私のヒーロー・番外編
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*宍戸side
「じゃーな、宍戸」
「おう、また明日な」
駅前、ダチと軽く手を振って別れる。
時計を確認すると、3時すぎを示していた。
「うーん、どうするかな…」
今日は日曜日。
同じクラスの奴と遊んでいたが、そいつが明日提出の宿題をまだしてないと言うから、家に帰らせた。
最初の予定じゃもう少し遊ぶはずだったが、しょうがない。
もう帰ってもいいような気もするが、せっかく街まで出てきたんだ、少しもったいない。
………よし、本屋にでも行ってみるか。
そう決めて、かぶっていた黒い帽子を一度外すと、前後逆さまにかぶり直した。
「おや。
宍戸くんではありませんか」
ん?
どっかで聞いたような……?
ふり返ると、そこにいた奴の顔を見て無意識に声が出た。
「げっ、観月」
瞬時に観月の顔がひきつる。
……あ、ヤベー。
「……またずいぶんなご挨拶ですね」
「あー、ワリィワリィ、つい反射的に言っちまった」
咄嗟に謝ると、観月と一緒にいたルドルフの奴らが笑いながら突っ込みをいれてきた。
「全然フォローになってないだーね」
「クスクス…。
宍戸って嘘つけないタイプだよね」
………またやっちまった。
「まぁ確かにちょっと嫌な予感はしてしまいますよね、観月さんに呼び止められたら」
「…それはどういう意味ですか、裕太くん」
「いっ、いえ、なんでもないです」
「っはは、裕太も嘘つけないタイプだーね。正直者だーね」
「………柳沢」
「あ!
ち、違うだーね。これは、えーっと……えーっと」
「クスクス…」
「ところで宍戸、ひとりか?」
赤澤の言葉で話の流れが変わった。
た、助かった……。
「あ、ああ。
ついさっきまでダチといたんだが」
「そうか。
俺たちは練習してきたところだ」
「へぇ、そりゃいいな」
そんな話を聞くと、つい練習したくなる。
だが明日からまたハードな練習が始まる。
その為にも今は休むのが仕事だ。
「ということで宍戸くん、少しお時間いただけますか?」
「…は?」
観月に肩をガシッと掴まれる。
笑顔なのが不気味だぜ…。
「ぜひとも確認したいことがありまして。
お時間いただけますよね?」
うっ……。
嫌だと本能が腹の底で叫んでいるような気がする…。
本当は時間はあるが、ここは適当にごまかして立ち去ろう…。
「いやー、ワリィ。じ、実はーー」
「ーーお時間、いただけますよね?宍戸くん?」
ミシッと肩が音を立てた。
「ちょ、おい!肩、肩!」
「んふっ」
「わ、分かった、分かったから離せ!」
ジンジン痛む肩を押さえる。
まったく、なんて奴だ…。
「で?確認したいことってなんだよ」
もうさっさと終わらせちまおう……。
「クスクス…。そううまくいくといいけどね」
!?
「い、今…俺なんか言ったか…?」
「ううん。何も言ってないよ」
「……………」
「クスクス…」
…何なんだ、一体……。
「宍戸くん、さっそくお尋ねしたいのですが」
「あ、ああ」
ボーッとしていた俺は、観月の声で我に返った。
…なんか観月の声でっていうのも少し嫌な気がするけどな……。
それより、何を聞かれるんだ?
…はぁ、気が重いぜ。
「今度、他校と合同合宿を行うそうですね。ここ東京で」
「えっ」
…思ったより普通の質問だった。
「あぁ、そうだが…。お前よく知ってるな」
だからつい安心して気が緩んじまったんだが…。
「んふっ、僕の情報収集力を甘くみてもらっては困りますね。
ですがやはり事実だったとなると、解せない点があるんですよ」
「?」
観月がジリジリと距離を詰めてくる。
「なぜ、我が聖ルドルフに声をかけないんです?」
………………………………………。
…げっ!
