少女と苦労性と愚痴会と
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『「あ」』
その日の夜、メインサーバの談話室でわたしは久し振りに彼に会った。
『おかえりなさい!ジエスモン』
「ただいま、シオリ」
ジエスモンはロイヤルナイツの一員。けれど仲間としてメインサーバで任務を行うことになったのは、わたしがこの世界へ来たときよりも少し早い時期。
そう、彼も新人騎士として日々勉強に励んでいるのだ。とは言ってもとても優秀なので任務には1人で行っているし頭も良い。人間と比べるのは間違っているが、少なくともわたしよりかはロイヤルナイツに馴染んでいた。
「久しぶりだね。1ヶ月ぶりくらいかな?」
『うん。ジエスモンがいないのちょっと寂しかった』
彼は東の地域全体の土地情報を細部まで調べつつ、不祥事を片っ端から解決するために1ヶ月という長期の任務へ出払っていたのだ。
「俺もシオリがいなくて大変だったよ」
『ふふ。相変わらずだね』
長期任務は必ず誰かとペアにならなければならず、ジエスモンはいつもの如く師匠であるガンクゥモンと一緒にかの地域へ赴いた。
それが凶と出たか吉と出たかはジエスモンにしか知りえない。
はずなのだが、
「あの究極マイペースおやじに太刀打ちするなんて俺には無理だよ」
こうやって彼からの愚痴をよく聞くのでペア制度は大概が凶と出ているのがよく分かる。彼だけではなく、他のナイツもペア制度に文句を言っているのをたまに目撃するときがある。
『ガンクゥモン、また何かやらかしたの?』
「またもまた!任務を1人でやらされるのは試練だと思っているから良いんだよ?だけどそれを見物して酒を飲むのは如何なものかと!」
任務中にお酒を平気で飲めるのはガンクゥモンくらいだよね。
相槌を打ちつつジエスモンから話される愚痴を苦笑いしながら聞いていた。
「それにこの前はアルフォースブイドラモン!」
『アルがどうしたの?』
「彼と任務に行くと俺のデジコアに穴が開きそうになる……」
死んじゃう。
それ死んじゃうよジエスモン。
「彼はナイツ一番のマイペースだから、ふとした時にはいないし。それに神速の名は伊達じゃないから俺じゃ追い付けないしどうしたら良いのかもう、ね」
『あ、あはは』
ジエスモンは苦労性なのである。憧れのロイヤルナイツに加入したらイメージと違ってガッカリしたと言っていた。
もちろん先輩方は皆尊敬しているけれど、それにしたって自由すぎる、とはジエスモンの生涯の悩みの種らしい。
「シオリは何かないの?」
『わたし?』
「そうそう。最近は皆とお仕事してるそうじゃないか」
『うん。まあ、そうだなあ』
ジエスモンに言われ、最近の出来事を思い出すように記憶を遡ってみる。
ここに来て3ヶ月。何かあったかなあ。
その日の夜、メインサーバの談話室でわたしは久し振りに彼に会った。
『おかえりなさい!ジエスモン』
「ただいま、シオリ」
ジエスモンはロイヤルナイツの一員。けれど仲間としてメインサーバで任務を行うことになったのは、わたしがこの世界へ来たときよりも少し早い時期。
そう、彼も新人騎士として日々勉強に励んでいるのだ。とは言ってもとても優秀なので任務には1人で行っているし頭も良い。人間と比べるのは間違っているが、少なくともわたしよりかはロイヤルナイツに馴染んでいた。
「久しぶりだね。1ヶ月ぶりくらいかな?」
『うん。ジエスモンがいないのちょっと寂しかった』
彼は東の地域全体の土地情報を細部まで調べつつ、不祥事を片っ端から解決するために1ヶ月という長期の任務へ出払っていたのだ。
「俺もシオリがいなくて大変だったよ」
『ふふ。相変わらずだね』
長期任務は必ず誰かとペアにならなければならず、ジエスモンはいつもの如く師匠であるガンクゥモンと一緒にかの地域へ赴いた。
それが凶と出たか吉と出たかはジエスモンにしか知りえない。
はずなのだが、
「あの究極マイペースおやじに太刀打ちするなんて俺には無理だよ」
こうやって彼からの愚痴をよく聞くのでペア制度は大概が凶と出ているのがよく分かる。彼だけではなく、他のナイツもペア制度に文句を言っているのをたまに目撃するときがある。
『ガンクゥモン、また何かやらかしたの?』
「またもまた!任務を1人でやらされるのは試練だと思っているから良いんだよ?だけどそれを見物して酒を飲むのは如何なものかと!」
任務中にお酒を平気で飲めるのはガンクゥモンくらいだよね。
相槌を打ちつつジエスモンから話される愚痴を苦笑いしながら聞いていた。
「それにこの前はアルフォースブイドラモン!」
『アルがどうしたの?』
「彼と任務に行くと俺のデジコアに穴が開きそうになる……」
死んじゃう。
それ死んじゃうよジエスモン。
「彼はナイツ一番のマイペースだから、ふとした時にはいないし。それに神速の名は伊達じゃないから俺じゃ追い付けないしどうしたら良いのかもう、ね」
『あ、あはは』
ジエスモンは苦労性なのである。憧れのロイヤルナイツに加入したらイメージと違ってガッカリしたと言っていた。
もちろん先輩方は皆尊敬しているけれど、それにしたって自由すぎる、とはジエスモンの生涯の悩みの種らしい。
「シオリは何かないの?」
『わたし?』
「そうそう。最近は皆とお仕事してるそうじゃないか」
『うん。まあ、そうだなあ』
ジエスモンに言われ、最近の出来事を思い出すように記憶を遡ってみる。
ここに来て3ヶ月。何かあったかなあ。