氷帝での出会い編
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突然、席替えすると言い出した担任の先生。
一瞬聞き間違いかと思った。
だって、今日この席に座ったばっかりだよ。
普通は席替えって、学期が変わったときとか、前の席替えからある程度日数が経ってからするものだよね?
ええー………。
この席のままでいいのに…。
ちらりと遠く離れた席を見る。
鳳くんの席。
鳳くんと離れた席だったから、ほっとしてたのに…。
別に鳳くんのことが嫌いなわけじゃないけど、席が近いのはちょっとだけ…嫌だなって。
鳳くんの周りにはいつも男子女子問わず人がたくさん集まるから、近い席だと少し大変そうだし…。
鳳くんのせいじゃないんだけど。
みんなも驚いたみたいでザワザワしてる。
でも先生はそんなのお構い無しって様子で、楽しそうにクジを作り始めた。
…変なところで張りきる先生だなぁ。
「さあ、どうなるかなー!」なんて言いながらいそいそとクジを作ってる。
その様子にみんなも観念したみたい。
…まぁ、しょうがないか。
先生は手作りらしき箱にクジを入れてガサガサ振りながら、みんなに引くように言った。
……こんなに人数いるんだから、近い席になる確率の方が低いんだし、気にしない気にしない。
最悪、前後左右以外ならよし!
…さ、私も引きに行こうっと。
私が引いたクジに書かれた番号は、一番後ろの席だった。
やったー!
いい席だー、ラッキー!よかった、いい先生で!
先生、ありがとう!
私は新しい席に移動して、ものすごくウキウキしながら荷物を片付け始めた。
だからすっかり忘れていた。
鳳くんのこと。
「名無しさん」
名前を呼ばれて、反射的に顔をあげた。
………………………あ。
そこには鳳くんがいた。
………………………。
えーっと……………。
これは一体どういう状況なんだろう。
鳳くんが私のとなりの席で微笑んでるけど……。
私がしばらく何も言えずにいると、鳳くんは少し慌てたような顔をした。
「あ、ごめんね、急に声かけたりして。
俺は鳳長太郎っていうんだ。
今日からとなりの席だね、よろしく」
鳳くんはまた優しく微笑んだ。
……あっ、いけない。
これじゃ無視してるみたいだよね。
『ごめんなさい、私、ぼーっとしてて。
私は名無しななしです。
こちらこそ、よろしくね。』
あー、焦った……。
まだドキドキしてるよ。
まさかこんなことになるなんて思ってなかったから、びっくりした。
はぁ…。
鳳くんの席は一番後ろの角だから、近くになる確率、更に低かったのに…。
これじゃ、さい先全然よくないよ…。
先生のバカバカ!
…………………はっ!
…ダメダメ!
こういう、一見不運な出来事の中にもきっと何か、私にとって大切なことが…夢中になれるものを見つけるヒントがあるかもしれない!…………よね。
でも……………………、うっ。
周りからものすごく視線を感じる。
これってもしかしなくても、女の子達の視線だよね。
…羨ましがられてるんだろうなぁ、きっと。
はぁー…。
ヒントを見つける前に、まずこの視線に慣れなきゃ。
……がんばろう…。
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