少女の初任務①
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『か、孵った……』
わたしの腕の中には、体毛が黒く、金色の瞳を持つデジモンが誕生した。
確か名前は、
『ボタモン』
そういえば、オメガモンは2体のデジモンが融合した姿。元を辿ればその2体のうち1体、ウォーグレイモンが幼年期Ⅰまで退化したらボタモンになるはずだ。考えただけでゾクゾクする。将来が楽しみなデジモンが生まれてきてくれたと、心の底から嬉しいと思えた。
『ありがとう、ボタモン』
生まれてきてくれて、ありがとう。小さく呟いて優しくボタモンを抱きしめる。他のデジタマも孵していこうとボタモンを地面に置くと、そこに突如として幼年期用のベッドが現れた。
『なんて便利な……』
思わず本音がこぼれた。けれど、生まれたての赤ちゃんデジモンを野ざらしにするよりかは確かにマシだと納得してしまった。我ながら順応力があるのではないだろうか。
『よし、このまま他のデジタマも――』
孵そうとしたその時。
ドカァァァァン
『な、なに!?』
大きな爆発音が響き、地面も大きく揺れた。あまりの揺れの大きさに足元がふらつき、気を抜いたら転んでしまいそうだった。
ドォォォォォン
立て続けに爆発する。
爆発した方向を見ると、そこはなんと町の中心部ではないか。
『あ、火が……』
今しがた爆発したところからは巨大な火柱が立ち昇っていた。もしかして、火災事件の犯人が現れたのかもしれない。調査するだけだったがまさか今日エンカウントするとは思わなかった。
『このままじゃ、町が焼き尽くされる』
デュークモンがどこにいるかわからない今、ここにいる幼年期デジモンやデジタマを守れるのはわたししかいない。焦っている暇はない。ひとまず、デジモンたちを避難させなければ。
<シオリ!>
『クレニアムモン!』
吃驚した。突然わたしの横に半透明のモニターが出現したのだ。そこに映っているのはメインサーバからサポートをしてくれているクレニアムモン。
<今そなたのいる地点は敵の攻撃可能範囲に入ってはいない。しかし、いつまでも安全地帯というわけではないから気を付けろ>
『分かってる。この近くに避難できそうなところは?』
<その地点だと地下空間に繋がる床があるはずだ>
地下空間に繋がる床とは何ですか!
ツッコミを入れたいけれど考えている暇もない。落ち着いて辺りを見渡すと、少し離れたところに色違いのパネルのような床を見つけた。普通に考えるとあればその地下空間とやらにつながる床かもしれない。急いでそこへ向かう。
『あれか!』
パネルを退けると、そこには地下へ繋がるような階段が存在していた。
『皆、こっちへおいで!』
幼年期デジモンへ呼び掛けると、すぐに集まってくれた。中には成長期と思われるデジモンもいて、なんとデジタマを幾つか抱えてきてくれたのだ。避難活動に自分の手を惜しみなく貸してくれる彼にお礼を言うために跪いて目線を合わせ、名前を問う。
『君。名前は?』
「オレはドルモン」
『そっか。ありがとう、ドルモン』
いきなりの襲撃で混乱するだろうに、それでもデジタマを守ってくれているドルモンには感謝の気持ちしかなかった。
『さあ、ドルモンも地下へ』
「君は?」
『仲間のところに行ってきます』
「そう。でも危ないよ」
心配してくれているのだろうか。
『危なくても良い。この世界で生きるべき命は、わたし達が守ってみせるよ』
そう言ってドルモンを頭から背中を優しく撫でる。そうだ、この世界には生きなくてはならない純粋な命がたくさんある。それを守らなければ、わたしがここに来た意味がない。
『避難したデジモン達を任せます』
「うん。こっちは任せて」
頼もしいその声に安心して町の中心部へ向かう。
わたしの腕の中には、体毛が黒く、金色の瞳を持つデジモンが誕生した。
確か名前は、
『ボタモン』
そういえば、オメガモンは2体のデジモンが融合した姿。元を辿ればその2体のうち1体、ウォーグレイモンが幼年期Ⅰまで退化したらボタモンになるはずだ。考えただけでゾクゾクする。将来が楽しみなデジモンが生まれてきてくれたと、心の底から嬉しいと思えた。
『ありがとう、ボタモン』
生まれてきてくれて、ありがとう。小さく呟いて優しくボタモンを抱きしめる。他のデジタマも孵していこうとボタモンを地面に置くと、そこに突如として幼年期用のベッドが現れた。
『なんて便利な……』
思わず本音がこぼれた。けれど、生まれたての赤ちゃんデジモンを野ざらしにするよりかは確かにマシだと納得してしまった。我ながら順応力があるのではないだろうか。
『よし、このまま他のデジタマも――』
孵そうとしたその時。
ドカァァァァン
『な、なに!?』
大きな爆発音が響き、地面も大きく揺れた。あまりの揺れの大きさに足元がふらつき、気を抜いたら転んでしまいそうだった。
ドォォォォォン
立て続けに爆発する。
爆発した方向を見ると、そこはなんと町の中心部ではないか。
『あ、火が……』
今しがた爆発したところからは巨大な火柱が立ち昇っていた。もしかして、火災事件の犯人が現れたのかもしれない。調査するだけだったがまさか今日エンカウントするとは思わなかった。
『このままじゃ、町が焼き尽くされる』
デュークモンがどこにいるかわからない今、ここにいる幼年期デジモンやデジタマを守れるのはわたししかいない。焦っている暇はない。ひとまず、デジモンたちを避難させなければ。
<シオリ!>
『クレニアムモン!』
吃驚した。突然わたしの横に半透明のモニターが出現したのだ。そこに映っているのはメインサーバからサポートをしてくれているクレニアムモン。
<今そなたのいる地点は敵の攻撃可能範囲に入ってはいない。しかし、いつまでも安全地帯というわけではないから気を付けろ>
『分かってる。この近くに避難できそうなところは?』
<その地点だと地下空間に繋がる床があるはずだ>
地下空間に繋がる床とは何ですか!
ツッコミを入れたいけれど考えている暇もない。落ち着いて辺りを見渡すと、少し離れたところに色違いのパネルのような床を見つけた。普通に考えるとあればその地下空間とやらにつながる床かもしれない。急いでそこへ向かう。
『あれか!』
パネルを退けると、そこには地下へ繋がるような階段が存在していた。
『皆、こっちへおいで!』
幼年期デジモンへ呼び掛けると、すぐに集まってくれた。中には成長期と思われるデジモンもいて、なんとデジタマを幾つか抱えてきてくれたのだ。避難活動に自分の手を惜しみなく貸してくれる彼にお礼を言うために跪いて目線を合わせ、名前を問う。
『君。名前は?』
「オレはドルモン」
『そっか。ありがとう、ドルモン』
いきなりの襲撃で混乱するだろうに、それでもデジタマを守ってくれているドルモンには感謝の気持ちしかなかった。
『さあ、ドルモンも地下へ』
「君は?」
『仲間のところに行ってきます』
「そう。でも危ないよ」
心配してくれているのだろうか。
『危なくても良い。この世界で生きるべき命は、わたし達が守ってみせるよ』
そう言ってドルモンを頭から背中を優しく撫でる。そうだ、この世界には生きなくてはならない純粋な命がたくさんある。それを守らなければ、わたしがここに来た意味がない。
『避難したデジモン達を任せます』
「うん。こっちは任せて」
頼もしいその声に安心して町の中心部へ向かう。