少女とおじさんとお兄さん
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≪歪みを感知した。そこから南東へおよそ3キロメートル地点である。今はまだ小さいが、これから大きくなる可能性がある。気を付けて参れ≫
情報処理室からわたしたちをサポートしてくれているデュークモンから歪みを感知したとの通信が入る。
わたしを抱えて飛んでいるジエスモンの腕にきゅっと力が籠められた。
「了解した。直ちに参ろうぞ」
「シオリ、スピード上げるから気を付けてね」
『うん』
返事をするや周りの景色がどんどん流れていく。
気持ち悪くならないよう目をギュッと閉じて、目的地にたどり着くのを待っていた。
いずれこれにも慣れる日がくると良いな。皆が見ている景色もわたしも見てみたいと思う。
なんて、普通の人間がこのスピードに慣れてしまえば、それはもう普通であるかどうかは怪しいところだけれどね。
ジエスモンが風の抵抗も極力少なくしてくれているから苦しいこともなく、体がふわふわと飛んでいるように感じる。
「着いたよ、シオリ」
『あ、うん。ありがとう』
しばらく流れに身を任せているとガンクゥモンとジエスモンが降り立った。どうやらここが目的地らしい。
ジエスモンの腕から抜けて辺りを見渡すと、どこか見覚えのある大草原が広がっていた。
「既にデュークモンが避難勧告を済ませたようであるな。流石仕事が早いのう」
「どこかの師匠とは大違いですよね」
「なっはっは、どこの師匠だソイツは!」
「あんただよあんた!」
相変わらずこの2人の漫才は見ていて和む。
「とにかく!まずは歪みを探しましょう!……シオリは師匠と一緒に行動してね」
『分かった』
そう言われてガンクゥモンの隣に行くと、ガシガシと頭を撫でられる。
髪がぐちゃぐちゃになってしまった…。
「師匠!くれぐれもシオリに変なことはしないで下さいね!あとお酒も飲まないように!」
「なはははは!儂を何だと思ってる!」
「師匠は師匠です!」
「照れるのお」
「可愛くない!」
そんなやり取りをしていている間にさり気なくジエスモンがわたしの髪を整えてくれる。
こういう所が世話好きたる所以なんだなって思う。彼はどこまでも格好良い。
「では俺はあちらの方を見てきます。師匠とシオリはこちらの方をお願いします。見つけたら深追いせずまずは報告を。良いですね?」
「あい分かった」
『了解』
ジエスモンの報連相はロイヤルナイツの中でもよくできていると思う。いや、実際一番できている。
これも全て、隣でふざけたように笑うガンクゥモンの教育の賜物か。それともそんな彼を見て学んだ教訓か。
どちらにしてもやはりガンクゥモンから教わっているのだから、師匠と尊敬しているのかもしれない。
「さて、逃げ遅れているかもしれないデジモンを探しつつ歪みを探そうぞ」
ジエスモンを見送った後にガンクゥモンが仕事モードに入る。この真剣さをもっとジエスモンに見せたら良いのに、とは思ったがまぁいいかとわたしも開き直った。
『情報処理室でも正確な位置は分からないの?』
「そうらしいのう。マグナモン殿曰く、空間に歪みと亀裂ができることでその周辺の時間と地形が少し変わるらしいのだ」
『そうなの? 見た感じはそうでもないけど』
「はっはっは! 変わっているのは内部データだからのお」
そもそもこのような案件は初めてだそうで、未だ対策を考案中なんだとか。
何だが難しそうな話である。
「ふむ。これ程広い草原なら祭り事を催しても問題なさそうであるなあ」
『確かに。この問題が解決したら街のデジモンたちにこっそり教えてみるね』
この街がもっと栄えるなら、わたしだって少しでも貢献したいと思う。
愛に溢れたこの世界にお返しができるのであれば、何だってやるし頑張れる。
その為には任務を一つ一つ丁寧に、しっかりと。皆と同じ道を一緒に歩いていきたいなあ。
「それにしても、ここら辺は気配もしないのう」
『やっぱり気配ってするの?』
「ふむ。少しばかり嫌な感じがな」
スレイプモンも同じことを言っていたけど、デジモンたちにはやはり分かるものなんだろう。わたしもそういうのを感じ取れたらもっと役に立てるのかなあ。
≪師匠!シオリ!直ちに来てください!≫
「ジエスモン」
『まさか!』
ガンクゥモンの目の前にモニターが現れた。そこには少々焦った表情をするジエスモン。
