第七特殊消防隊
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※ちょっと長目の夢です
「今日は1日休んだ方がいい」
○○が体温計を片手に呟く。
「すみませんねぇ……いい年した大人が」
畳の部屋に引かれた布団には赤い顔をした紺炉が
申し訳無さそうな笑みを浮かべて横になっている。
思い返せば朝から調子がおかしかった。
いつもより寒気はするのに、頭はぼーっとしていた。
○○に促され熱を測るまで自身に熱があるとは考えもしなかった。
「ヒカゲとヒナタのが移ったな……」
昨日まで風邪で寝込んだ双子の面倒を紺炉がみていた。
きっと原因はそれに違いないと紺炉は呟く
「氷のうと必要そうな物用意する」
○○は立ち上がり襖へと手をかける
白い髪に赤い瞳
あまり感情を表に出さない○○の表情は一見冷ややかに見える
「忙しい時に悪いな。
寝ていれば治るだろうし気にせずにいてくれ
仕事もあるだろうし」
「今日は非番だから大丈夫
もうすぐ医者が来てくれる
少し起きてられる?」
口調こそ淡々としているが
決して迷惑がっていたり面倒くさがっている訳ではない
○○は感情を表に出すことが苦手である
しかしこの第7で任務をこなし、時間を共に過ごす紺炉にはわかっていた。
「あぁ…」
出ていく○○の背中を見送り紺炉は静かに目を閉じた
(こんなに熱を出したのはいつぶりだろぅか…
まだ先代が生きていた頃…
いや、紅がここに来る前か……
昔過ぎて思い出せない)
熱でぼーとするせいか思考が上手くまとまらない
普段は考えもしない事を答えにたどり着けない事をいくつも考えた。
医者が来て、こりゃぁ風邪だね。紺さんが珍しいなんて言いながら薬を置いていった
○○が粥が出来ているからと持ってきてくれた
朦朧する意識の中で色々な事が自分の意志とは関係なく淡々と過ぎて行く
(眠い……)
紺炉は目を閉じると引きずり込まれる様に眠りに落ちた
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✼✼✻
浅草大火災の炎が目の前に広がっていた
燃える建物
次々に現る焔人
どんどん限界に追いやられる自分の発火能力
(俺は死ぬのか……)
紺炉の脳裏に森羅が『アドラ』と呼んでいた世界が広がる
灰病になり発火能力は今まで通りに使えない
こんな自分でこれから大切な人々を守れるのか……
紅を支えていけるのか……
「……大丈夫」
負の思考の連鎖が止まらない
暗闇に消えてしまいそうになる紺炉に声が聞こえた
○○の声だ
「……ひとりで背負おうとしないで……私がいる」
聴き慣れた落ち着いた声
夢を見ていたのかまだ夢の続きなのか
ぼんやりとした頭では分からない
「どうせみんな炎に焼かれちまう」
紺炉にしては珍しい弱音
そう、いつ焔人になるか分からない
白装束によって滅ぶ世界でみんないなくなる
「大丈夫
紺炉はひとりじゃない
世界が滅んでも私はそばにいる」
体の熱が冷たい物に吸い取られる
楽になり気持ち良かった
「……水」
口の乾きを感じ言葉が漏れる。
柔らかなものが唇に触れ
少しの隙間からひんやりとした水が口を潤す
うっすらと目を開けると
すぐそこに○○の赤い瞳
垂れた前髪が頬を擦る
紺炉は○○が水を口移したのだと理解した
「……」
正気であれば何が言葉が出たかもしれない
しかし今の紺炉は体が楽になる方向へ思考が甘えている
「冷っこくて気持ちがいいな」
「……」
へらっとした笑みを浮かべる紺炉
○○は水を口に含むと再び紺炉に口付けた
ひんやりとした水と○○の唇は火照った体に気持ちがよかった
○○の舌が優しく唇をつつき、少しの隙間を許すとひんやりした水が口の中に押し込まれる。
ごくん
水を飲み込むのを確認すると○○は顔を離す
熱で思考が上手く回らない紺炉は○○の後頭部に手を回しぐっと顔を引き寄せた。
「もっと……」
冷たい物を求めて口が動いた
近づけたり、離れたりを繰り返す
熱で荒い紺炉の呼吸と乱された○○の呼吸が重なりあう。
舌と舌が絡まりあい、互いの唾液が混ざり合う。
熱なのか快感なのか分からないぞくぞくした感覚が体を包み出す。
紺炉は火照る唇を○○の首筋に移す
まだ開拓してない体は冷たくて気持ちがいい
「紺炉……そこは」
首筋からうなじ、襟元の服に顔を忍ばせようとした瞬間
