第七特殊消防隊
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※夢主と紺炉は付き合っている設定です
※予定以上に長くなってしまいました
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いつもの日課
紺炉は竹箒片手に詰め所入り口の掃除を始めた
「紺炉」
奥の事務所から○○が封筒を持って出てきた
「急ぎの書類を出してくる。詰め所の留守番頼める?」
「あぁ、構わねぇよ。時間かかるのかい?」
「知り合いに捕まらなければ夕飯までには戻りたい……
他の片付けたい書類が終わらなくなる」
ため息半分の息を吐きながら○○は靴を履く。
彼女を見る紺炉はある事に気が付き、結んでいる○○の髪に手を伸ばした
「どうしたの?」
するするっと紺炉は髪を結う紐を解く
長い髪がさらっと背中に広がる
「今日は髪を下ろした方が良さそうだ」
「?」
不思議そうな顔をする○○の耳元で紺炉はささやく
「首筋に昨日の跡が残ってる」
夜を共に過ごすようになって数ヶ月
紺炉と○○は、頻繁に体を重ねていた
相性が良すぎると言うのか、紺炉の独占欲と言うのか……
いくら体を重ねても足りないのである
特に昨夜は、その前の晩に焔人が出現し対応に追われ共に過ごせなかった事もあり激しさが増していた
(年甲斐にもなく……自制が効かねぇんだよな……)
その結果○○の首筋には多数の赤い跡が残っているのだった
「……」
黙り込む○○は俯き頬を赤く染める
解かれた髪を手櫛で整える
そんな時だった
「紺さんはこちらにいらっしゃいますか?」
詰め所入り口の暖簾を潜り一人の女が入ってきた
着物をきちっと着こなし、しゃんっと伸びた背筋
うっすらとした化粧が整った顔立ちを際立てる
「……俺に何か…」
「あらぁ、紺さん!」
誰?と言う紺炉にお構いなく女は彼の首に手を回し顔を近づける
「私の事を忘れなすったの?
あんなにステキな夜を何度も過ごしたのに?」
「!?」
「最近は来て下さらんと……私は寂しくて…」
「ぉぃぉぃ……」
体から女を剥がす
そんな紺炉に鋭い視線がささる
睨んでいるを越えた、冷ややかなまるで青い炎の様な視線
「誰でございます?下働きか何かでございますか?」
女は○○を蔑んだ目で見る
「そんなに睨んで、恐ろしいわ」
キャッとわざとらしい声を上げ再び紺炉に擦りつく
「おっ、ぉぃ…」
○○は書類を片手に暖簾へ向かう
「○○!」
「お二人で、どうぞごゆっくり」
振り返りながら吐き捨てる○○は笑顔ながら、その背後には明王の気配がしていた
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「なぁ、紺炉と○○はケンカしたのかぁ」
「○○めっちゃ機嫌わりぃぞ」
いつもの日課
入り口の掃き掃除をする紺炉の両肩にぶら下がるヒカゲとヒナタは尋ねた
「○○怒ってるかぃ?」
『すっげぇ、怒ってる!!』
例の女が来た日から数日
戻ってきた○○は紺炉と一言も口を聞いていない
食事は忙しいからと詰め所の机で軽食で済ませているし
夜はどうやらヒカゲとヒナタのトコで寝ているようだ
「こんにちわ、紺さん」
元凶となる女と言えば、あれから毎日紺炉目当てに詰所に来るようになった
話をしているうちに浅草で飲み歩いた店の一人だと言うことを思い出した
「あら紺さんは子供がお好きなの?」
紺炉の肩に乗る双子を見て女は言う
「ヒカこいつ嫌いだ」
「ヒナもこいつ嫌いだ」
「あら、私は子供が大好きよ」
女はにこやかな笑みを浮かべるもその笑顔を双子は拒絶していた
「○○の方が紺炉にお似合いだと思わねぇか、ヒナ」
「○○の方が紺炉にお似合いだぁ、ヒカ」
「まぁ、酷い事いう子供ね。紺さん慰めて下さらない?」
オロっと着物の袖で顔を覆い、紺炉の胸にもたれかかる
かなりわざとらしい
「すまんが、帰ってくざせぇ。これから用事がありますんで」
「あら、残念だわ。しつこい女は好かれませんものね
今日の所は失礼いたしますわ」
女はそう言うと詰所から出ていった
(さてぇ……どうしたもんか…)
こう毎日来られては○○に話をする機会すらない
紺炉は長く深いため息をついた
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「なぁ、怪しいと思わねぇか、ヒナ」
「あぁ、何か匂うぜぃ、ヒカ」
『ヒカヒナの出動だ!!』
双子はそう言って女の後をつけた
女は詰所を出ると川沿いに道を歩き、人気のない方向へ向う
焼き焦げた工場跡
そこは浅草騒動の際に焼き払われた伝導者に関わっていたとされる建物があった場所
「太陽神様。もう少しでございます
聖痕を持つ者をあと少しで……」
女は天を仰ぎ怪しげな笑みを浮かべる
「ヒナぁ、この女やべぇぞ」
「ヒカぁ、これは若に報告した方がいいかもしれねぇな」
双子は目を合わせて頷くと身を隠していた茂みから飛び出した
その時
『ひゃっ!』