そういう質問かよ!
あー…、全然普通の質問じゃなかった…。
なんかめんどくせぇことになりそうな予感が…。
「理由を説明していただけますか?我が聖ルドルフに声をかけなかった理由を。
当然ありますよね?我が聖ルドルフをスルーした正当な理由が」
「いや、スルーって……」
「さぁ説明をお願いします、宍戸くん。スルーの説明を」
「いや、だから…」
あぁぁ、最悪だ…。
困り果てていたとき、赤澤が観月の肩をポンと軽く叩いた。
「まぁまぁ観月、その話は別にいいだろう。主催したのは氷帝なんだし、どこに声をかけるもかけないも氷帝の自由だぞ」
「それは僕も理解していますよ。ですがどうしても腑に落ちないんです。なぜなら六角が参加しますからね。
県外の学校をわざわざ呼んでおいて、この僕たちを呼ばないとは…。
一体僕たちの何が気に入らないというんです?」
「そ、そんなこと言われてもな…。
そういうのは大体跡部と監督で決めちまうから…」
…にしても、六角が来ることまで知ってるのかよ。
情報収集力、確かにすげぇな。
あぁ、けどよく考えたら木更津から聞いたのかもな。
こいつはもともと六角だし。
「違うよ、宍戸。
俺たちもさっき観月から聞いたばっかりで、六角のみんなにはまだ確認してないから」
「へぇ、そうなのか」
……………………………。
……え?
「クスクス…」
汗がダラダラ流れていく。
今、俺なにも言ってなかったよな!?
絶対に今度こそ何も言ってなかったよな!?
「チッ、しょうがない。
ならば直接跡部くんか榊監督に接触をはかるしかありませんね」
「わざわざそこまでするのか?
相変わらず物好きだーね」
「そこが観月らしいところだがな」
「会うだけで気疲れしそうな二人ですね…」
……誰もたいして気にしてねぇな。
もしかして、よくあることなのか……?
こんなことがよくあるのかよ……。
「まぁ、いいでしょう。
それより宍戸くん、もうひとつお尋ねしたいことがあるんです」
今度は何なんだ、一体…。
つうか、せっかくの休みに何やってるんだ、俺は…。
「これはまだ噂の域を出ない不確実な話なんですが、氷帝で女子マネージャーを採用したというのは事実ですか?」
「…は?女子マネージャー?」
「ええ、そうです」
女子マネって…、なんだそりゃ。
「えーーー!!本当なのか!?うらやましいだーね!ずるいだーね!」
「へぇ、そんなのいるんだ。ちょっと意外かも。クスクス…」
「赤澤!やっぱりウチにも女子マネ入れるだーね!必須だーね!」
「いや別に必須ではないだろう。俺たちは少人数だし、自分のことは自分でやればいいさ」
「そういう問題じゃないだーね!青春を満喫するには女子がいないと始まらないだーね!」
「ちょっとうるさいですよ、柳沢先輩。
青春なんて、テニスがあればいいじゃないですか」
「………………………。
み、観月!観月はどう思うだーね!?」
「マネージャーなら、この僕がいるでしょう」
「全っ然、違うだーね!」
グリンとこっちに振り返った柳沢にシャツをつかまれた。
必死の形相が怖すぎる。
「お前は分かってくれるだーね?女子の存在の重要性を!」
「い、いや、俺もいらねぇと思うぜ。人手が足りてるなら」
「…………………」
放心したように固まる柳沢。
「お、おい…。大丈夫か?」
肩を軽く揺さぶってみるが、何の反応もない。
「クスクス…。宍戸が女子の重要性を訴えたりするわけないでしょ。
あ、ちなみに俺は女子マネージャーはいてもいなくてもどっちでもいいけど、現状だとべつにいらないね」
べつにいらないねって…。
真顔ですげぇあっさり追い討ちかけたな…。
「……絶対俺のほうが健全だーね。こいつらが変わってるだけだーね。世の中の男子中学生の統計とったら俺が多数派のはずだーね。女子がひとりでも場にいるだけで潤いが全然違うだーね。男ばっかりじゃ俺の貴重な青春の日々がバッサバサのカッサカサだーね………」
な、なんかブツブツ言い出した…。
あ、そうだ!
