちょっと時間ちょうだい」
次に君を見る時には
ちゃんと名前で呼ぶから
君が笑う顔が見たいから
特別だって伝えるから