梟谷学園
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烏野高校のマネージャー
高校2年生
5歳くらいの弟がいる
名前→八雲〇〇
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夏合宿2日目
全体練習後に自主練をする生徒は少なくない
烏野高校2年のマネージャー○○は、
食堂が締まる事を伝えに体育館を回っていた
最後の体育館の入り口から烏野高校の月島、音駒高校の黒尾が出てきた
「月島くん、食堂しまるよ」
「わかりました」
必要最低限の返事をして月島は○○の隣を過ぎ去る
「あれ?」
○○は体育館の電気がまだ点いている事にハテナマークを浮かべる
みんなが練習を終えていれば、体育館の電気は消されてもおかしくない
「誰かいますか……?」
○○が体育館を除くが人影は見当たらない
ネットも紐を緩めてあり誰かが使っている様子はない
「消し忘れかな」
彼女は電気のスイッチを探しに体育館に入る
(この体育館のスイッチは……確かステージの暗幕の後ろ)
静かな体育館に彼女の足音だけが響く
(昼間の賑やかさが嘘みたいだね……)
そんな事を考えるながら彼女は暗幕に手を伸ばす
「!?」
スイッチを探そうと暗幕を引くとそこに彼はいた
「木兎……さん」
両膝を抱え座り込み、暗い顔をする梟谷学園高校3年の木兎がそこにはいた
昼間の威勢の良い彼のイメージからはかけ離れた彼の姿に○○は、今目の前にいるのが本当に同一人物なのかを疑った
「烏野のマネージャーの……」
膝を抱えたまま木兎は彼女を見上げた
「八雲です。八雲○○。
木兎さんはどうかされたんですか?
……まさか!ケガとかですか!?」
はっとした彼女はしゃがみこんで彼の体を観察する
しかし、彼の体には外傷らしきものはない
「ケガはしてない……」
「ならいいんですが……」
「良くないぜー」
「?」
「自主練とはいえツッキーにスパイス止められるわ、打っても入らないわ……」
木兎は大きなため息をつく
「……今日の俺はもうダメだぁー」
そう言うと彼は再び膝を抱え込み丸くなる
そんな彼の姿に彼女は思わず微笑む
(何か弟に似てる)
運動会のかけっこで負けた時、この世の終わりかってくらい弟は泣いていた
悔しくて悔しくて仕方がなかったのが見ていて分かった
今、目の前で蹲る彼は泣いている訳ではない
体つきだって5歳児の比ではない
でも○○には、そんな彼が弟の様に可愛く思えた
○○は不意に彼の頭に手を置いた
ワックスで硬い髪
手が触れたとき、彼がピクッと反応した
「木兎さん。大丈夫ですよ」
彼女は彼の頭を撫で優しく話かける
それは幼い子供に語るのと同じように
「今日がダメなら、明日頑張りましょ」
ワックスで硬い髪をゆっくりと撫でる
「出来ない事があるから練習するんですし、今回はみんなで合宿してるんです」
「……」
「それに……今日出来なかった事が明日すぐに
出来るようになったらカッコいいですよ」
"カッコいい"というフレーズに木兎の目が、暗闇で獲物を見つけた木菟の如く光る
「カッコいい……」
彼はその言葉を反復する
「そうだ!俺はカッコいいーーぜ!!」
木兎は急に立ち上がるとガッツポーズをしながら叫ぶ
「へいへいへいへーい!
何かテンション上がってきたー!!」
「……」
あまりの急な彼の変化に○○は言葉が出なかった
「○○!」
「はい!」
急に名前を呼ばれた彼女は、ピシっと立ち上がり返事をする
「もう一回撫でてくれ!
それで言ってくれ"カッコいい"って!」
彼女は素直に従う
ほれっと言わんばかりに頭を向ける彼
恐る恐るではあるが彼女は再び彼の頭を優しく撫でる
「木兎さんはカッコいいですよ」
彼女の言葉に彼は最高の笑顔を浮かべる
嬉しい、楽しい、そして何か照れる
言葉にはならない感情が詰まった笑顔
その笑顔に○○は笑みを浮かべる
「へいへいへいへーい!!
これで明日も頑張れるぜい!!」
今にも体育館を走り回りそうな木兎
それを見て彼女は思わず声を出して笑う
「木兎さん、ご飯行きましょ。
食堂しまっちゃいますから」
そして二人は食堂へ向った
彼女が木兎にしょぼくれモードがあるのを知ったのは翌日の話
復活した木兎を見て赤葦が彼女を師匠扱いしたり
木兎がしょぼくれる度に彼女に頭を撫でるよう要求するようになったりするのは
また別のお話