地獄の狭間よりこんにちは
ヤヨイ
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私はハッと目が覚めると見知らぬ場所に立ち尽くしていた。そこは霧がかった森の中、目の前にはとても大きな黒く錆びれた立派な門が建っていた。
キョロキョロと辺りを確認していても人っこ1人いない。
「ここは…?」
その言葉を皮切りにギギィ…と鉄の擦れる音が辺りに響く。
音の方に目線を向けると先程まで固く閉まり切っていた門が開き始めていた。
(自動ドア式…?あの頃の"現代"に近い世界にでも飛ばされたのか?)
目の前で起きた出来事に、大して驚くこともなく開かれた門を凝視する。
まるで私が来るのを待っていたかのように開き続ける"それ"に素直に潜り抜けるか模索するが答えは出ない。
ホラー展開待った無しのこの状況。
正直、本気と書いてマジで入りたくないのが本音。
確実に何かありますよと見るだけで分かるこの展開に乗りたくない。
私が生まれたあの時代で、日々発達していた多数のホラーゲーム。
それですらプレイするのが苦手なのに自分が体験するなんてもっての外だ。
「ちょいと、アンタ。いつまでそこに突っ立っているつもりだい!?いい加減に中に入ってきたらどうだい!」
どうしたものか…と物思いに耽ると、1人の女性が突然こちらに向かって声を掛けて来た。
ザッザッと地を蹴る音を立てながら私の目の前まで立ち止まり眉間に皺を寄せてじっとこちらを見据える。
その姿を捉えると私は目を見開いた。
彼女の顔立ちは個人的にはとても美しく、ブロンドの波がかったセミロングには赤いバンダナが特徴的の女人。
私は勿論、普段見慣れない美しい顔立ちに驚いたんじゃない。
驚いたのは、
「貴女は…」
「アタシかい…?アタシは、デミ。デミ・バーボン。職業はバーテンダーさ」
ここ…、第五人格ゥゥゥゥッ!!!!!!
〜*〜*〜*〜
「ちょいと…アンタ、大丈夫かい?」
私は彼女の名を聞いた直後にその場から崩れ落ちると両手を地面に付けながら、如何にこの場所から逃げ出すかをぐるぐると思考を巡らせる。
ここが第五人格の世界線ならここは荘園の入り口!?
まだ、中に入っていないから逃げるチャンスでは!?
「ちょいと、アンタ」
大体、私は荘園に招待されるなんて聞いてもいないし知らない…!
確か、ゲームの参加券は招待状が届き受け取ると誘われるようにここに訪れる筈。私はそれを受け取っていない!
なら、逃げるチャンスでは!?
「無視とはいい度胸じゃないか、殴られたいのかいっ!?」
「す、すすすっすみません!急に眩暈がしてしまいまして…」
「なんだ、体調が悪いのかい…。まぁ、急にその場で崩れ落ちるから何事かと思ったよ」
「あはは、ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありません…。えっと、バーボンさん?」
「ふん、アンタ荘園に招待された新人だろ?アタシにだけ自己紹介させてアンタは無しかい?」
来た、この質問。招待されていない事をどう説明したものか…。
「新人…?あの、荘園に招待されたとはどういうことでしょうか?」
私は困ったように眉を八の字にしながら彼女、デミ・バーボンを見つめる。
秘儀・「すっとぼけ」…これは如何なる場合でも記憶の奥底にある真実を黒く塗りつぶし何も無かった事にする。
「はぁ?アンタ、招待状を受け取ってここに来たんじゃないのかい?」
「え、えぇ?招待状ですか…?そんなものは受け取っていな、____っ!?」
突如、私たちの間を駆け抜けるように強い風が吹き荒れる。
髪が乱れるのも気にも止めずその光景に目を見張る。舞い散る木の葉と共に葉の形とは異なる物が一枚舞っていたのだ。
「手紙…?」
「急になんて強い風なんだいっ、髪が乱れちまったじゃないか!ん?なんだい、貰ってないなんて嘘ついて…招待状を持っているじゃないか」
「な、なんで!?」
「中身を確認すれば良いじゃないか。それがアンタの招待状だって一発で分かるだろうさ」
その言葉を聞くと地面にひらひらと落ちた手紙を手に取り赤色の封蝋に触れそれを開く。
手紙に綴る文字に目を通すとそこに書かれた内容に手が震える。
ここに書かれている通りなら、この現状から逃げることも出来ないと絶望する。
怒りや悲しみがごちゃ混ぜに湧き起こりこの感情を逃すように、息を吐く。
そう、どこのどいつか知らないが私を招くなんてさぞかし頭のイかれたお人らしい。
腹を括って、いざ地獄へと身を投じようじゃないか。
両の目を閉じて深く一呼吸をして口を開く。
「失礼しました、バーボンさん。自己紹介が遅れて申し訳ありません。私はヤヨイ。職業は巫女となります。以後お見知り置きを」
さあ!鬼退治と行きましょうかっ!
親愛なるヤヨイ様
この度は親愛なる特別な貴女へ、エウリュディケ荘園にお越し頂きたくこの招待状をお送り致します。
貴女が望む唯一の願いを叶えられるのはここだけ。
様々なゲームに参加し、貴女以外のプレイヤーと共に協力してゲームに勝利する事が最低条件となります。
そして、もう一つ。
貴女には特別に新たな条件を追加させて頂きます。
それは他のプレイヤーと関わりを持ち"灰汁"を取り除く事が貴女のするべき事です。
それぞれの闇を解決しろとは言いません。
親愛なるお客人達の"悩みの種"を取り除いて欲しいのです。
感がよろしい素敵な貴女ならきっと気づく筈です。
【哀れな我が身】に変わりどうかこの願いを叶えてください。
さすれば、愛し子に会う機会が訪れるかもしれませんね。
この手紙を読み終え、貴女が荘園に訪れる事を心よりお待ち申し上げております。