少女は戻る
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「人間、界……?」
ハックモンはそれからもう一度きょろきょろと辺りを見渡して、そして自分の両手を見つめていた。
わたしの顔を見上げる頃には、その瞳は期待の色でキラキラと輝いているように見える。
「それじゃあ俺たち、人間の世界に……シオリがずっと住んでいた世界にやってきたの!?」
『う、うん。そうみたいだね』
ずいっと顔を寄せてきたハックモンに驚いた。成長期に戻ると精神年齢みたいなのも幼くなるのだろうか。
いや、そんなことよりも考えるべきことは他にあるはず。どうして人間界に飛ばされたのか。どうやってあちらに帰るのか。
『そうだ、ハックモン。デジタルワールドにいるロイヤルナイツに連絡できたりする?』
「もう試したよ。モニターを開くことはできてもノイズが酷過ぎてあっちの世界とコンタクトが取れなかった」
『……そっか』
実際にハックモンがいつものようにモニターを出してくれるが、その画面は砂嵐でザーザーという耳障りな音しか発していなかった。これでは確かに連絡も取れないだろう。
帰るための手掛かりもない今、わたしたちにやれることはない。チラッとハックモンを横目に見ると、やはり何かを期待しているように瞳が輝いている。
普段は真面目なハックモンがこんなにも興味を示していることがあまりにも珍しくて思わず小さく笑った。仕方ない、と自分の部屋に行くために立ち上がる。
「シオリ?どこ行くの?」
『着替えてくる。外、出てみたいでしょ?』
「!」
『ここで待っててね』
ハックモンをリビングに待たせて自室へやってきた。ずっと白いワンピースで動きにくかった。
皆の任務に同行するようになってからは余計にこの服では不便だと感じていたから、着替えられるのは正直嬉しい。
『でも、どんな服を着たら良いかな…』
わたしはロイヤルナイツと共に過ごしている。だから彼らに相応しいものが良いに決まっている。けれど今まで洋服には無頓着だったから、どの服が良いのか迷ってしまう。
そうしてしばらく迷っていると、シオリー、とハックモンの呼ぶ声が聞こえてきた。
振り返ると、扉の隙間から顔を覗かせている。
「シオリ、大丈夫?」
『待たせちゃってごめんね。ロイヤルナイツの皆に恥じない服にしないと!って考えたら余計に分からなくなっちゃって』
「はは!そんなこと考えてたの!」
『むぅ。大事なことなの!』
そう、わたしにとっては凄く大事なこと。大好きで大切な彼らに見合う姿でいたい。
そんなわたしの気持ちを本当はハックモンも分かっているはず。ひとしきり笑った後「ごめんごめん」って謝って、それからわたしの腕の中へと飛んできた。
「うーん。どれもシオリに似合うものばかりだから、確かにこれじゃあ迷うかもね」
『……ハックモンは平気で恥ずかしいこと言う』
「俺は素直だからね!」
『ふふ。そうだね』
そんなことを言いつつ、わたしの腕の中でクローゼットに掛かっている洋服を選別している姿が何だか微笑ましくて頬が緩む。
彼の世話好きは伊達じゃないってことか。
「シオリ!これなんてどう?」
そう言ってハックモンが指差した服を手に取る。
軍服を模した立ち襟の白いワンピース。素材は硬めで格好良さを兼ね備えた可愛い洋服である。
組織っぽさがあるという点では有りだし機動力にも優れていそうだ。これに黒いタイツを履けば良いかもしれない。
『うん。ありがとう!』
今度こそ着替えるからあっちの部屋で待ってて。そう告げるとハックモンは嬉しそうに離れていった。
選んでもらった洋服をクローゼットから取り出し、ぎゅっと抱きしめる。ジエスモンが、ハックモンが選んでくれたという事実が何よりも嬉しい。
『ありがとう』
今まで気にしていなかった洋服さえも大切なものの一つになった。彼らの影響力というのが、これ程までだったとは。
着替えて全身を鏡に映す。変なところがないことを確認してハックモンの待つリビングへ向かう。
「あ、シオリ!」
『えへへ。どうかな?』
