梟谷学園
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夏合宿
練習試合が一区切りになる夕方
梟谷学園エース
木兎光太郎はフラフラと食堂に向った
「あれ?木兎さん。どうかしました?」
食堂の扉を開けるとそこには、烏野高校マネージャーの○○がいた
「○○、腹減ったぜー」
「試合は一区切りです?」
「今終わってー
これから自主練だぁー
今日も黒尾とツッキー捕まえてぇー
でも、その前にさぁ、聞いてくれよー
さっきの試合でスパイクがさぁー」
ちょっぴりしょぼくれモード気味の木兎
彼の話に彼女はにこやかに相槌をうつ
その相槌の温かさに木兎は次第にテンションを上げていく
「何か話してたらカッコいいスパイクが打てる気がしてきたぜ!」
彼はそう言うと両腕を天井に伸ばす
「それは良かったです。
木兎さん、手出して下さい」
差し出した彼の手のひらに彼女は小ぶりのおにぎりを置いた
「お腹減ってるとマイナス思考になりがちです。
これ食べて自主練頑張りましょう」
ね?と言う彼女の笑顔に木兎も釣られて笑う
そして丁寧に包まれたラップを剥がし、おにぎりをかじった
ちょっと硬い塩むすび
シンプルなそれが無性にうまい
「ご飯粒がついてます」
○○はそう言って木兎の頬に手を伸ばす
指先が微かに彼の頬に触れて離れる
その僅かに感じた彼女の感触が離れていく事が、彼にはとても寂しく感じた
(もっと……)
そう考えると同時に彼の体は動く
離れていくその腕をとっさに掴んだ
(細っ)
力を入れたら折れるんじゃないかと思う腕
いつもじゃれ合っている男の物とは全く異なる
その掴んだ感触に彼は彼女に対して"守りたいもの"としての意識を強く感じた
(俺だけの○○にしたい)
彼の中で今まで生じたことのない欲が生まれる
独り占めしてしまいたい
自分だけを見てもらいたい
そんな欲求が強く押し寄せる
木兎は掴んだ彼女の指先を舐める
先程頬から取られた米粒を口に含むと
彼女の指先が唇に触れる
(○○ごと食べたい)
「あっ、あのっ、木兎さんっ」
彼女の慌てた声で彼は我に返った
目の前の○○は、赤く染めた頬に体を強張らせて彼を見上げていた
「木兎さん…大丈夫……ですか?」
(顔赤くして、見上げて、マジかわいーんだけど!!)
今まで意識していなかった感情が彼の中で動き出す
○○が可愛い。
ちっさくて抱きしめたい
手とか触ってたい
俺だけに笑ってて欲しい
色々な感情に胸がきゅーっとした
「木兎さん、体調悪いなら自主練はやめて、休んだ方が……」
熱を確かめようと彼女の手が額に伸びる
しかしその手は、彼の額に触れることはなかった
「大丈夫!大丈夫ー!
自主練頑張ってくるぜー!!」
彼女の手を避けるように木兎は体育館へ向かって歩き出す。
(マジでカワイイ。すんげーカワイイ。
転校してマネしてくれねぇーかな)
体育館へ歩く木兎
○○に見せる背中はいつもと変わらない
しかし、恋に墜ちた彼の顔はとても楽しそうに笑っていた