柳沢は俺たちが女子マネいれたって誤解してるわけだし、そんな奴いないって教えてやればいいんじゃねぇか?
「柳沢、俺たちのところにも女子マネなんかいないぜ?
観月の話は何かの間違いだと思うが」
「え、そうなのか?」
「ああ。
どこからそんな話になったんだろうな」
「なんだ、氷帝にもいないだーね?
それならまぁしょうがないだーね」
…どんな理屈だ。
まぁ他人が持ってるもんは不思議と欲しくなるものだしな。
とりあえず、立ち直ってくれてよかったぜ。
…って、俺なんで柳沢にこんなに気ぃつかってるんだろ……。
「クスクス…」
!!?
い、いちいち心臓に悪いぜ……。
「ふむ…、事実ではありませんでしたか…。
まぁ、今回はしょうがないでしょう。まだ裏をとっていませんでしたからね」
…普段何やってんだよ、お前は。
「間違えたんじゃないですか?
たまたまテニス部の人とその女子が一緒にいるところを見かけたりして、そう思ったとか」
「だがそんなことはよくあることだろう。
友達やクラスメイトじゃなくマネージャーだと思うからには、それなりの理由があるはずだ」
「そうだね。
例えば誰かひとりふたりじゃなくて、テニス部全員と仲がいいとか」
「あとは部室に出入りしてたりすると勘違いするかもしれないだーね」
「ふむ…、確かに一理ありますね。
そういえば、跡部くんはよく自宅にテニス部員を招いていると聞きます。
そこに同席している者がいれば誤解されるのもうなずけますね」
ルドルフの奴らの話を聞いて、考えてみる。
マネージャーだなんて、どこからそんな話が出てきたんだ?
俺たち全員と仲がよくて、部室に出入りしてて、跡部んちにも行ってて…。
そんな女子、いな…………。
………………………………。
………………………………ん?
………………………………んん?
「あーーーーーーーーーっ!!!」
いた!!!
思いっきりいた!!
めちゃくちゃいた!!
すげぇいた!!
それって名無しのことじゃねぇか!!
「宍戸くん?どうしたんです?」
「急に大きな声出されたらびっくりするだーね」
「クスクス…」
……ハッ!
ま、まずい。
もしこいつらに名無しのことがバレちまったら……。
んふっ。ぜひお会いしてみたいですね。
……とか。
紹介してほしいだーね!
……とか。
クスクス…。なんだか面白そうだね。
……とか、言い出すに決まってるぜ。
そんなの駄目だ。
赤澤と不二はともかく、この三人はなんか危険な気がする…。
絶対にバレないようにしねぇと…。
「宍戸さん、もしかして誰か心当たりがあるんですか?
マネージャーじゃなくても、そういう仲がいい女子がいるんじゃ…」
…………不二!お前もか!
遠慮がちに、だがサラリと確信をつく不二。
予想外の方向からの思わぬ攻撃を受けて、ダラダラと冷や汗が流れていく。
「んふっ。どうやら図星のようですね」
「裕太、ナイスアシストだーね!」
「クスクス…」
あぁ……バレた……………。
ワリィ、名無し……。
守ってやれなかったぜ……。
「んふっ。ぜひお会いしてみたいですね」
「紹介してほしいだーね!」
「クスクス…。なんだか面白そうだね」
3分前の俺、大正解…。
「なんか…すみません、宍戸さん…」
気まずそうに謝る不二に、気にするなと返す。
あー…、今俺ちゃんと声出せてたかな…。
「まぁまぁ、みんなその辺にしておいてやったらどうだ。
相手は女子だぞ。見知らぬ男にわらわら会いにこられても迷惑だろう。
宍戸はそれを心配してるんじゃないか?」
……!!!