双子の周りを炎が囲んだ
「面倒臭いガキがチョロチョロと……
私の邪魔ばかりしてくれますねぇ」
「ヒカ」
「ヒナ」
「今のうちに始末してもよろしいかしら」
女は不気味な笑みを浮かべ双子を囲む炎の火力を上げていく
「子供なんてねぇ、好きじゃないのよ
わがままで、呑気で、無条件でちやほやされて……そばにいるだけで腹が立つ」
「ヒカやばぃか?」
「ヒナいけそうか?」
こどもと言えどこの浅草育ちの第三世大能力者
双子はニヒヒと笑っていた
「腹が立つ顔を剥けないで」
沢山の炎が双子に降りかかろうとするまさにその時
女と双子の間に一匹の狼が割って入った
単なる狼ではない
その毛並みは灼熱、波打つ炎
狼は女の放った炎を体で受け止め、ブルブルっと体を振った
『灼牙ー!!』
双子の声に狼はフリフリと尻尾を振る
「たかがそれしきの炎で私を止めれると思わないでくださいなぁ!」
「そこまでだ」
声を荒げる女の背中に炎で出来た剣を突きつけた○○が静かに言った
「白装束の関係者だな」
「……」
「色々聞きたい事がある。おとなしく来てもらおうか」
「そぅ簡単に言うことを聞くわけないでしょう!」
「!」
女はそういうと自分の生み出した炎で自らを焼き尽くした
その場に元から何も無かったのだと思わせるように
(逃がしたか……)
○○は手に持つ剣を消滅させると双子の元へ向かった
「灼牙、ご苦労」
優しく喉撫でると、狼は体を擦付け満足そうにしてから姿を消した
「ヒカ、ヒナ……」
「弱っちかったなぁ、ヒナ」
「マジで雑魚だなぁ、ヒカ」
うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁーと双子は笑っていた
「帰ろう。若に報告しなくちゃ」
『合点!!』
○○の右手にヒカゲ、左手にヒナタが手を繋ぎ詰所へと戻った
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「例の白装束かぁ……また紺炉を狙ってやがったか……」
紅丸は腕を組んで呟いた
第七特殊部隊詰所
二階の一室に紅丸、紺炉、○○、そしてヒカゲとヒナタは集まっていた
「一度だけでは懲りなかったみたいですねぇ……」
紺炉も溜息を混ぜながら呟く
「まぁ、今回はヒカゲやヒナタ、○○でなんとかなったがぁ……紺炉、今後も気をつけろよ」
「へい」
紺炉が頭を下げるのを見た紅丸は、よっこらしょと立ち上がる
「おい、ヒカゲ、ヒナタ。行くぞ」
「はいよ、若!」
「解散か、若?」
双子はぴょいっと紅丸の肩に乗る
「紺炉と○○は話す事があるだろーよ」
「わ、若!?」
立ち上がろうとした紺炉を紅丸が視線で制圧する
「あーあー、面倒くせぇ、色恋沙汰なんざぁで、毎日酒がまじぃのは勘弁なんだよ
二人でとっとと話つけろ
行くぞ、ヒナタ、ヒカゲ」
そう言うと紅丸達三人は部屋を出て行った
部屋に残された紺炉と○○の間には長い沈黙が流れていた
お互い向かい合って座り、下を見たまま時間が過ぎた
「ごめん……紺炉」
先に口を開いたのは○○だった
「ちゃんと話を聞けば、もっと早く白装束と分かったかもしれない」
○○は膝に載せた手をぐっと強く握る
「第八から聞いてたのに、注意てなければいけなかったのに……ごめっ」
ごめん。
そう言いかけた○○を紺炉は強く抱き寄せた
小さな○○の体は紺炉の腕の中に丸く収まる
押しあてられた体からトクン、トクンと胸の音が耳に響く
「ヤキモチだったんだ……」
紺炉に身を委ねた○○が呟く
「私の知らない紺炉がいて何か悔しくて……素直になれなかった……」
無言で彼は○○を抱きしめる
「本当は……あんな女と二人になんてなって欲しくなかった……本当はっ」
○○の口を紺炉の口が塞ぐ
唇を確かめ合うように向きを変え重ね合う
舌が相手の舌を求めて唇を越えて侵入する
絡まり合う舌
お互いの唾液が激しく混ざりあった
「○○」
紺炉が呼ぶ
○○の揺れる瞳が見上げていた
「不安にさせて悪かったな……」
彼は再び口付けを落とす
「俺は……○○しか目に入いんねぇよ」
唇が首筋へと動く
「○○がいいんだ」
○○の首筋を彼が舐める
「……っ」
○○の声が漏れると紺炉は首筋か離れる
「跡……消えちまったな」
「……」
「俺のだって印……つけてもいいかぃ?」
「……」
○○は無言で頷く
「覚悟してくれよ……ここ数日○○から離れていたから……加減は出来んから」
紺炉は再び○○に口付けをする
それは先程の優しいものではなく、何かを奪い取るように激しいもの
強く激しい彼の舌に彼女の舌が絡まる
唾液が混ざり、どちらの物とも分からない唾液が○○の頬を伝って畳に落ちる
「○○……」
紺炉が○○を畳に押し倒す
彼女の上にまたがり、器用に服のボタンを外す
あらわになった白い肌に口付けをし、赤色の印をつけていく
「歳甲斐にもなく、必死なんですぜぃ」
彼からいつもの余裕の表情は消えていた
そこにあるのはただ必死に大切な物を愛する男の姿
この日○○は気を失うまで紺炉に抱かれ続けた