紺炉の体から力が抜けた
「!?」
両手を広げ天井を見上げる
体が言うことを聞かずに動かない
熱で限界に達したのだ
「眠った方がいい」
○○が手を握った
細くて小さな手がゆっくり指を絡める
「もう怖くない……怖い夢は終わり……もう大丈夫」
何かの暗示のようにゆっくりとした言葉
(『大丈夫』……か……)
その言葉に安心した
意味の分からない恐怖から開放された気がしたのだ
もう四十近い男が何を言ってるのかと思ったが
確かにそれは今の紺炉にとって救いとなった
「……ぁりがと…」
音として出たか分からない程の小さな声
眼の前の○○が微笑んでいる
ぼんやりとした、視界
再び深い眠りの世界に意識が引きずり込まれていった
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
翌日には紺炉の風邪はすっかりよくなった
大事をとって朝はゆっくりしたが、昼過ぎには体を動かさないと気持ち悪く、いつもの日課である詰所の掃除をしていた
(昨夜のは……夢……だったのだろうか……)
竹箒を動かしながらふっと思う
水欲しさに○○の口にすがりついた
夢にしては生生しく、鮮明にあの唇の感触を覚えている
十以上も歳の離れる○○の唇は柔らかく、甘く感じた
朝には○○の姿はなく、仕事も忙しいようで会っていない
気にはなる反面、少しほっとしている紺炉がいた
(歳甲斐にもなく……)
「紺炉」
「!」
はっと我に返ると目の前には紺炉を見上げる○○がいた
「○○……仕事かぃ?」
「うん、早急の書類、出しに行ってくる」
いつもの淡々した○○の表情
紺炉は戸惑った
自分から話題に上げるべきなのか、本当に夢で語らぬ方が良いのか……
「○○……昨夜の事だが……」
どんな表情で、どんな声のトーンで伝えたら良いのか分からず、言ってはみたものの紺炉はしどろもどろになっていた
「あぁ、熱下がって良かった」
○○はさらっと言葉にする
書類片手に歩き出す○○
暖簾の一歩手前、彼女は何かを思い出した様に止まる
「熱のある紺炉は可愛かったぞ」
ニヤッとした○○の表情
紺炉は昨夜が夢でないと確信し、思わず赤面したのだった
「今日は1日休んだ方がいい」
○○が体温計を片手に呟く。
「すみませんねぇ……いい年した大人が」
畳の部屋に引かれた布団には赤い顔をした紺炉が
申し訳無さそうな笑みを浮かべて横になっている。
思い返せば朝から調子がおかしかった。
いつもより寒気はするのに、頭はぼーっとしていた。
○○に促され熱を測るまで自身に熱があるとは考えもしなかった。
「ヒカゲとヒナタのが移ったな……」
昨日まで風邪で寝込んだ双子の面倒を紺炉がみていた。
きっと原因はそれに違いないと紺炉は呟く
「氷のうと必要そうな物用意する」
○○は立ち上がり襖へと手をかける
白い髪に赤い瞳
あまり感情を表に出さない○○の表情は一見冷ややかに見える
「忙しい時に悪いな。
寝ていれば治るだろうし気にせずにいてくれ
仕事もあるだろうし」
「今日は非番だから大丈夫
もうすぐ医者が来てくれる
少し起きてられる?」
口調こそ淡々としているが
決して迷惑がっていたり面倒くさがっている訳ではない
○○は感情を表に出すことが苦手である
しかしこの第7で任務をこなし、時間を共に過ごす紺炉にはわかっていた。
「あぁ…」
出ていく○○の背中を見送り紺炉は静かに目を閉じた
(こんなに熱を出したのはいつぶりだろぅか…
まだ先代が生きていた頃…
いや、紅がここに来る前か……
昔過ぎて思い出せない)
熱でぼーとするせいか思考が上手くまとまらない
普段は考えもしない事を答えにたどり着けない事をいくつも考えた。
医者が来て、こりゃぁ風邪だね。紺さんが珍しいなんて言いながら薬を置いていった
○○が粥が出来ているからと持ってきてくれた
朦朧する意識の中で色々な事が自分の意志とは関係なく淡々と過ぎて行く
(眠い……)
紺炉は目を閉じると引きずり込まれる様に眠りに落ちた
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✼✼✻
浅草大火災の炎が目の前に広がっていた
燃える建物
次々に現る焔人
どんどん限界に追いやられる自分の発火能力
(俺は死ぬのか……)
紺炉の脳裏に森羅が『アドラ』と呼んでいた世界が広がる