赤澤……!
救世主か、お前は……!
「そうですよ、先輩たち」
「ふむ、それは確かにそうですね」
「う~。まぁ、そうかもしれないだーね」
「まぁね」
た、助かった……。
諦めたらしい様子にホッとしたのも束の間、観月がすかさず聞いてくる。
「ですが本当に赤澤部長が言ったことだけが理由ですか?」
「?
どういう意味だ?」
「宍戸くんはその女子に何か特別な感情をもっているのではありませんか?
さきほどは尋常ではないほど青ざめていましたが」
「は!?」
「なんだ、だから他の男を紹介したくないだーね?」
「クスクス…。だったらそう言えばいいのに。
俺は人の恋路を邪魔する趣味はないし」
「い、いや違うって。あいつはただ…」
「ただ?」
観月に答えを急かされて、思わず考え込む。
……なんか、前にも同じようなことがあったな。
名無しと知り合ったばっかりの頃、あいつが俺の彼女なんじゃねぇかって忍足たちに言われたとき、改めて考えてみて思った。
あいつのことを女として見て好きとか、そういうんじゃなくて…。
ただ、なんとなく…特別だ、って。
だが、今はどうなんだろう。
名無しと俺の関係も、あの頃と変わっていないようで、やっぱり変わった。
まず単純に一緒にいた時間があの頃より増えているわけだから、そのぶん俺も名無しもお互いのことをよく知った。
そのうえであいつが俺をどう思っているかは分からないが、前よりも信頼してくれているようには感じる。
そして俺もあの頃よりもっとあいつを大切だと思うようになった。
守ってやりたいと思うようになった。
…この感情は一体なんなんだろう。
知れば知るほど名無しは優しいやつで、普通の女子とは少し違うがやっぱり女子で、そんなあいつは俺の中でますます特別になっていく。
名無しは友達って感じじゃない。
もちろん、……か、彼女、でもない。
それに、ただの後輩とも違う。
なんとなく特別な存在。
ずっとそう思っていた。
だが、一体どんなふうに特別なんだろう。
男が女に対して、大切だ、守りたいって思うのはよくあることなのか?
今までそんなことを人に聞いたことがないから分からない。
だがひとつだけはっきり言えることがある。
俺がそんなふうに思う女子は、
名無しだけだってことだ。
「宍戸さん、宍戸さん」
……あ。
ふと我に返る。
つい考え込んじまってたな…。
声をかけてきた不二を見ると、心なしか若干哀れみの眼差しを向けられているような気がした。
「どうした?不二」
「いえ、あの…。
そんなに真面目に考えなくてもいいですよ。先輩たち、面白半分で聞いてるだけですから…」
え。
「あー!なんで言っちゃうだーね!
これからいいところだっただーね」
「あーあ、もう少しで何か言いそうだったのに。
空気読まなきゃダメだよ、裕太」
「チッ。
宍戸くんが気持ちを打ち明ける際の表情パターンのデータをカメラにおさめるべく待ち構えていたというのに…」
「おい!なにカメラ構えてんだよ?!
