清陰高校
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高校2年生
バレー部マネージャー
小田の年下幼馴染
✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲
「春高でベンチのマネージャーをやるのは荊ちゃんが良いと思います!」
練習前のミーティングで、○○はそう言って手を上げた
「実はもう、先生と荊ちゃんには了承済です!」
意見は受け付けませんよ!
彼女の姿はそう語っていた
そんな彼女の姿を小田は複雑な心境でみつめていた
✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲✲
「こんな夜道、一人じゃ危ないぞ」
部活終了後
すっかり暗くなった道を歩く○○に小田は声をかけた
「どうせ隣の家なんだから、ちょっとくらい待ってろや」
「しんちゃん……」
○○は見るからに元気がない
普段ならどんなに疲れても、大変でもニコニコとしている彼女
そんなに気を張らなくても……
と小田は思うことがしばしばあるくらいだった
「ベンチ入りの事か?」
○○は足を止めた
それを見て小田も彼女の隣で足を止める
背負うリュックの紐を握りしめる拳が、カタカタと震えていた
「予選の時はね……春高でセンターコート……みんなの姿が見たいと思ってたの……」
彼女は絞るように声を出した
「でもね……春高決まって、代表になって、その時思ったの……私は、みんなの勝ってる姿をもっと見てたいってっ」
顔を上げた彼女の瞳からは、マンガに出てくる様な大粒の涙がポロポロと零れていた
「勝ってく為には、私じゃダメなのっ」
それは小田に伝える為ではなく、彼女が彼女自身に言い聞かせている様だった
部活のマネージャー
それはプレイヤーのプレー以外での負担を軽減してくれる存在であると同時に試合が始まればサポート、アドバイス、メンタルケアなどをこなす、コートに立たないプレイヤーである
バレー未経験、運動音痴の○○がその役割を果たす事は困難と言わざる得ない
「○○……」
小田は言葉が見つからず口をつぐむ
○○がチームの為に出した決断
それは少し前に彼自身が灰島の言葉で経験した決断に似ている
「しんちゃん……」
○○の目から溢れる涙は止まらない
無色透明なそれはポロポロとガラス玉のように彼女の頬を転がり落ちていく
「しんちゃんのバレー、誰よりも近くで見ていたかったのっ」
口を強く結び、涙で顔はぐしゃぐしゃの彼女を小田は愛おしくて仕方がなかった
「○○……」
抱き寄せようと伸ばした腕を彼は止める
彼女を気持ちのまま抱き締めでも嫌がられはしないだろう
お互いに言葉で伝えあってはいないが、特別な存在であることは何となく感じあっている
でも彼にはこの腕を伸ばす事が正解とは思えなかった
(ここで掴んでしまったら……○○の決意を無駄にしてしまうんやないか……)
チームを思って考えた彼女の気持ち
福峰戦スタメンを外れた小田には、その気持ちや葛藤がよく分かった
彼は止めた腕を下ろす
「なぁ……」
真っ直ぐ○○を見つめる
彼女も止まらない涙を零しながら彼を見上げる
「後悔させんよ。
絶対に○○を後悔させるような試合はせんよ。約束や」
彼はそう言って右手の小指を立てて目の前に出す
その光景に更に目を潤ませ口を歪ませる彼女
そんな彼女の小指を彼はすくい上げ絡ませる
「約束や」
力を込めた小指
彼女も力を込めたのが分かった
小田は優しい笑みを浮かべる
「しんちゃん……ありがとう」
涙でぐしゃぐしゃになったその顔に彼女は笑みを浮かべる
"いつも通り"を装おうとするその笑顔はまだまだ不格好
「約束だよ」
小田は○○の手を握る
「約束や」
彼は一回り小さな彼女の手を強く握るとそのままゆっくりと歩きはじめた
高校2年生
バレー部マネージャー
小田の年下幼馴染
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「春高でベンチのマネージャーをやるのは荊ちゃんが良いと思います!」
練習前のミーティングで、○○はそう言って手を上げた
「実はもう、先生と荊ちゃんには了承済です!」
意見は受け付けませんよ!
彼女の姿はそう語っていた
そんな彼女の姿を小田は複雑な心境でみつめていた
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「こんな夜道、一人じゃ危ないぞ」
部活終了後
すっかり暗くなった道を歩く○○に小田は声をかけた
「どうせ隣の家なんだから、ちょっとくらい待ってろや」
「しんちゃん……」
○○は見るからに元気がない
普段ならどんなに疲れても、大変でもニコニコとしている彼女
そんなに気を張らなくても……
と小田は思うことがしばしばあるくらいだった
「ベンチ入りの事か?」
○○は足を止めた
それを見て小田も彼女の隣で足を止める
背負うリュックの紐を握りしめる拳が、カタカタと震えていた
「予選の時はね……春高でセンターコート……みんなの姿が見たいと思ってたの……」
彼女は絞るように声を出した
「でもね……春高決まって、代表になって、その時思ったの……私は、みんなの勝ってる姿をもっと見てたいってっ」
顔を上げた彼女の瞳からは、マンガに出てくる様な大粒の涙がポロポロと零れていた
「勝ってく為には、私じゃダメなのっ」
それは小田に伝える為ではなく、彼女が彼女自身に言い聞かせている様だった
部活のマネージャー
それはプレイヤーのプレー以外での負担を軽減してくれる存在であると同時に試合が始まればサポート、アドバイス、メンタルケアなどをこなす、コートに立たないプレイヤーである
バレー未経験、運動音痴の○○がその役割を果たす事は困難と言わざる得ない
「○○……」
小田は言葉が見つからず口をつぐむ
○○がチームの為に出した決断
それは少し前に彼自身が灰島の言葉で経験した決断に似ている
「しんちゃん……」
○○の目から溢れる涙は止まらない
無色透明なそれはポロポロとガラス玉のように彼女の頬を転がり落ちていく
「しんちゃんのバレー、誰よりも近くで見ていたかったのっ」
口を強く結び、涙で顔はぐしゃぐしゃの彼女を小田は愛おしくて仕方がなかった
「○○……」
抱き寄せようと伸ばした腕を彼は止める
彼女を気持ちのまま抱き締めでも嫌がられはしないだろう
お互いに言葉で伝えあってはいないが、特別な存在であることは何となく感じあっている
でも彼にはこの腕を伸ばす事が正解とは思えなかった
(ここで掴んでしまったら……○○の決意を無駄にしてしまうんやないか……)
チームを思って考えた彼女の気持ち
福峰戦スタメンを外れた小田には、その気持ちや葛藤がよく分かった
彼は止めた腕を下ろす
「なぁ……」
真っ直ぐ○○を見つめる
彼女も止まらない涙を零しながら彼を見上げる
「後悔させんよ。
絶対に○○を後悔させるような試合はせんよ。約束や」
彼はそう言って右手の小指を立てて目の前に出す
その光景に更に目を潤ませ口を歪ませる彼女
そんな彼女の小指を彼はすくい上げ絡ませる
「約束や」
力を込めた小指
彼女も力を込めたのが分かった
小田は優しい笑みを浮かべる
「しんちゃん……ありがとう」
涙でぐしゃぐしゃになったその顔に彼女は笑みを浮かべる
"いつも通り"を装おうとするその笑顔はまだまだ不格好
「約束だよ」
小田は○○の手を握る
「約束や」
彼は一回り小さな彼女の手を強く握るとそのままゆっくりと歩きはじめた