少女の初任務②
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不思議な夢を見ている。
色に例えるなら真っ白。
けれど目に見えているもの全てが見覚えのあるものだった。メインサーバにデジタマ。はじまりの町から現実世界にある自分の部屋まで。ここには、わたしの知っているものしかない。
――ねえ、君の名前を教えてよ!
ふと、後ろから声が聞こえた。
振り返ると、そこにいたのはわたしの知っているデジモンだった。
『ブイ、モン……?』
――そう!ねえねえ、君の名前は?
『……シオリ』
――そっか、シオリか。素敵な名前だね!
ブイモンは嬉しそうに何度もわたしの名前を呼んでいた。
それが少しだけ照れくさくて、けれどわたしも同じくらい嬉しかった。
『ここは、わたしの夢の中?』
――惜しい。夢だけど夢じゃない
うーん。どういうことなのだろうか。
――ここは、シオリの心の世界
『わたしの、心の世界?』
――そう!シオリの記憶をもとにして作られた心の世界。見覚えのあるものばかりでしょ?
なるほど。説明されて納得した。
でも一つだけ理解できないことがある。
『でも、ブイモンには一度も会ったことない…』
――そうだね。ブイモンにはないかもしれない。けどボクには会ったことあるよ
言われて考えるが、どれだけ考えても心当たりがない。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
――気にしないで!ボクはお礼を言いに来たんだ!
『お礼?』
ブイモンに会ったこともなければお礼を言われるようなことをした覚えもない。
――ボクを助けてくれて、ありがとう
『待って。わたし、本当に分からない』
――すぐに分かるよ。本当に、ありがとう
先程とは違って真剣な表情でお礼を言ってくるブイモンに、わたしはただ嫌な予感がしていた。
だって、そんなのまるで、
『お別れみたいだよ……』
わたしの言葉にブイモンは返してくれない。
お願いだから、それは違うと言って。
せっかく会えたのに、お別れなんて嫌だ。
――…シオリ。そろそろ時間だよ
嫌だ。嫌だよ。時間って何?
今別れたらもう会えないような気がして。
それだけはどうしても嫌だった。
――シオリの仲間が待っている。行くんだ
『嫌、待って!待ってブイモン!』
急に視界が薄くなり、どんどんブイモンが遠ざかっていく。
離れたくなくて手を伸ばしても届かない。
走っても走っても距離は離れるばかり。
『ブイモンッ!』
――生まれ変わって、また会いに行くよ
最後のブイモンの言葉を胸に、わたしの意識は沈んでいった。
色に例えるなら真っ白。
けれど目に見えているもの全てが見覚えのあるものだった。メインサーバにデジタマ。はじまりの町から現実世界にある自分の部屋まで。ここには、わたしの知っているものしかない。
――ねえ、君の名前を教えてよ!
ふと、後ろから声が聞こえた。
振り返ると、そこにいたのはわたしの知っているデジモンだった。
『ブイ、モン……?』
――そう!ねえねえ、君の名前は?
『……シオリ』
――そっか、シオリか。素敵な名前だね!
ブイモンは嬉しそうに何度もわたしの名前を呼んでいた。
それが少しだけ照れくさくて、けれどわたしも同じくらい嬉しかった。
『ここは、わたしの夢の中?』
――惜しい。夢だけど夢じゃない
うーん。どういうことなのだろうか。
――ここは、シオリの心の世界
『わたしの、心の世界?』
――そう!シオリの記憶をもとにして作られた心の世界。見覚えのあるものばかりでしょ?
なるほど。説明されて納得した。
でも一つだけ理解できないことがある。
『でも、ブイモンには一度も会ったことない…』
――そうだね。ブイモンにはないかもしれない。けどボクには会ったことあるよ
言われて考えるが、どれだけ考えても心当たりがない。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
――気にしないで!ボクはお礼を言いに来たんだ!
『お礼?』
ブイモンに会ったこともなければお礼を言われるようなことをした覚えもない。
――ボクを助けてくれて、ありがとう
『待って。わたし、本当に分からない』
――すぐに分かるよ。本当に、ありがとう
先程とは違って真剣な表情でお礼を言ってくるブイモンに、わたしはただ嫌な予感がしていた。
だって、そんなのまるで、
『お別れみたいだよ……』
わたしの言葉にブイモンは返してくれない。
お願いだから、それは違うと言って。
せっかく会えたのに、お別れなんて嫌だ。
――…シオリ。そろそろ時間だよ
嫌だ。嫌だよ。時間って何?
今別れたらもう会えないような気がして。
それだけはどうしても嫌だった。
――シオリの仲間が待っている。行くんだ
『嫌、待って!待ってブイモン!』
急に視界が薄くなり、どんどんブイモンが遠ざかっていく。
離れたくなくて手を伸ばしても届かない。
走っても走っても距離は離れるばかり。
『ブイモンッ!』
――生まれ変わって、また会いに行くよ
最後のブイモンの言葉を胸に、わたしの意識は沈んでいった。