少女の初任務②
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セトモンがいるであろう場所へやって来ると、そこはもう火の海になっていた。
『熱い……』
「大丈夫か?」
『うん』
火の中をデュークモンに守ってもらいながら進んでいくと、しばらくして声が聞こえた。
それは決して良いものではなく、この世界に憎悪している声だ。
――憎い。何もかもが憎い!
『デュークモン。聞こえる?』
「何がだ?」
『セトモンの声。きっと、心の声』
「……このデュークモンには聞こえぬが」
どうやら聞こえているのはわたしだけのようだ。
相も変わらず、悪い声だけはよく聞こえるらしい。これはあっちの世界にいた時から。あの時は嫌で嫌で仕方がなかった。けれど今は違う。本当はそんなことを思ってもいないセトモンの心。
助けてあげたいと心の底から願った。
――何が慈しみだ!何が好意だ!何が愛だ!
『セトモン、』
――そんなもの、全て見せかけにすぎない!
嗚呼、わたしも同じように思っていた。
アイの籠った優しい言葉の数々。けれどそれは決して愛なんかじゃない。周りに良く思われていたいと願う心の闇の部分。体裁を保つための防御策でしかなかったんだ。
それでも、
――本当の愛が存在しないのならば!
それでも、わたしは知ったよ。
ロイヤルナイツ、街のデジモン達。この世界に来てわたしは本当の愛を受け取った。この1か月で、自分でも驚くくらい明るくなった。そうしてくれたのはやっぱり、皆デジモン達のおかげだ。
だから今度はわたしの番。
――全て壊してしまえばいい!
ドォォォォォォォン!
「シオリ!」
デュークモンの声が聞こえる。
炎が舞い上がって周りは見えない。
けれど、そこにセトモンがいる。
『セトモン。聞こえるかな』
一歩近づく。
『わたしも貴方と同じ。愛に飢えていたんだ』
さらに一歩。
『けれどこの世界で、わたしは無償の愛を知った』
――無償の愛だと?ふざけるな!
ドォォォォォォォン!
――そんなもの、存在していない!
『あるよ。ここに、ある』
――ないッ!
ドカァァァァァァン!
セトモンの攻撃がわたしの足元に放たれた。炎がどんどんわたしを囲んでいく。
それでも構わなかった。
「シオリ、これ以上は危険だ!」
<デュークモン。もう少し待ってやってくれ>
「マグナモン!しかし、それではシオリが…!」
<もう少しだけでいいんだ。頼む>
「……、2分だぞ」
<恩に着る>
『わたしは、デジモンが好きだよ』
まだまだ勉強中だけれど。
デジモンのことを知っていくのが何よりも楽しい。
『ねえ、セトモン』
炎を超えて近づく。
――来るなッ!
『わたしは……』
――来るな来るな来るなッ!
『セトモンが、大好きだよ』
近づいて、触れた。
デジタマを撫でるように優しく撫でると、炎だった周りが光で溢れかえった。
悲しくも、わたしの意識はそこで途絶えてしまったけれど。
『熱い……』
「大丈夫か?」
『うん』
火の中をデュークモンに守ってもらいながら進んでいくと、しばらくして声が聞こえた。
それは決して良いものではなく、この世界に憎悪している声だ。
――憎い。何もかもが憎い!
『デュークモン。聞こえる?』
「何がだ?」
『セトモンの声。きっと、心の声』
「……このデュークモンには聞こえぬが」
どうやら聞こえているのはわたしだけのようだ。
相も変わらず、悪い声だけはよく聞こえるらしい。これはあっちの世界にいた時から。あの時は嫌で嫌で仕方がなかった。けれど今は違う。本当はそんなことを思ってもいないセトモンの心。
助けてあげたいと心の底から願った。
――何が慈しみだ!何が好意だ!何が愛だ!
『セトモン、』
――そんなもの、全て見せかけにすぎない!
嗚呼、わたしも同じように思っていた。
アイの籠った優しい言葉の数々。けれどそれは決して愛なんかじゃない。周りに良く思われていたいと願う心の闇の部分。体裁を保つための防御策でしかなかったんだ。
それでも、
――本当の愛が存在しないのならば!
それでも、わたしは知ったよ。
ロイヤルナイツ、街のデジモン達。この世界に来てわたしは本当の愛を受け取った。この1か月で、自分でも驚くくらい明るくなった。そうしてくれたのはやっぱり、皆デジモン達のおかげだ。
だから今度はわたしの番。
――全て壊してしまえばいい!
ドォォォォォォォン!
「シオリ!」
デュークモンの声が聞こえる。
炎が舞い上がって周りは見えない。
けれど、そこにセトモンがいる。
『セトモン。聞こえるかな』
一歩近づく。
『わたしも貴方と同じ。愛に飢えていたんだ』
さらに一歩。
『けれどこの世界で、わたしは無償の愛を知った』
――無償の愛だと?ふざけるな!
ドォォォォォォォン!
――そんなもの、存在していない!
『あるよ。ここに、ある』
――ないッ!
ドカァァァァァァン!
セトモンの攻撃がわたしの足元に放たれた。炎がどんどんわたしを囲んでいく。
それでも構わなかった。
「シオリ、これ以上は危険だ!」
<デュークモン。もう少し待ってやってくれ>
「マグナモン!しかし、それではシオリが…!」
<もう少しだけでいいんだ。頼む>
「……、2分だぞ」
<恩に着る>
『わたしは、デジモンが好きだよ』
まだまだ勉強中だけれど。
デジモンのことを知っていくのが何よりも楽しい。
『ねえ、セトモン』
炎を超えて近づく。
――来るなッ!
『わたしは……』
――来るな来るな来るなッ!
『セトモンが、大好きだよ』
近づいて、触れた。
デジタマを撫でるように優しく撫でると、炎だった周りが光で溢れかえった。
悲しくも、わたしの意識はそこで途絶えてしまったけれど。