清陰高校
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昼休みの教室
バレー部内村はお弁当を食べ終え、クラスメイトと話をしていた
次の授業の事や昨日見たテレビの事
変哲もない普通の会話
「えぇー、しーちゃんこれ大丈夫?」
「○○、ヘーキ、平気!
変じゃない!」
「変じゃないは、似合ってるわけじゃないじゃん」
窓辺の席
クラスメイト兼バレー部マネージャーの水野○○と仲の良い女子生徒の話声が耳に入ってき
「○○はちっこいから、中学生?いや、小学生に見える時あるけど、ほら、こうやってちょっと化粧してみれば高校生に見える」
「見えるんじゃなくて、高校生だもん!
ねぇ、みーちゃんも何か言ってよ〜」
「○○は何してもカワイイ、カワイイ」
「もぉ〜」
○○がわざとらしく拗ねているのが分かる
内村は思わず笑みが溢れる
○○は物理的に小さい
身長145cm
顔の大きさに対して大きな目がより幼さを引き立てている
男子バレー部の中にいるとその小ささは逆に目立つ
愛想も良いし、気が利くので周囲の人からは好かれている印象
部活でも皆が練習しやすい様にと常に気を配ってくれている
そんな○○を気が付けば目で追ってしまう内村がいた
「ねぇ、しーちゃんこれ落としてよぉ〜
お昼休み終わっちゃう」
「分かった、分かった!
やけどその前に誰かに見て貰いたいわ」
「なにそれぇー」
「そやなぁ、あっ、内村なんかどう?部活一緒やし顔見慣れとるやろ!
内村ー、ちょい来てやー」
おいおいと手招きされる
○○は机に手をついて俯いている
「ちょい○○!顔上げぇ」
彼女の友人に顎を押し上げられ彼女の意思とは無関係に顔が持ち上がる
内村の目の前には、いつもよりキラキラした○○がいた
どこにどう化粧をしたかなんて素人が見ても分からない
(キレイ……カワイイ……?)
褒めた言葉を伝えたいが、ベタに褒めた言葉を口にするのは恥ずかしい
「どや、内村!」
「うん、しっかり高校生に見える」
内村にとって精一杯の褒め言葉だった
「ふふっ……」
彼の言葉に○○は声を出して笑う
つられて彼女の友人も笑う
「私、高校生だよぉ〜、褒め言葉になってないよ」
笑う彼女は可愛らしかった
「おーい、内村、水野。バレー部の先輩呼んどる」
教室入り口近くのクラスメイトが二人を呼んだ
二人は揃って廊下へと向う
「おぉ、昼休みに悪いなぁ。今日の部活やけどミーティングからはじめるでぇ、教室集合や」
廊下に出てきた二人に小田は連絡を伝えると少し不思議そうな顔をする
「○○、朝と何か顔違わんかぁ?」
「と、友達に……お化粧されて……」
「あぁ、どおりで!七五三思い出したんや」
「!?」
内村は驚いた
友達と彼は、彼女を高校生か中学生かでからかっていたが、七五三……
(さすがにこれは水野……怒るだろ……)
何も言えないまま斜め下に視線を移す
俯きぷるぷると肩を小刻みに震わせていた
そんな彼女がすっと顔を上げた
「小田先輩!それは、7歳、3歳、どっちですか!?」
(えっ……そこ……)
内村は声にならないツッコミを入れる
○○の表情は真剣そのもの
「それはさすがに7歳やろ」
「そっか、そっか。じゃぁ、ちょっとはおねえさんですね!」
○○は小さくガッツポーズ
(えっ、7歳でいいの……?)
内村はもうどっちにどうつっこんでいいのか分からなかった
そんな時始業5分前の鐘が鳴る
「やば、行かな。それじゃぁ、放課後は頼んだで」
小田はそう言うと○○の頭をポンポンと撫で、廊下を歩き出す
家が隣で幼馴染
部活で本人達が気付いているか分からないが、時々感じる二人だけの親密な雰囲気
内村は○○に惹かれたる度にその空気を敏感に感じるようになっていた
今この瞬間も……
さり気なく○○に触れていく小田に少し嫉妬する
(……あっ)
小田の背中を見ながら内村は気付く
彼の耳が赤い
(うわぁー、素直やないなぁ……)
隣にいる○○はいつもに増してニコニコ嬉しそうである
(早く付き合ってしまえばえぇのに……)
彼は嫉妬を通り越して呆れていた
そんな時、ふっと思い付く
唯一今、あの部長に優れる事
この一瞬を逃してはならない
「なぁ、水野」
「ん?内村くんどうした?」
下から見上げる彼女の耳元で彼は囁く
「水野はちゃんと高校生で可愛いよ」
かぁーと彼女が見たことないくらい赤くなっていた
自分の一言で変化する姿が、内村にちょっとした優越感を感じさせた