灰病になり発火能力は今まで通りに使えない
こんな自分でこれから大切な人々を守れるのか……
紅を支えていけるのか……
「……大丈夫」
負の思考の連鎖が止まらない
暗闇に消えてしまいそうになる紺炉に声が聞こえた
○○の声だ
「……ひとりで背負おうとしないで……私がいる」
聴き慣れた落ち着いた声
夢を見ていたのかまだ夢の続きなのか
ぼんやりとした頭では分からない
「どうせみんな炎に焼かれちまう」
紺炉にしては珍しい弱音
そう、いつ焔人になるか分からない
白装束によって滅ぶ世界でみんないなくなる
「大丈夫
紺炉はひとりじゃない
世界が滅んでも私はそばにいる」
体の熱が冷たい物に吸い取られる
楽になり気持ち良かった
「……水」
口の乾きを感じ言葉が漏れる。
柔らかなものが唇に触れ
少しの隙間からひんやりとした水が口を潤す
うっすらと目を開けると
すぐそこに○○の赤い瞳
垂れた前髪が頬を擦る
紺炉は○○が水を口移したのだと理解した
「……」
正気であれば何が言葉が出たかもしれない
しかし今の紺炉は体が楽になる方向へ思考が甘えている
「冷っこくて気持ちがいいな」
「……」
へらっとした笑みを浮かべる紺炉
○○は水を口に含むと再び紺炉に口付けた
ひんやりとした水と○○の唇は火照った体に気持ちがよかった
○○の舌が優しく唇をつつき、少しの隙間を許すとひんやりした水が口の中に押し込まれる。
ごくん
水を飲み込むのを確認すると○○は顔を離す
熱で思考が上手く回らない紺炉は○○の後頭部に手を回しぐっと顔を引き寄せた。
「もっと……」
冷たい物を求めて口が動いた
近づけたり、離れたりを繰り返す
熱で荒い紺炉の呼吸と乱された○○の呼吸が重なりあう。
舌と舌が絡まりあい、互いの唾液が混ざり合う。
熱なのか快感なのか分からないぞくぞくした感覚が体を包み出す。
紺炉は火照る唇を○○の首筋に移す
まだ開拓してない体は冷たくて気持ちがいい
「紺炉……そこは」
首筋からうなじ、襟元の服に顔を忍ばせようとした瞬間
紺炉の体から力が抜けた
「!?」
両手を広げ天井を見上げる
体が言うことを聞かずに動かない
熱で限界に達したのだ
「眠った方がいい」
○○が手を握った
細くて小さな手がゆっくり指を絡める
「もう怖くない……怖い夢は終わり……もう大丈夫」
何かの暗示のようにゆっくりとした言葉
(『大丈夫』……か……)
その言葉に安心した
意味の分からない恐怖から開放された気がしたのだ
もう四十近い男が何を言ってるのかと思ったが
確かにそれは今の紺炉にとって救いとなった
「……ぁりがと…」
音として出たか分からない程の小さな声
眼の前の○○が微笑んでいる
ぼんやりとした、視界
再び深い眠りの世界に意識が引きずり込まれていった
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
翌日には紺炉の風邪はすっかりよくなった
大事をとって朝はゆっくりしたが、昼過ぎには体を動かさないと気持ち悪く、いつもの日課である詰所の掃除をしていた
(昨夜のは……夢……だったのだろうか……)
竹箒を動かしながらふっと思う
水欲しさに○○の口にすがりついた
夢にしては生生しく、鮮明にあの唇の感触を覚えている
十以上も歳の離れる○○の唇は柔らかく、甘く感じた
朝には○○の姿はなく、仕事も忙しいようで会っていない
気にはなる反面、少しほっとしている紺炉がいた
(歳甲斐にもなく……)
「紺炉」
「!」
はっと我に返ると目の前には紺炉を見上げる○○がいた
「○○……仕事かぃ?」
「うん、早急の書類、出しに行ってくる」
いつもの淡々した○○の表情
紺炉は戸惑った
自分から話題に上げるべきなのか、本当に夢で語らぬ方が良いのか……
「○○……昨夜の事だが……」
どんな表情で、どんな声のトーンで伝えたら良いのか分からず、言ってはみたものの紺炉はしどろもどろになっていた
「あぁ、熱下がって良かった」
○○はさらっと言葉にする
書類片手に歩き出す○○
暖簾の一歩手前、彼女は何かを思い出した様に止まる
「熱のある紺炉は可愛かったぞ」
ニヤッとした○○の表情
紺炉は昨夜が夢でないと確信し、思わず赤面したのだった
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