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第七特殊消防隊管轄区
浅草
書類を飛脚に頼んだ帰り道○○は裏路地に連れ込まれた
「……誰?」
背中には家屋の壁
目の前にいる黒尽くめ片眼男の両腕に逃げ場を奪われている
「こりぁ、悪かった、自己紹介が遅れたな
俺はジョーカー」
○○は警戒をしていた
特殊消防隊書類担当と言えど訓練を受けた隊員の端くれ
こんな気配もなく近寄って、人影のない場所に連れ込まれるなんてそれなりの人物
(白装束の仲間……)
「おいおい、そんなに警戒するなよ」
ジョーカーと名乗る男はへらっとした笑みを浮かべる
「俺は悪魔……森羅の仲間だから」
「私に何か用事なの?伝言かなにか?」
「いやいや、今日は私用だ」
疑いの視線を向ける○○をジョーカーはまぁまぁとなだめる
「お前さん、浅草の人間でもないのに何故ここに?」
「それは……何が聞きたいの?」
「あぁ、単なる好奇心さ」
「別に浅草生まれではないけど、ここは居心地いい」
○○のその言葉を聞いてジョーカーは溜息をつく
「なんだぁ、浅草に染まっちまってるのか」
「はあ、意味わからない。
私は皇国の人間でもなければ浅草の人間でもない。私は私」
○○のキツイ視線にジョーカーは笑みを浮かべる
さっきの言葉にぞくぞくと身を震わせる
「いいねぇ……その何色にも染まらない感じ」
彼は彼女の髪を指先に絡める
「何色にも染まらないお前さんを真っ黒に染めてやりたい」
ニヤニヤが止まらないジョーカーが○○に顔を近づける
彼女の真紅の瞳は濁った瞳に捉えられる
嘘も真実も一切感じさせない、不思議な瞳に彼女は反射的に目を閉じる
ふわぁっと嗅ぎ慣れないタバコの香りが鼻を通る
頬に温かく柔らかな感触が触れる
○○が目を開けるとジョーカーは先程より更にニヤニヤしている
「こんな子供騙しで驚かれちゃぁ困るな」
「……」
「今回は宣戦布告って事で、早く俺と同じ色に染めたいねぇ」
ジョーカーはそう言うと路地の奥の暗闇に姿を消した