それが何を示しているかなんて考えなくても分かる。
≪歪みを発見!徐々に大きくなっています!≫
情報処理室からわたしたちをサポートしてくれているデュークモンから歪みを感知したとの通信が入る。
わたしを抱えて飛んでいるジエスモンの腕にきゅっと力が籠められた。
「了解した。直ちに参ろうぞ」
「シオリ、スピード上げるから気を付けてね」
『うん』
返事をするや周りの景色がどんどん流れていく。
気持ち悪くならないよう目をギュッと閉じて、目的地にたどり着くのを待っていた。
いずれこれにも慣れる日がくると良いな。皆が見ている景色もわたしも見てみたいと思う。
なんて、普通の人間がこのスピードに慣れてしまえば、それはもう普通であるかどうかは怪しいところだけれどね。
ジエスモンが風の抵抗も極力少なくしてくれているから苦しいこともなく、体がふわふわと飛んでいるように感じる。
「着いたよ、シオリ」
『あ、うん。ありがとう』
しばらく流れに身を任せているとガンクゥモンとジエスモンが降り立った。どうやらここが目的地らしい。
ジエスモンの腕から抜けて辺りを見渡すと、どこか見覚えのある大草原が広がっていた。
「既にデュークモンが避難勧告を済ませたようであるな。流石仕事が早いのう」
「どこかの師匠とは大違いですよね」
「なっはっは、どこの師匠だソイツは!」
「あんただよあんた!」
相変わらずこの2人の漫才は見ていて和む。
「とにかく!まずは歪みを探しましょう!……シオリは師匠と一緒に行動してね」
『分かった』
そう言われてガンクゥモンの隣に行くと、ガシガシと頭を撫でられる。
髪がぐちゃぐちゃになってしまった…。
「師匠!くれぐれもシオリに変なことはしないで下さいね!あとお酒も飲まないように!」
「なはははは!儂を何だと思ってる!」
「師匠は師匠です!」
「照れるのお」
「可愛くない!」
そんなやり取りをしていている間にさり気なくジエスモンがわたしの髪を整えてくれる。
こういう所が世話好きたる所以なんだなって思う。彼はどこまでも格好良い。
「では俺はあちらの方を見てきます。師匠とシオリはこちらの方をお願いします。見つけたら深追いせずまずは報告を。良いですね?」
「あい分かった」
『了解』
ジエスモンの報連相はロイヤルナイツの中でもよくできていると思う。いや、実際一番できている。
これも全て、隣でふざけたように笑うガンクゥモンの教育の賜物か。それともそんな彼を見て学んだ教訓か。
どちらにしてもやはりガンクゥモンから教わっているのだから、師匠と尊敬しているのかもしれない。
「さて、逃げ遅れているかもしれないデジモンを探しつつ歪みを探そうぞ」
ジエスモンを見送った後にガンクゥモンが仕事モードに入る。この真剣さをもっとジエスモンに見せたら良いのに、とは思ったがまぁいいかとわたしも開き直った。
『情報処理室でも正確な位置は分からないの?』
「そうらしいのう。マグナモン殿曰く、空間に歪みと亀裂ができることでその周辺の時間と地形が少し変わるらしいのだ」
『そうなの? 見た感じはそうでもないけど』
「はっはっは! 変わっているのは内部データだからのお」
そもそもこのような案件は初めてだそうで、未だ対策を考案中なんだとか。
何だが難しそうな話である。
「ふむ。これ程広い草原なら祭り事を催しても問題なさそうであるなあ」
『確かに。この問題が解決したら街のデジモンたちにこっそり教えてみるね』
この街がもっと栄えるなら、わたしだって少しでも貢献したいと思う。
愛に溢れたこの世界にお返しができるのであれば、何だってやるし頑張れる。
その為には任務を一つ一つ丁寧に、しっかりと。皆と同じ道を一緒に歩いていきたいなあ。
「それにしても、ここら辺は気配もしないのう」
『やっぱり気配ってするの?』
「ふむ。少しばかり嫌な感じがな」
スレイプモンも同じことを言っていたけど、デジモンたちにはやはり分かるものなんだろう。わたしもそういうのを感じ取れたらもっと役に立てるのかなあ。
≪師匠!シオリ!直ちに来てください!≫
「ジエスモン」
『まさか!』
ガンクゥモンの目の前にモニターが現れた。そこには少々焦った表情をするジエスモン。
それが何を示しているかなんて考えなくても分かる。
≪歪みを発見!徐々に大きくなっています!≫