しかもそんな本格的なやつどこに持ってたんだ?!」
あ、あぶねー。
何だよ、表情パターンって…。
「ほらみんな、もうその話はそれくらいにして隣町に向かおうぜ。遅くなるぞ」
赤澤…、本当にお前ってやつは…。
今日ほどお前がいてくれてよかったと思ったことはないぜ。
「つうか隣町って?お前らどっかに行くところだったのか?」
「ああ。
駅のそばにスポーツショップがあるだろう。あの店に新商品が入ったとかで、見に行くところだったんだ。
画像では確認したんだが、やっぱり実際に手にとってみたいからな」
「駅のそば?…あぁ、あの店か」
その店は何度か行ったことはあったが、そんなに詳しくは知らなかった。
新商品と聞いて正直興味があったし、こいつらに着いていって参考にいろいろ話を聞いてみたいが、ルドルフが学校としてよく使っている店と知っていて他校の俺が関わっていいものか分からない。
俺たち氷帝のことをルドルフにわざわざ教えないように、ルドルフだって氷帝の部員である俺に自分たちの情報はあまり教えたくないだろう。
少し考えて、俺はやっぱりここで別れようと思った。
そのとき…。
「宍戸くん、よければ僕たちと一緒に行きませんか?」
観月からの提案に、ポカンとしてしまった。
「は…?
いや、それはまずいんじゃねぇか?俺は他校だし…」
「?
…あぁ、なるほどそういうことですか。
お気遣いなく、僕たちは気にしませんよ」
「だが…」
観月は人一倍情報の管理には厳しそうなイメージだ。
あまりにも意外で言葉通りに受け取っていいものか迷っていると、観月はふふ、と笑った。
「僕は勝負にはこだわりますが、それはあくまでフェアであることが前提です。
スポーツにおいて、道具で差がつくということがあってはいけません。フェアではありませんから。
いい道具があれば、むしろ皆でその情報は共有すべきだと考えます」
…………………………。
へぇ……。
「観月さんもたまにはいい事言いますよね」
「まぁ、そうじゃなかったら普段の嫌味皮肉の嵐に耐えられないだーね」
「クスクス…。口うるさい小姑みたいだしね」
「ははは、同感だな」
「赤澤部長、一緒になって笑ってる場合ですか」
「ははは、すまん。
まぁ大目にみてくれ。俺たちにとってお前はそれだけ大きな存在なんだ。
口うるさいくらいの奴がいてくれたほうが、気も引き締まっていい」
「まったく…」
…少し意外だった。
ルドルフはまだ新しいチームで、どっちかといえばまとまりに欠けるチームだと思っていた。
だが……。
それは間違いだったらしい。
先入観っていうのは危険なもんだな。
チーム力に難があると勝手に思いこんで、足をすくわれるところだったぜ。
実際はこんなに部員同士が打ち解けていて研究熱心なチームなのにな。
「それで、どうします?あなたも来ますか?」
「あぁ、そうさせてもらうぜ。サンキューな」
ルドルフの奴らと店に向かう途中、観月と柳沢と木更津から名無しに会わせてくれとまた頼まれて、当然のように俺は断った。
こいつらのことを見誤っていたと反省していたところだが、それとこれとは話が別だ。
特に柳沢は興味津々すぎて、絶っ対に会わせられない。
しまいには不二まで少し会ってみたくなってきたとか言い出す始末だ。
はぁ…、気が重い…。
「宍戸、大丈夫か?」
「ああ、まぁなんとかな…。
それよりワリィな、何回も助けてもらっちまって。助かったぜ」
隣を歩いていた赤澤に礼を言う。
しょぼくれた俺の様子が面白かったのか、赤澤は豪快に笑った。
「っははは、なんか少し老けたんじゃないか」
「あー、そうかもな」
「まぁ元気出せ。
その女子のことは安心していいぞ。あいつらが暴走しないようにちゃんと見張っておくから」
「そう言ってくれると心強いぜ」
「しっかし、おまえに好きな子がいたとはな。
てっきり女には興味ねぇとか言うタイプかと思ってたが」
「…は?!」
「照れるな照れるな。
俺は人の恋路はむしろ応援する主義なんだ。頑張れよ!」
バシバシ強めに背中を叩かれる。
「ゴホッ、いや、違うって」
「はははっ!」
…全っ然聞いてねぇ。
やっぱり、こいつらもれなく全員に会わせないほうがよさそうだな……。
……end.