第七特殊消防隊
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風呂上がり
濡れた髪にタオルを当てながら縁側を歩いていると一人晩酌する紅丸に出くわした
「一杯付き合えよ」
盃片手に笑みを浮かべる愉快王は○○に手招きする
「酔っぱらい」
「あぁ、なんだ文句あんのかぁ、こらぁ」
「はいはい、怒らない」
○○はそう言って隣に腰掛ける
お盆に伏せられた盃を手に取り紅丸に向ける
「俺が注ぐのか」
「誘ったのは紅丸」
ちっと舌打ちをして一升瓶を手に取り傾ける
「一日お疲れ様」
○○が紅丸の盃にカツンと盃を当て、酒を口にする
「うん、わりと甘い」
そう呟く○○の頬がほんのりと赤く染まってゆく
「今日、町で話してた男は誰だよ」
「町で話してた男?」
○○は今日一日を振り返る
書類を出しに詰所を出たとき、知らない男が声をかけてきた
「知らないヒト。甘味処に誘われただけ
きっと私が珍しいのさ」
○○は浅草にいながら洋服を着る
髪もキレイな白髪で紅丸とはまた違う真紅の瞳は人を惹き付ける
「甘味にタダで辿り着けるのは魅力的だが、どうもこうも仕事が忙しい」
彼女の言葉を紅丸は口をヘの字にして聞いていた
目こそ愉快になっているが、何か気に入らない事があるらしい
気持ちを素直に出せる辺りがまだ紅丸にかわいいと感じてしまうところなのかもしれない
「紅丸?」
黙り込んでいる彼を○○が覗き込む
もしかすると酔い潰れているかもなんて考えたがそれは違っていた
○○の体は紅丸に引き寄せられた
彼の懐に彼女の小さな体が包み込まれる
触れる体から紅丸の熱が伝わってくる
「誰にも付いてくなよ」
紅丸の手が彼女の頭を撫でる
「どこかに行こうとすんじゃねぇ」
優しい声が彼女の耳元で響く
「○○だけは誰にも取られたくねぇ」
胸板に押し付けられる彼女は、紅丸の言葉の意味を考える
しかし、明確な答えは見いだせない
「紅丸?」
彼の腕の中からそっと見上げる
顔を覆うように垂れる黒髪
その髪に隠れて赤面する紅丸がそこにいた
「イヤなんだよ。○○が他の男といるの見んの」
「………」
「イライラすんだよ」
紅丸はそう言うと、あぁーと頭をぐしゃぐしゃと掻いた
「好きなんだよ○○がっ!俺にはお前が必要なんだよ!」
紅丸は乱暴に言う
しかしそれは照れ隠しなのだとすぐに分かる
「そんなのはじめて聞いた」
「気付いてねぇのなんて、てめぇくらいだ」
「……知らなかった」
「お前は色恋沙汰に疎すぎるんだよ」
紅丸は再び○○を抱きしめる
力強い腕から○○は抜け出すことができず、身を委ねる
耳が触れる彼の胸元からはトクントクンと音が聞こえた
「○○はどうなんだよ」
「どう……とは?」
「俺を好きか嫌いかだ」
「………」
そんな事を急に言われても分からない
紅丸の事は好きだ
でもこの好きは紅丸が向けてくれているものと同じなのか○○には分からない
「ちっ」
紅丸は舌打ちした
明らかに不機嫌だった
「答えられなくて……ごめん」
「あぁ、謝ってんじゃねぇよ。これからだ、これから」
○○が紅丸のご機嫌伺いに顔を上げる
すると顔は大きな手のひらに包まれ、唇に柔らかな感触が触れる
目を閉じる間もなく、目の前には彼の顔
紅丸に口付けされているのだと彼女はすぐに分かった
「っ!?」
「こっからは手加減なしだ。俺の嫁になりたくなるくらい惚れさせてやるから待ってろよ」
既に勝ち誇ったような表情で笑う紅丸は、
赤面して固まる○○を再び強く抱きしめた