第8特殊消防隊
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「○○さんコーヒー持ってきました……」
森羅が事務所の扉を開けると机に伏せて○○が寝息をたてていた
「寝てる……」
片手に来客用のマグカップ
もう一方に自分のマグカップを持ち森羅は○○のいる机に近づく
本来第七所属の○○は事務処理の援助で第8に来ている
主に森羅とアーサーが溜め込んだ書類をとてつもないスピードと、集中力で片付けた
『来たら起こして』
そう書かれた紙が机に貼られている
(……にしても、綺麗な人だよなぁ…)
森羅は○○をまじまじと見た
まつ毛は長く美しい曲線を描く
肌は透き通る様に白く、桜色の唇と頬が愛らしい
仕事モードの為束ねられている髪は一本一本が絹のように細くて輝いている
眠っている姿はまるで精密に作られた人形である
森羅は思わず彼女の頬に触れた
柔らかく、温かい
彼女が人形ではなく生身の人間である事が伝わってきた
「……森羅」
机に伏せたまま○○が呼ぶ
「あっ、すみません。
コーヒー持ってきました」
森羅は彼女の頬から手を離す
「疲れてますね」
「疲れさせられてる」
「すみません」
「何か甘い物…………」
○○は覚めきらない声を出す
「あっ、そういえば前貰った飴がここに」
森羅はポケットに手を突っ込んでゴソゴソする
「ありました!」
ポケットから飴を出すと○○が口を開ける
口に入れろ
無言ではあるが視線が語る
森羅は袋を破り○○の口に飴を入れる
カランっと○○の口の中で飴が歯に当たる音がした
「森羅……顔が赤い」
ムクッと体を起こして森羅のオデコに自分のオデコを重ねる
「熱はない」
甘い飴の香りが森羅の口に入る
さっきキレイだと感じたまつ毛が目の前にある
心臓の音を煩く感じた
「何味ですか?」
「分からない」
森羅の口に○○の口が重なる
突如の事に彼は驚いて目を見開いている
『からん』
歯に何か当たる感覚がし、その後口の中が甘い味で満たされる
ゆっくりと○○の唇が離れる
唇から温もりが離れていく事に、寂しさを感じる
「メロン味ですね」
「そうか、メロン味か」
そう言うと次は森羅から○○にさっきより少し小さくなった飴玉を差し出す
からん、からん……
二人にだけ聞こえる鈴の様な飴の音は、飴玉が無くなるまで鳴り響いていた