名字固定【篠崎】
漂流?冒険の島!
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「あいつ、まだ生きてやがった!」
いなくなったと思っていたクワガーモンがそのご自慢の鋏を音を立てて威嚇をしながら再び茂みから姿を現した。ダメージはさほど受けていないようだ。
「くそぅ、このままじゃ…!」
「いかなきゃ」
「え?」
太一くんが悔しそうに嘆き、彼のコロモンが呟いた。いく、とはどういうことだろうか。
「ぼくたちが、たたかわなきゃ、いけないんだ…」
「何言ってるんだよ!」
太一くんが困ったように言い放つ。
「そうや。わいらはそのために待っとんたんや!」
「そんな…」
モチモンの言葉に、光子郎の表情は心配で曇るばかりだ。
「行くわ!」
「無茶よ…。あなた達が束になっても、あいつに敵うはずないわ!」
空ちゃんが必死にピョコモンたちへ叫ぶ。相手はわたしたちの命を脅かす存在なのだ。それが、どうしようもなく恐ろしいはずなのに、なのにこのデジモンたちは。
「碧」
嫌だなあ。今はそんな声で呼ばないでほしい。
『…なに、コロモン』
「おれがこわいのは、じぶんのいのちより、碧が、しんでしまうこと」
『コロモン…』
「碧とであい、碧とすごし、碧をまもるためにたたかう。それはぜんぶ、碧といきるためだよ」
――だから、いかせて
真っ直ぐにわたしを見るコロモンの瞳は本物で。ずっと待っていた。そう彼らは言っていた。どのくらい待っていたのだろうか。わたしは何も分からないのに、それでも彼らは待ち続けたのだ。きっと気が遠くなるくらい。諦めてしまいたくなるくらいの年月を、彼らはここで待っていたのだろう。
ならば、報われるべきではないか。
彼らが、コロモンが心の底から望んでいることならば、もう報われていいはずだ。
『分かった』
「碧…!」
『どうか、無事で』
「うん!」
コロモンの顔はどこか晴れやかだ。
「いくぞ~!」
太一くんのコロモンの掛け声により、他のデジモンも子どもたちの腕の中から飛び出していった。
『コロモン…!』
「ピョコモン!」
「モチモン!」
「ツノモン!」
「トコモン!」
「プカモン!」
「タネモン!」
「コロモオオオオン!」
わたし達はそれぞれのデジモンの名を呼んだ。祈りを込めて。どうか無事であれ、と。
そんな思いが通じたのだろうか。突如空から降り注いだ虹色の光がデジモンたちを包み込んでいく。
「「コロモン進化ー! アグモン!」」
「ピョコモン進化ー! ピヨモン!」
「モチモン進化ー! テントモン!」
「ツノモン進化ー! ガブモン!」
「トコモン進化ー! パタモン!」
「プカモン進化ー! ゴマモン!」
「タネモン進化ー! パルモン!」
光が収まった先、姿を変えたデジモンたちがいた。ここで目に留まったのはアグモンと名乗っていたコロモンだった彼ら。同じ名前と形ではあるけれど、色が違っている。太一くんのアグモンは黄色。わたしのアグモンは黒色だ。
「な、なんだ!?」
「皆行くぞ!」
わたしたちが状況を理解できていない間に、太一くんのアグモンの掛け声で他のデジモンたちも飛び出した。
「ああ…っ!」
クワガーモンへ向かったのは良いものの、パワー負けをしてしまって薙ぎ払われ、地面へ叩きつけられてしまう。
「これくらい大丈夫!」
ダメージはないのか、すぐに立ち上がり再び戦闘態勢に持ち込んでいる。コロモンだったころより、彼ら確実に強い。
「ポイズンアイビー!」
「エアショット!」
「プチサンダー!」
飛び立とうとしたクワガーモンをパルモンが捕まえ、その間にパタモンが空気砲を、テントモンが電撃を浴びさせた。クワガーモンが思わず地面につこうとした足をゴマモンがスライディングすることにより体勢を崩す。
「皆離れろ!」
太一くんのアグモンが声を掛けてクワガーモンから仲間を離れさせた。
「「ベビーフレイム!」」
「プチファイヤー!」
「マジカルファイヤー!」
アグモンたちとガブモン、ピヨモンが隙を作ることなく炎を放ち、クワガーモンが燃え上がった。けれど、すぐに振り払い消化をされてしまう。
「よし、もう一度だ!」
今度は皆で一斉攻撃。一つの力では無理でも、皆で合わせたその攻撃の威力は大きく、先程よりも派手に燃え上がり、茂みの方へ倒れこんで姿を消した。
「……やった」
『すごい』
思わず呟いた。わたしたちの、勝ちだ。
「碧ー!」
「アグモン! おかえり、格好良かったよ」
戻って来たアグモン(黒)を思いきり抱き締めた。わたしたちを守るためだとたくましく強くなったその体が、今は何よりも愛おしい。
「碧、これからもよろしく」
『もちろんだよ。わたしからも宜しく』
「太一!」
空ちゃんの突然の叫び声に顔を上げると、倒したばかりのクワガーモンが太一くんへ襲い掛かろうとしていた。しぶとい、その言葉が似合うほどにクワガーモンの執念は深かった。
『太一くん、こっちへ!』
崖先の方へ来たところで逃げ道はないけれど、あのハサミの餌食になるよりかはマシだ。そう思っていたのだけれど、クワガーモンはその自慢のハサミを地面に突き刺した。ヒビが入り、そして…
「うわああああああああ!」
地面は綺麗に割れてわたしたちは崖の下へ真っ逆さまに落下していく。川の恐怖がもう一度わたしを襲っていた。