その場でくるりと回って見せる。
「うん、とっても似合ってる!」
ハックモンはそれからもう一度きょろきょろと辺りを見渡して、そして自分の両手を見つめていた。
わたしの顔を見上げる頃には、その瞳は期待の色でキラキラと輝いているように見える。
「それじゃあ俺たち、人間の世界に……シオリがずっと住んでいた世界にやってきたの!?」
『う、うん。そうみたいだね』
ずいっと顔を寄せてきたハックモンに驚いた。成長期に戻ると精神年齢みたいなのも幼くなるのだろうか。
いや、そんなことよりも考えるべきことは他にあるはず。どうして人間界に飛ばされたのか。どうやってあちらに帰るのか。
『そうだ、ハックモン。デジタルワールドにいるロイヤルナイツに連絡できたりする?』
「もう試したよ。モニターを開くことはできてもノイズが酷過ぎてあっちの世界とコンタクトが取れなかった」
『……そっか』
実際にハックモンがいつものようにモニターを出してくれるが、その画面は砂嵐でザーザーという耳障りな音しか発していなかった。これでは確かに連絡も取れないだろう。
帰るための手掛かりもない今、わたしたちにやれることはない。チラッとハックモンを横目に見ると、やはり何かを期待しているように瞳が輝いている。
普段は真面目なハックモンがこんなにも興味を示していることがあまりにも珍しくて思わず小さく笑った。仕方ない、と自分の部屋に行くために立ち上がる。
「シオリ?どこ行くの?」
『着替えてくる。外、出てみたいでしょ?』
「!」
『ここで待っててね』
ハックモンをリビングに待たせて自室へやってきた。ずっと白いワンピースで動きにくかった。
皆の任務に同行するようになってからは余計にこの服では不便だと感じていたから、着替えられるのは正直嬉しい。
『でも、どんな服を着たら良いかな…』
わたしはロイヤルナイツと共に過ごしている。だから彼らに相応しいものが良いに決まっている。けれど今まで洋服には無頓着だったから、どの服が良いのか迷ってしまう。
そうしてしばらく迷っていると、シオリー、とハックモンの呼ぶ声が聞こえてきた。
振り返ると、扉の隙間から顔を覗かせている。
「シオリ、大丈夫?」
『待たせちゃってごめんね。ロイヤルナイツの皆に恥じない服にしないと!って考えたら余計に分からなくなっちゃって』
「はは!そんなこと考えてたの!」
『むぅ。大事なことなの!』
そう、わたしにとっては凄く大事なこと。大好きで大切な彼らに見合う姿でいたい。
そんなわたしの気持ちを本当はハックモンも分かっているはず。ひとしきり笑った後「ごめんごめん」って謝って、それからわたしの腕の中へと飛んできた。
「うーん。どれもシオリに似合うものばかりだから、確かにこれじゃあ迷うかもね」
『……ハックモンは平気で恥ずかしいこと言う』
「俺は素直だからね!」
『ふふ。そうだね』
そんなことを言いつつ、わたしの腕の中でクローゼットに掛かっている洋服を選別している姿が何だか微笑ましくて頬が緩む。
彼の世話好きは伊達じゃないってことか。
「シオリ!これなんてどう?」
そう言ってハックモンが指差した服を手に取る。
軍服を模した立ち襟の白いワンピース。素材は硬めで格好良さを兼ね備えた可愛い洋服である。
組織っぽさがあるという点では有りだし機動力にも優れていそうだ。これに黒いタイツを履けば良いかもしれない。
『うん。ありがとう!』
今度こそ着替えるからあっちの部屋で待ってて。そう告げるとハックモンは嬉しそうに離れていった。
選んでもらった洋服をクローゼットから取り出し、ぎゅっと抱きしめる。ジエスモンが、ハックモンが選んでくれたという事実が何よりも嬉しい。
『ありがとう』
今まで気にしていなかった洋服さえも大切なものの一つになった。彼らの影響力というのが、これ程までだったとは。
着替えて全身を鏡に映す。変なところがないことを確認してハックモンの待つリビングへ向かう。
「あ、シオリ!」
『えへへ。どうかな?』
その場でくるりと回って見せる。
「うん、とっても似合ってる!」