少女は戻る
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「起きて!起きてシオリ!」
必死そうな声に沈んでいた意識が浮上していく。ぼんやりとしていた頭も、体を揺すられ声を掛け続けられれば鮮明になる。
光に目を慣らす為ゆっくりと瞼を持ち上げていく。そうして何度か瞬きをして、固まった。
『ん…、だれ?』
わたしを心配そうにのぞき込むソレは、小さくてぬいぐるみのようだった。
そして、自分が今どこにいるのか確認するために周りを見渡して、息が止まりそうになる。
『どうして、ここに……』
最低限の家具しかなく、それでいて1LDKだなんて一人暮らしには勿体ない質素な部屋。
ここは間違いなくわたしの家だ。
そして徐々に記憶が戻ってくる。確かにわたしはデジタルワールドにいて、今日はジエスモンとガンクゥモンと一緒に任務へ出た。
その先で空間の歪みを見つけて、変なゲートが開いて吸い込まれて、それで最後に見たのはジエスモンが飛び込んでくるところ。
と、そこまで思い出してハッとした。
『そうだ、ジエスモンは!』
「俺はここだよシオリ!」
聞こえたのは先程わたしを起こしてくれた小さいぬいぐるみのような何か。もしかしなくても、これ、デジモンだったんだ。
というかこの小さなデジモンがジエスモン…?わたしの知っているジエスモンはもっと大きかったはずだけれど。
『え、えっと……ジエスモン?』
「うん。でも今はハックモンだよ」
『ハックモン?』
「成長期に戻っちゃったらしいんだ。多分、あのゲートに吸い込まれてこの世界に来た時に、究極体のデータを処理しきれなかったんだと思う」
そう冷静に分析する目の前のデジモンをジッと見る。確かに言われてみれば光を反射する銀色の体に赤いマントがジエスモンの面影を残していた。
そんなハックモンに触れたくてゆっくりと手を伸ばす。彼はわたしを拒むことなくやりたいようにさせてくれた。
『ハックモン』
「なに?」
『……どうして飛び込んできたの?』
「どうしてって…」
あんな禍々しいゲート。どこに繋がっているかも分からず、どうなってしまうのかも未知数なのに、どうして。
「そんなのシオリを助けたかったからに決まってるよ。それに、原因不明のゲートに君を一人行かせるのは騎士の恥だしね」
『ハックモン……』
何かあれば深追いせずに報告。そう言っていたジエスモンがそんなことを思って飛び込んできてくれたなんて。
わたしの質問は愚問だったのかもしれない。どこまでも、本当にどこまでも彼は格好良い。
『ありがとう。本当はジエスモンが……ハックモンが一緒にいてくれて酷く安心してるの』
「お礼なんていいよ!それより、シオリはここが何処だか分かる?デジタルワールドっていう感じじゃないけど…」
ハックモンがきょろきょろと顔を動かしながらわたしに問う。デジタルワールドのような感じがしない、と彼は言った。
それもそのはず。だってここは。
『……ここはね、人間界だよ』
わたしの言葉にハックモンは目を見開いた。
「人間、界……?」
必死そうな声に沈んでいた意識が浮上していく。ぼんやりとしていた頭も、体を揺すられ声を掛け続けられれば鮮明になる。
光に目を慣らす為ゆっくりと瞼を持ち上げていく。そうして何度か瞬きをして、固まった。
『ん…、だれ?』
わたしを心配そうにのぞき込むソレは、小さくてぬいぐるみのようだった。
そして、自分が今どこにいるのか確認するために周りを見渡して、息が止まりそうになる。
『どうして、ここに……』
最低限の家具しかなく、それでいて1LDKだなんて一人暮らしには勿体ない質素な部屋。
ここは間違いなくわたしの家だ。
そして徐々に記憶が戻ってくる。確かにわたしはデジタルワールドにいて、今日はジエスモンとガンクゥモンと一緒に任務へ出た。
その先で空間の歪みを見つけて、変なゲートが開いて吸い込まれて、それで最後に見たのはジエスモンが飛び込んでくるところ。
と、そこまで思い出してハッとした。
『そうだ、ジエスモンは!』
「俺はここだよシオリ!」
聞こえたのは先程わたしを起こしてくれた小さいぬいぐるみのような何か。もしかしなくても、これ、デジモンだったんだ。
というかこの小さなデジモンがジエスモン…?わたしの知っているジエスモンはもっと大きかったはずだけれど。
『え、えっと……ジエスモン?』
「うん。でも今はハックモンだよ」
『ハックモン?』
「成長期に戻っちゃったらしいんだ。多分、あのゲートに吸い込まれてこの世界に来た時に、究極体のデータを処理しきれなかったんだと思う」
そう冷静に分析する目の前のデジモンをジッと見る。確かに言われてみれば光を反射する銀色の体に赤いマントがジエスモンの面影を残していた。
そんなハックモンに触れたくてゆっくりと手を伸ばす。彼はわたしを拒むことなくやりたいようにさせてくれた。
『ハックモン』
「なに?」
『……どうして飛び込んできたの?』
「どうしてって…」
あんな禍々しいゲート。どこに繋がっているかも分からず、どうなってしまうのかも未知数なのに、どうして。
「そんなのシオリを助けたかったからに決まってるよ。それに、原因不明のゲートに君を一人行かせるのは騎士の恥だしね」
『ハックモン……』
何かあれば深追いせずに報告。そう言っていたジエスモンがそんなことを思って飛び込んできてくれたなんて。
わたしの質問は愚問だったのかもしれない。どこまでも、本当にどこまでも彼は格好良い。
『ありがとう。本当はジエスモンが……ハックモンが一緒にいてくれて酷く安心してるの』
「お礼なんていいよ!それより、シオリはここが何処だか分かる?デジタルワールドっていう感じじゃないけど…」
ハックモンがきょろきょろと顔を動かしながらわたしに問う。デジタルワールドのような感じがしない、と彼は言った。
それもそのはず。だってここは。
『……ここはね、人間界だよ』
わたしの言葉にハックモンは目を見開いた。
「人間、界……?」