『わあ……これは、むり』
「碧!」
アグモン(黒)の声が微かに聞こえた気がした。
いなくなったと思っていたクワガーモンがそのご自慢の鋏を音を立てて威嚇をしながら再び茂みから姿を現した。ダメージはさほど受けていないようだ。
「くそぅ、このままじゃ…!」
「いかなきゃ」
「え?」
太一くんが悔しそうに嘆き、彼のコロモンが呟いた。いく、とはどういうことだろうか。
「ぼくたちが、たたかわなきゃ、いけないんだ…」
「何言ってるんだよ!」
太一くんが困ったように言い放つ。
「そうや。わいらはそのために待っとんたんや!」
「そんな…」
モチモンの言葉に、光子郎の表情は心配で曇るばかりだ。
「行くわ!」
「無茶よ…。あなた達が束になっても、あいつに敵うはずないわ!」
空ちゃんが必死にピョコモンたちへ叫ぶ。相手はわたしたちの命を脅かす存在なのだ。それが、どうしようもなく恐ろしいはずなのに、なのにこのデジモンたちは。
「碧」
嫌だなあ。今はそんな声で呼ばないでほしい。
『…なに、コロモン』
「おれがこわいのは、じぶんのいのちより、碧が、しんでしまうこと」
『コロモン…』
「碧とであい、碧とすごし、碧をまもるためにたたかう。それはぜんぶ、碧といきるためだよ」
――だから、いかせて
真っ直ぐにわたしを見るコロモンの瞳は本物で。ずっと待っていた。そう彼らは言っていた。どのくらい待っていたのだろうか。わたしは何も分からないのに、それでも彼らは待ち続けたのだ。きっと気が遠くなるくらい。諦めてしまいたくなるくらいの年月を、彼らはここで待っていたのだろう。
ならば、報われるべきではないか。
彼らが、コロモンが心の底から望んでいることならば、もう報われていいはずだ。
『分かった』
「碧…!」
『どうか、無事で』
「うん!」
コロモンの顔はどこか晴れやかだ。
「いくぞ~!」
太一くんのコロモンの掛け声により、他のデジモンも子どもたちの腕の中から飛び出していった。
『コロモン…!』
「ピョコモン!」
「モチモン!」
「ツノモン!」
「トコモン!」
「プカモン!」
「タネモン!」
「コロモオオオオン!」
わたし達はそれぞれのデジモンの名を呼んだ。祈りを込めて。どうか無事であれ、と。
そんな思いが通じたのだろうか。突如空から降り注いだ虹色の光がデジモンたちを包み込んでいく。
「「コロモン進化ー! アグモン!」」
「ピョコモン進化ー! ピヨモン!」
「モチモン進化ー! テントモン!」
「ツノモン進化ー! ガブモン!」
「トコモン進化ー! パタモン!」
「プカモン進化ー! ゴマモン!」
「タネモン進化ー! パルモン!」
光が収まった先、姿を変えたデジモンたちがいた。ここで目に留まったのはアグモンと名乗っていたコロモンだった彼ら。同じ名前と形ではあるけれど、色が違っている。太一くんのアグモンは黄色。わたしのアグモンは黒色だ。
「な、なんだ!?」
「皆行くぞ!」
わたしたちが状況を理解できていない間に、太一くんのアグモンの掛け声で他のデジモンたちも飛び出した。
「ああ…っ!」
クワガーモンへ向かったのは良いものの、パワー負けをしてしまって薙ぎ払われ、地面へ叩きつけられてしまう。
「これくらい大丈夫!」
ダメージはないのか、すぐに立ち上がり再び戦闘態勢に持ち込んでいる。コロモンだったころより、彼ら確実に強い。
「ポイズンアイビー!」
「エアショット!」
「プチサンダー!」
飛び立とうとしたクワガーモンをパルモンが捕まえ、その間にパタモンが空気砲を、テントモンが電撃を浴びさせた。クワガーモンが思わず地面につこうとした足をゴマモンがスライディングすることにより体勢を崩す。
「皆離れろ!」
太一くんのアグモンが声を掛けてクワガーモンから仲間を離れさせた。
「「ベビーフレイム!」」
「プチファイヤー!」
「マジカルファイヤー!」
アグモンたちとガブモン、ピヨモンが隙を作ることなく炎を放ち、クワガーモンが燃え上がった。けれど、すぐに振り払い消化をされてしまう。
「よし、もう一度だ!」
今度は皆で一斉攻撃。一つの力では無理でも、皆で合わせたその攻撃の威力は大きく、先程よりも派手に燃え上がり、茂みの方へ倒れこんで姿を消した。
「……やった」
『すごい』
思わず呟いた。わたしたちの、勝ちだ。
「碧ー!」
「アグモン! おかえり、格好良かったよ」
戻って来たアグモン(黒)を思いきり抱き締めた。わたしたちを守るためだとたくましく強くなったその体が、今は何よりも愛おしい。
「碧、これからもよろしく」
『もちろんだよ。わたしからも宜しく』
「太一!」
空ちゃんの突然の叫び声に顔を上げると、倒したばかりのクワガーモンが太一くんへ襲い掛かろうとしていた。しぶとい、その言葉が似合うほどにクワガーモンの執念は深かった。
『太一くん、こっちへ!』
崖先の方へ来たところで逃げ道はないけれど、あのハサミの餌食になるよりかはマシだ。そう思っていたのだけれど、クワガーモンはその自慢のハサミを地面に突き刺した。ヒビが入り、そして…
「うわああああああああ!」
地面は綺麗に割れてわたしたちは崖の下へ真っ逆さまに落下していく。川の恐怖がもう一度わたしを襲っていた。
『わあ……これは、むり』
「碧!」
アグモン(黒)の声が微かに聞こえた気がした。