天使の旋律
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「……帰還した」
「はあ、戻ったぞ」
夕暮れ時。疲れた、ということを隠しもしない表情でオメガモンとデュナスモンがメインサーバへと帰還した。
「ああ、お疲れ」
「お疲れ様」
そのまま情報処理室へと帰ってきた彼らを迎えたのは内勤をしていたクレニアムモンとマグナモン。
彼らの表情を見るなり苦笑いを浮かべて、取り敢えず空いている椅子へと座らせる。
「……シオリは部屋か?」
「いや、ロードナイトモンと街へ出かけに行ったぞ」
いつもなら出迎えてくれるシオリがいないからか、オメガモンが尋ねるとクレニアムモンがコーヒーをいれながら答える。
どうやら以前から約束をしていた外出だったらしく、渡されたコーヒーを飲みながらそうか、と小さく呟いた。
「ところで、進捗はあったのか」
突然のマグナモンからの質問ではあったが、2人もすぐに察して目を瞑り首を横に振る。それは否定を意味しており、マグナモンもクレニアムモンも小さく息を吐いた。
進捗というのは、以前よりオメガモンとデュナスモンで調査をしていた任務のことである。
「やはりオレが直接調べた方が良いんじゃないか」
「その方が良いんだろうがな。今お前が外に出てその纏っているデジメンタルに影響でも出たら、そちらの方が対処に困る」
2か月ほど前に判明した何らかの影響によるデジメンタルのデータの書き換え。それも悪い方へ、である。
デジメンタルを纏って進化しているマグナモンが調査を担当するというのは尤もな意見ではあるが、そのデジメンタルを纏っているからこそ、いつどんな状況でデジメンタルへの悪影響が及ぶか分からない。というのがデュナスモンの見解だった。
「であれば、そなたらの調査にアルフォースブイドラモンを加えれば良いのではないか?」
提案したのはクレニアムモン。
なんてことない、という風に言ってのけた。
「デジメンタルは古代種にしか扱えない。マグナモンが調査に出られないのなら同じ古代種のアイツを同行させてみる価値はありそうだが」
「だがアルは古代種といえどアーマー体じゃない。何よりあまりそういうことを理解していないぞ」
「この機会にそなたが教えてやれば良いではないか」
「はあ!?」
「そうだな。次の調査は2週間後と記憶している」
「まあ、なんだ。頑張れよ」
クレニアムモンとオメガモンに無理矢理言いくるめられているマグナモンを見てデュナスモンも諦めたのか、苦笑いをしながら激励を送る。
「お、お前ら…!」
『ただいま!』
マグナモンが文句を言おうとしたところで情報処理室へ入ってきたのはシオリと、彼女に同行していたロードナイトモンだった。
「帰ったか」
「きちんと楽しめたのか?」
『とーっても!オメガモンもデュナスモンもお疲れ様!』
シオリが入ってきたことによって場も和んだ。それに感化されたのか、観念したのか。先程まで反論しようとしていたマグナモンも諦めたように溜息を吐く。
『何だか疲れてるね?』
「……ああ、そうだな。誰かさんたちが面倒な仕事を押し付けてくるからな」
そう言ってオメガモンを含めて3人を見ると、三者三様に目を逸らしていた。
少しでも悪気があると自覚している奴ほど目を逸らすものだ、とマグナモンは言おうとしたが他に良い案も思いつかなかったため諦めるしかないと、本日何度目かの溜息を吐いた。
『あんまりマグナモンに無茶言うのはダメだよ』
「……はあ。シオリだけが味方だな」
「何を話していたのかは分からないが、デュナスモンが話に乗るのは珍しいじゃないか」
「人聞きの悪いことを言うな。俺は無害だ」
話の流れから驚いたようにロードナイトモンがデュナスモンに言ってやると、否定の言葉と共にキッと睨みを飛ばす。
慣れているのか、はたまた気にしていないだけなのかは分からないがデュナスモンからの視線を鮮やかにスルーし、シオリを抱きかかえて歩き出した。
『えっ、ちょっと、ロードナイトモン!?』
「こんなむさ苦しい集団の中にいるのではなく、私とお茶会をしようか。デュナスモン、貴様も早く来るといい」
「お、おう。俺は良いのか」
「同じ部屋なのだから当たり前だろう」
『ふふ。2人とも本当に仲が良いよね』
じゃあね、とロードナイトモンに抱えられたまま情報処理室を出て行ったシオリとロードナイトモンを見送りしばらく無言だった一同だが、それを破るようにデュナスモンが立ち上がった。
「では、俺も呼ばれているのでな」
「……私も混ざりたいぞ。ずるい」
「このお茶会は俺たち3人の特別なものだ。諦めてくれ」
それだけ言うとデュナスモンも爽快と情報処理室を出て行った。
どことなく気分が良いように見えたのが恨めしい、とは後にオメガモンが語っている。
「さて、シオリとの休暇が欲しいならまずは調査を頑張ってもらおうか」
「むっ。これでも私はリーダーだぞ。休暇ほしい」
「知らないな。立派な社畜になってもらうぞ」
マグナモンは、小休憩は終わりだというようにその場を離れて作業用モニターへと向かっていく。
「……鬼め」
「はは。頑張ろうではないか、リーダー殿?」
「アルフォースブイドラモンを同行させると提案したのはお前なのに、何か対応に差が出ている気がするのだが…?」
飲み終えたであろうコーヒーカップを片付けるために情報処理室を出ようとしたクレニアムモンが、不服そうにしているオメガモンに振り向いた。
「日頃の行い、だろうな」
それからしばらくはマグナモンにゴマを擦っているオメガモンがいたとかなんとか……。
「はあ、戻ったぞ」
夕暮れ時。疲れた、ということを隠しもしない表情でオメガモンとデュナスモンがメインサーバへと帰還した。
「ああ、お疲れ」
「お疲れ様」
そのまま情報処理室へと帰ってきた彼らを迎えたのは内勤をしていたクレニアムモンとマグナモン。
彼らの表情を見るなり苦笑いを浮かべて、取り敢えず空いている椅子へと座らせる。
「……シオリは部屋か?」
「いや、ロードナイトモンと街へ出かけに行ったぞ」
いつもなら出迎えてくれるシオリがいないからか、オメガモンが尋ねるとクレニアムモンがコーヒーをいれながら答える。
どうやら以前から約束をしていた外出だったらしく、渡されたコーヒーを飲みながらそうか、と小さく呟いた。
「ところで、進捗はあったのか」
突然のマグナモンからの質問ではあったが、2人もすぐに察して目を瞑り首を横に振る。それは否定を意味しており、マグナモンもクレニアムモンも小さく息を吐いた。
進捗というのは、以前よりオメガモンとデュナスモンで調査をしていた任務のことである。
「やはりオレが直接調べた方が良いんじゃないか」
「その方が良いんだろうがな。今お前が外に出てその纏っているデジメンタルに影響でも出たら、そちらの方が対処に困る」
2か月ほど前に判明した何らかの影響によるデジメンタルのデータの書き換え。それも悪い方へ、である。
デジメンタルを纏って進化しているマグナモンが調査を担当するというのは尤もな意見ではあるが、そのデジメンタルを纏っているからこそ、いつどんな状況でデジメンタルへの悪影響が及ぶか分からない。というのがデュナスモンの見解だった。
「であれば、そなたらの調査にアルフォースブイドラモンを加えれば良いのではないか?」
提案したのはクレニアムモン。
なんてことない、という風に言ってのけた。
「デジメンタルは古代種にしか扱えない。マグナモンが調査に出られないのなら同じ古代種のアイツを同行させてみる価値はありそうだが」
「だがアルは古代種といえどアーマー体じゃない。何よりあまりそういうことを理解していないぞ」
「この機会にそなたが教えてやれば良いではないか」
「はあ!?」
「そうだな。次の調査は2週間後と記憶している」
「まあ、なんだ。頑張れよ」
クレニアムモンとオメガモンに無理矢理言いくるめられているマグナモンを見てデュナスモンも諦めたのか、苦笑いをしながら激励を送る。
「お、お前ら…!」
『ただいま!』
マグナモンが文句を言おうとしたところで情報処理室へ入ってきたのはシオリと、彼女に同行していたロードナイトモンだった。
「帰ったか」
「きちんと楽しめたのか?」
『とーっても!オメガモンもデュナスモンもお疲れ様!』
シオリが入ってきたことによって場も和んだ。それに感化されたのか、観念したのか。先程まで反論しようとしていたマグナモンも諦めたように溜息を吐く。
『何だか疲れてるね?』
「……ああ、そうだな。誰かさんたちが面倒な仕事を押し付けてくるからな」
そう言ってオメガモンを含めて3人を見ると、三者三様に目を逸らしていた。
少しでも悪気があると自覚している奴ほど目を逸らすものだ、とマグナモンは言おうとしたが他に良い案も思いつかなかったため諦めるしかないと、本日何度目かの溜息を吐いた。
『あんまりマグナモンに無茶言うのはダメだよ』
「……はあ。シオリだけが味方だな」
「何を話していたのかは分からないが、デュナスモンが話に乗るのは珍しいじゃないか」
「人聞きの悪いことを言うな。俺は無害だ」
話の流れから驚いたようにロードナイトモンがデュナスモンに言ってやると、否定の言葉と共にキッと睨みを飛ばす。
慣れているのか、はたまた気にしていないだけなのかは分からないがデュナスモンからの視線を鮮やかにスルーし、シオリを抱きかかえて歩き出した。
『えっ、ちょっと、ロードナイトモン!?』
「こんなむさ苦しい集団の中にいるのではなく、私とお茶会をしようか。デュナスモン、貴様も早く来るといい」
「お、おう。俺は良いのか」
「同じ部屋なのだから当たり前だろう」
『ふふ。2人とも本当に仲が良いよね』
じゃあね、とロードナイトモンに抱えられたまま情報処理室を出て行ったシオリとロードナイトモンを見送りしばらく無言だった一同だが、それを破るようにデュナスモンが立ち上がった。
「では、俺も呼ばれているのでな」
「……私も混ざりたいぞ。ずるい」
「このお茶会は俺たち3人の特別なものだ。諦めてくれ」
それだけ言うとデュナスモンも爽快と情報処理室を出て行った。
どことなく気分が良いように見えたのが恨めしい、とは後にオメガモンが語っている。
「さて、シオリとの休暇が欲しいならまずは調査を頑張ってもらおうか」
「むっ。これでも私はリーダーだぞ。休暇ほしい」
「知らないな。立派な社畜になってもらうぞ」
マグナモンは、小休憩は終わりだというようにその場を離れて作業用モニターへと向かっていく。
「……鬼め」
「はは。頑張ろうではないか、リーダー殿?」
「アルフォースブイドラモンを同行させると提案したのはお前なのに、何か対応に差が出ている気がするのだが…?」
飲み終えたであろうコーヒーカップを片付けるために情報処理室を出ようとしたクレニアムモンが、不服そうにしているオメガモンに振り向いた。
「日頃の行い、だろうな」
それからしばらくはマグナモンにゴマを擦っているオメガモンがいたとかなんとか……。